午前中、梅農場に集合して、ガイヤでの海山ネット商品初販売の計算をする。
海の手の人たちが作った青竹盆栽「希望の花」、そして南三陸からの避難者、Oさ
んと仲間の人たちが作った布の小物やレース編みがほぼ売れていて一安心。
売上のお金はそのまま鳴子温泉に用事がある山の手Kの手で避難所へ。
夜、R温泉のOさんから電話があった。
「ありがとう。バッグを作ってくれた南三陸にいるお友達がとても喜んでいる。仕事
がないからこれからも作るって言ってるけど、販売してもらえるの?」
「大丈夫! 販売する」
それから布の話になった。私が頼めるところには使わない布の提供をお願い
しているが、今のところ集まってこない。私の発信の仕方が足りないのだと思う。
「どこもかしこも潰れて布地を買うところもないしねえ」
私の言葉にOさんが言った。「そんなお金を遣ってはいけないと思うよ。どこかに
ある今は使っていない布地を頂いて作ったほうがいいと思うよ」
そうなのだ。こんな苦しい災害のただ中にありながら、やっぱりちょっと足りない物
を安易に買おうとする。そんな生活癖がぬけていない。世の中には、災害を受けて
いない場所には、使っていない布はいくらもあるだろうに。
青竹の「希望の花」。これも同じだ。毎年、毎年、食べきれないほど、採りきれない
ほど、どっさり出てくる竹の子。放っておくと、竹の子の皮つきのままぐんぐん伸び
て青竹になる。よっちゃん農場はきちんと採って道の駅の竹の子ご飯になるから
いいけど、うちの竹は出場所が無くなって畑のほうまで侵食してくる困り物だ。
港、お魚の加工場所、防波堤、津波に流されてしまったたくさんの老人福祉施設、
右を見ても左を見てもたくさんのお金がかかる今、山の方にはこれだけたくさん
放って置いても自然に生み出されるものがある。この青竹を使って器を作り、花も
素敵だけど、山のあちこちに落ちた木の実から芽生えてくる山栗や楓や杉、ブナな
どの赤ちゃん苗を植えたらどうだろう。
そんなことを考えさせられたOさんからの電話だった。