マスク協奏曲

確定申告に行ってきました。

まあ、今年の状況では日にちを伸ばしてもいいらしいけど、とりあえずは
締め切りの4月15日ということで。

例年行き慣れている町の支所ではもう受け付けてないということで、あまり
行きたくない古川の本庁へ。

ちらほらやってくる人もいるけれど空いてる。
受け付けてもらって、まもなく印刷された書類を手渡されて、親切にも来年
用の申告書類まで用意して頂きました。
「来年からは内訳書のみ書いてきてくれたらいいですよ。添付書類は持って
きてくれればいいから」と笑顔を優しい言葉を添えて。

凄いね。
控除の方が多くてまともに収入になっていないのもあるけど、歳をとれば
とるほど後期高齢者扱いでありがたい。
助かります。来年分まで気が楽になった。
仕事を辞めなかったら(辞めてないけど)、来年も行きます。

午後はひと月に2回やる洋裁教室。
こんな状況でも石巻から先生が来てくれるので、マスクをつけて換気を
しながらなんとか続けています。

が、教室の始めのうちは、服作りはそっちのけで、マイマスク作成。
自分が不自由なく持っているので、マスクがそれほど手に入りにくいとは
知らなかったのですが、お餅屋の私に(洋裁もやっている)マスクの
注文がきたり、残りを道の駅に持って行くとすぐに売れてしまう。

という状況で、時間をとってマスクを作ることにしました。

簡単そうだけどそう簡単でもない。


マスクを作り始めるたら、あちらこちらから布が集まり始めました。
これは東北大震災の時と一緒。
敬虔なクリスチャンのM子さんが多量に持ってきてくれたのは、普段には
あまり見ることがない用途が見えない真っ白な布。
しばらく考えて、教会で使う白い布だとわかりました。
こんな珍しい布にも出会います。マスクにしていいのかしら。

マスク時間が終わったら洋裁の時間。

考えて考えて、やり直してやり直して、先月からの続きのチュニックと
羽織ジャケットがやっと出来上がりました。
ちゃんと脇ポケットもつけたけど、そのポケットが逆さについてるという
斬新なデザイン。


今回はどうにか教室を開いたけれど、次はできるのだかどうだか。

呼吸器疾患を持病に持つ私は、どうせどこにも行けないので、直売所に
篭って花を売りながらマスクを作ります。

うちの庭に咲く春の花です。

ヒメリュウキンカ

ヒメツルニチニチソウ
イチゲ

ハナニラ

そしてあちらこちらに群生するたくさんの水仙

コロナには関係なく、庭には春がきています。

野菜のかんそう

コロナコロナで明け暮れている毎日ですが、
朝、お餅の出荷で道の駅に行く途中で鳥の喧嘩に遭遇。

最初カラスが揉めているのかと思ったら、闘っているのは雄の雉でした。
闘いは白熱していて私の車が近づいても全然どかない。
県道17号線の左車線。闘いは右車線に移っても止まない。
次には藪に入って飛び上がってぶつかって飛び上がってぶつかって、これは
どうなるのかと見ていたら、ついに勝負あり。
負けた雉は、飛ぶんじゃなくて、道路を駆け走って逃げて行きました。

しかしいつでも思うんだけど、雉ってなんで飛ばないで歩くんだろう。

全然違う話ですが、昔山に登っている頃、飯豊山の本山小屋のおじさんから
乾燥したごぼうと人参の煮物をご馳走してもらったことがあります。
本山小屋に登るには、丸1日かかり(私は違う登山口から二日がかりで本山
小屋に到着していました)、長い行程、夏の間の食料を背負って運び上げる
には、乾燥できるものは全部乾燥するのだとおじさんは言ってました。

乾燥した野菜の煮物の美味しさは、今も忘れられません。

また話が違うのですが、昨年友人の農家の由美さんからどっさりキクイモを
もらいました。体にはいいらしいけでど、キクイモは名前はイモだけど
芋にあらず。キクです。そのキクの花が3メートルにも成長して花を咲かす、
というのを聞いて、植える気にならず、やはり友人の農家のクリちゃんに
栽培を任せました。

そして収穫時期にとれたキクイモの量の凄さ!
1株でもスーパーのピンクのカゴいっぱいになるくらいの途方もない量。
みかけは生姜みたいで凸凹していてなかなか切りつらい。でも体によい
のだからなんとか消化しようよ、と思いついたのは乾燥。


凸凹の土をきれいに洗って、指まで削りながら必死にキクイモスライスを
して洗って乾燥機に入れて乾燥させたら、見事キクイモチップみないに
なりました。なかなかオツな味でポテトチップみたいに食べられます。

キクイモが終わったら乾燥が止められなくなり、次に思いついたのがネギ。
「なんでこんなに植えたのかわからない」と植えた本人が首を傾げるくらい
広い畑に広がったネギを半日がかりで抜いて、指に包丁だこを作りながら
ほぼ1日かけて刻みまくって乾燥機にかけたら、こんな乾燥ネギになりました。
刻んだネギは100キロくらいあったかもしれない。

次はパセリ。
パセリの乾燥はほんとうに色がきれいでびっくり。

乾燥してもこの青さは変わりません。
乾いたら葉だけにして瓶に入れれば、スープやハンバーグの具などに長く
使えます。




だんだん面白くなって来年はヤーコンを乾かそうとクリちゃんと相談。
葉も茎も芋も入れて乾燥させてお茶にする。たぶんボケ防止になるんじゃ
ないかと儚い望みをかけて。

というわけで、今日はパセリやレタスなどの苗を買ってきました。

長引くコロナ。この先どう収束するのかしないのか全く見えないので
ひたすら家にいて、家でできることを楽しみながらやります。

そして花が咲いたら花の乾燥。
ラベンダーやマリーゴールド、アナベルや柏葉アジサイ。夢が膨らみます。




直売所の4月

聞き覚えのある囀り。

見上げると道の駅のいつもの場所にツバメが来てました。
一昨日はみかけなかったから、昨日来たのかな。

地震があろうがコロナがあろうが、人間世界のできごとには委細かまわず、
その時期になったら遠い国からやってくる。
出たり入ったり忙しそうなツバメを見上げながら、穏やかな気持ちになります。


お餅の出荷を終えたあと、午前中は畑でワタの片付け。
ギリシャから来た綿の種をもらって、張り切って種を蒔き、真っ白な綿を
収穫することを夢見て4畝も植えつけたのでしたが、植え付けが遅かった。
雨が多すぎて温度が上がらなかった。
などなどの理由で、綿の実はついたけれど、中のふわふわの白い綿を取り
出せず、失敗。借りた畑が肥沃だったのか、木のように太く大きく育って、
片付けも重労働。

傍らの畝の草もきれいにとって、新しい芽を出した北海道産宿根草を日向
に出してやりました。大きく育ったら珍しい畑版ガーデンになるのかも
しれません。


午後は直売所で仕事。

運営者がいなくなった農産物直売所を仲間4人で借りて昨年4月にオープンした
家の近くの直売所。
役目としては直売所なので、由美さんの野菜を置いたり、アイスやお菓子や
ジュースなどを置いたりはしたのでしたが、ついでに始めた洋裁と機織りの
教室。それにALTのリー先生の英会話クラス。

気がつけば、普通に寄ってくれるお客さんよりも、洋裁をやりたかったり
機を織りたい希望者が増えて、いつの間にか直売所というよりも工房の
様相を呈してきていました。

あれから1年。寒かった冬が終わり、そろそろ直売所としての品揃えも準備
するべき時期なのだけれど、新型コロナの現状でとても普通に開けるという
気持ちになれません。

1か月に2回の洋裁、機織り教室とはいえ、
ミシンの使い方さえ忘れ、どこから手をつけてよいのか訳が解らなかった
洋裁の実力も凄いことに、こんなジャケットも作れるようになりました。

機織りもみんな実力をつけました。
マフラーもショールも裂織りバッグも販売できるほどの量を織って積み
重なっています。

が、ここにきて春の服も作りたいけれど、最重要で急ぎ必要になったのは
マスク。春から夏のためにとここ1年、やたら買い込んだ布が役に立つ、と
いうか役にたたせざるを得ないというかでどんどんマスクに変貌して
ゆきます。

服用の布がまさかマスクになるなんて、2ヶ月前には想像もしないことでした。


でも今はそんなことはいってられないので、少しずつでもマスクを作ります。

今年の春の直売所のオープンは、新型コロナがもう少し落ち着いてから考えます。
お花だけは販売しています。

こちらも人間世界のできごとには委細かまわず、いつもの春のとおりに咲き
揃いました。

真山にお出かけの際は、ぜひ直売所にお立ち寄りください。