またもやの北海道(十勝)

北海道の旅の最後の日を書く前に、自分がダウンしてしまってドクター
ストップがかかる、というていたらく。

今回のドクターストップで、熱もなく咳もなく食欲も普通で自覚症状は
ゼロでも、体の中で何かが動いて突然病気になって現れる、ということが
あるのだ、とよくわかりました。用心、用心。
だいぶ元気になりました。

北海道に戻って、旅の終わりの日の最初の訪問先は、広尾町の大森ガーデン。

訪れるのは4度目です。
富良野のfcsの谷山さんのご紹介で、3年ほど前に伺ったのが最初で、
その時にはガーデンデザインや1000種を超える宿根草栽培では日本でも
第一人者でいらっしゃる大森氏にガーデンの隅々からナーセリーに至る
までご案内をいただき、そのご親切に心から感謝、恐縮しました。


東京から日高山脈の麓、十勝に来られて、最初は野菜の栽培から現在の
ガーデン経営に至るまでの数々の困難や、十勝の気候の厳しさなどを伺い
ましたが、そんなご苦労を少しも感じさない大森さんの温かいお人柄と
ガーデンの美しさに魅了された忘れがたい時間でした。


以来広大な畑のお仕事にもお忙しい大森さんにはなかなかお目にかかること
は叶わないけれど、今回もご子息のケンタロウ氏にご厄介をかけました。



大森ガーデンの美しさは言葉で語れるようなものではなく、ただ歩いて
花の美しさ、色の美しさ、木々の美しさを見るのみです。

駐車場がある前庭。

これは今回初めて見る前庭の作りですが、これがどのようなことになるのか
想像がつきません。植栽されているのは特殊なタイム一色。
春にはピンクの小花がびっしりと咲かせる這性タイムです。

広い2階にギャラリーを備えたcafe脇から始まる大森ガーデン。

手入れが疎かなところが全く見受けられない7月の大森ガーデン。

夏がだいぶ進んだ時期に来た昨年とは、盛りの花も庭の色も異なります。
無駄なものがない美しく整えられたガーデンですが、ここでは群れから
外れて飛んだこぼれ種もこぼれた場所でそのまま大きく育っています。
整えられているけれどのびのびとして大雑把。育てる人の温かさを感じます。

大森ガーデンではお庭を見るだけではなく、1000種類を超える宿根草が
栽培、販売されていてこれも必見。

我が家ではケンタロウ氏にお願いして送ってもらった白樺が、鉢の中
でスクスク育っています。もちろん他の花々も。



大森ガーデンを心ゆくまで楽しんで、次は十勝千年の森。

十勝千年の森は、大森ガーデンのように個人経営ではなく、千年の森の
創始者、運営者である十勝毎日新聞社が、大量の紙を使う新聞社が
植樹をして森を造っていけば、カーボン(二酸化炭素)をオフセット
(相殺)できるという構想のもとに、1000年後の未来に遺す財産と
して作られている広大な森には、メドウガーデンやアースガーデン、
キッチンガーデン、ファームガーデン、と4つのガーデンがあります。


人なつこいヤギが遊ぶファームガーデン。農の庭。


どこまでも緑波打つアースガーデン。大地の庭。
広がりの先がどこまで続くのかわかりません。

キッチンガーデンの小さなカフェでソフトクリームを食べるのが毎回
立ち寄る度の楽しみです。
例年ならここでは中国語が聞こえないことがないのに、閑散として
静まっています。


いつも時間が押して入らないままだったメドウガーデン、野の花の庭。
を初めて歩くことにしました。
踏み込んですぐにこれは!?と驚愕、感動・

細い小道の」両側に植えられた背の高いグラス。背丈も株も花も巨大な
クリーム色のスカビオサ(西洋マツムシソウ)。
そのグラスとマツムシソウの間をびっしりと埋めるアルケミラモリス。
その有様は、まるでアルケミラモリスが原。
アルケミラモリスは夏一期咲の宿根草ですが、一株一株増殖させていく
性質であり、この黄色い小粒の花の種を振りまいて増やせる花ではない。
のに、どうしてこういうことができるのだろう。

ところどころに配置されている丈が高い大株、同系色のスカビオサが
見事に場を締めているという素晴らしさ。世界有数のガーデンデザイナー
ダン・ピアソン氏の設計だと思いますが感服しました。


その先を進むと、こちらはやはり同系色のコレオプシスデージー。
こっちもまるでコレオプシスデイジーが原。
これも植えてほうっで置けば年々増える花だけど、それにしてもここまで
にするにはどう栽培するのか。
私などにはどう考えてもわかりません。



本当に素晴らしいものを見せてもらいました。
決して忘れられない目にも心にも焼き付けた千年の森のお花畑の風景。



最後の訪問先は紫竹ガーデン。

もう90歳をいくつか超えられたと思いますが「紫竹おばあちゃん」の名で
親しまれている園主紫竹あきよさんが作られたお庭です。
昨年の5月にに訪れた時には、白樺の真っ白い樹々の下をびっしりと埋めて
色とりどりに咲きそろった球根の花々がとても見事でした。







でもことしの夏は花園のお花があまり良い状態ではないではなかった。
また来年、訪れようと思います。
人気ものの紫竹のおばあちゃんにも是非お元気でいていただきたい。



今年の夏もいい旅ができました。
また秋に。
それまでに新型コロナが少しでも落ち着いていればいいのですが、、、。