なぜなぜ問答

これも忘れないように書いておこう。

亡くなった夫がよく言っていた言葉があります。

「なぜなぜ問答をしたほうがいいよ。そしたらホントの答えが出て来る」

夫がそう言うのは、物事が自分が思ったように進んでいなくて、「なんでこうなっちゃうのー」と

愚痴る時。考えるんだけど答えが出ない時。物事の経過を分析しきれなくて、うまくいかなかった

原因を自分以外のせいにしようとしている時。

そんな時に「なぜだー?」「なぜだー?」を積み重ねて繰り返せ。そした理由が探せる、と言って

ました。理由が探せたら冷静に動けるって。

現実に、私が夫に誰かのことを愚痴って「何故そう思うんだ?」

「あの人のその行動が嫌だったから」と答えて「なぜその行動が嫌なんだ」と訊かれ続けていったら

頭に来て「もういい!もう言わないッ」と怒っっちゃうのが常なんですが、夫は上司の方からいつも

「なぜだー、なぜだー」と言われ続けていたのだそうです。

 

この話を書いていたら、今郵便屋さんがきて、当の上司の方からのお手紙を運んできてくれました。

本当に偶然です。普通はお年賀状の行き来しかありません。会社の何方かがご連絡してくださった

のだと思います。

お手紙にはこう書いてありました。

 

IBM・JSC時代、特約店新事業が無事スタートできましたのは、彼の企画力、努力の賜物と思っています。

彼には感謝しています。と・・・。

 

夫が亡くなって寂しいでしょうと、よく言われますが正直あんまりよくわからない。

周りに人の出入りが多いのと、自分の友人たちが連れ添った伴侶を失くしても雄々しく生きているのを

見ているし、何より宮城という震災被害の大きい土地に住んで、南三陸、石巻、女川と大きな被害を

受けた方々と常々の交流がある日常では、自分の寂しい悲しいは我慢できる範囲だと思う感情

があります。

 

でも思いがけずこういうお手紙が舞い込んでくると、しみじみと、「よかったねえ、オトーサン、山田

さんが誉めてくださっているよ」とほんとうに嬉しい。

 

山田さま、お教えいただいた「なぜなぜ」は、夫から受け継いで私が問答してまいります。

長年のご親切心より御礼申し上げます。ありがとうございました。