晩秋の北海道。
今年は暖かいのか、北国の紅葉は、想像していたほどには進んで
いませんでした。
東北に比べて紅い色が少ない。黄色い紅葉というのもへんだけど
全体的に木々の葉は黄色に染まっています。
これから向かう富良野の「風のガーデン」、そしてガーデン街道の
主だったガーデンの今季閉園は10月10日だとのこと。
病み上がりでも今の時期に私が富良野に行きたいのはみっつの目的
があって、ひとつは閉園時のガーデンの様子と閉園後の冬支度を
見たいこと。
もうひとつは、薔薇の庭のローズヒップを見たい。
それと一度は行ってみたいと憧れていた新イタリア料理レストラン
ル•ゴロワ フラノでランチを頂きたい。
ル・ゴロワ フラノは倉本聰氏がメニューの監修やデザインなどを
された「創」の思想に基づいて創設されたレストランとのこと。
シェフは東京表参道のフランス料理レストラン「ル・ゴロア」の
大塚シェフで、その奥さまが「フランス料理が専門で今からイタリア
料理は、とお誘いを受けた時に迷ったのですが、倉本先生から
自分は80歳でも新しいことに挑戦していると仰って頂き決心したの
です」とお聴きしました。
ということなんですが、閉園後のガーデンなんて観光客には見られる
わけがないので、今回はできるだけ閉園直前のガーデンに入って
植物の様子を見、閉園後は今繁盛している全ての宿根草を根元から
切ってしまうという北海道の庭の冬支度を、その作業を担うN君から
情報収拾しようと思います。
晩秋とはいえ、「風のガーデン」の花々はまだ健在でした。
薔薇の庭の薔薇の実、ローズヒップさえ、まだ実を落とさずに豊か
な姿を保っていました。
閉園したらこのヤギたちは本来の自分のおうちに帰るそうです。
咲いた花を切らなければ、こんなふうに実を実らせる原種の薔薇群。
しかしこんなふうに大きく育ち広がった薔薇の木を風雪に折れない
ように雪囲いするってどんな仕事?
トゲトゲじゃないですか。恐ろしい。
憧れのトマトのような「はまなす」の実。
1個でも2個でも貰って食べてみたいのだけれど、言う勇気がなくて
いまだ食べられません。
N君のお仕事仲間であるガーデナーの方々に訊いてみると、閉園翌日
から全ての宿根草を根元から切ってしまうとのこと。
刈り払い機でも鎌でもなく全て「鋏で切ります」と聞いて驚き、
「全部ですか」と尋ねたら「全部です」と言われてまたびっくり。
全部ということは植えて3年のものでも15年のものでも切ってしまうと
いうことなのか?
「植物は切れば芽が出る」というのは確信的にわかるけど、植えて
15年のものを切っちゃったら翌年15年の姿に戻るのかしら。
そこのところが消化しきれなくて我が庭の20年来の植物たちを私は
切れずにいるのです。全ての古い葉がなくなって新しい瑞々しい葉
に覆われた20年来の植物たちを思い描くのですが。
そこのところを学びたい。今回は。
さて、お昼の時間。
見るだに敷居が高かったル・ゴロへ。
完全予約制。
こんな時期ですが、さすが、席は全て埋まっています。
窓の外は緑一色。遠くに馬たちも見えて素晴らしい景観。
で、ランチメニューは、というと、うわ、これはお高い。
普通にランチを想像していた3倍以上。
すごく美味しいんだと思います。
奥様のご挨拶もあり、その後に舞台「屋根」の時から数回お会い
したことがある女優、Rちゃんに遭遇。このレストランで結婚式
を挙げたそうです。素晴らしい。お幸せそうでした。
そしてランチは。
海のものも山のものも畑のものも大変に美味しく食の細い私が
全部戴いてしまいました。
目を奪われてしまったデザート。
食事の写真を撮らない私が美しいアイスの写真を撮りました。
食材、料理、その美味しさ、美しさ、スタッフの応対。
そのどれをとっても文句のつけどころのない素晴らしいご馳走
ランチでした。
そして最初に驚いた代金のほうは、どのようなシステムになっている
のかわからぬままにN君のおかげでgo to の恩恵に預かりました。
今回の宿泊は久しぶりに新プリンスホテル富良野。
街のホテルに戻らねばならない面倒がないままに、食事後はホテル
周りのニングルテラスやcafe森の時計などをぶらぶら。
ホテル内、ニングルテラスなど明らかに前回来た時よりも観光客の
姿が増え、通常どおりとはいかないまでも活気が出ていました。
ホテルレストランでの食事は避け、夕食は街へと出たものの、これが
思惑外れで簡単ではありませんでした。
フラノ名物スープカレーのお店に行ってみれば開いていない。お蕎麦
屋も開いていない。街中や駅周辺、ぐるりぐるりと回ってもお腹を
満たせそうな店は1軒も見つからず、テイクアウトできそうなところは
コンビニくらい。
朝がセイコーマートで夜がセブンイレブンではあまりにも悲しすぎる
のであっちを探したちこっちを回ったりしながらいつの間にやら
富良野の街を離れ、暗い夜道を20分も走ってやっとたどり着いた
のはなんとネパールカレーのダイニングレストラン。
富良野でネパールカレーを食べることになろうとは、、。
なりゆきにびっくりですが、ホームセンターとおぼしき一角に煌々と
灯りがあるのが嬉しいし、夕食が食べられるのも嬉しい。
ここはネパール人経営の本格的ネパールカレーのお店ということで
成功して旭川やその他の町にもお店があるのだとか。
メニューは多彩。彩りも多彩、そして量が凄い!
私がオーダーしたなんとかという(ロマンティックな名前でしたが
忘れた)セットは、カレーと30センチ以上はあろうかと思うナンと
サラダとお茶碗にご飯までついていました。
ようやくお腹を満たしてホテルへ帰還。
晩秋の富良野の町は静かです。
明日は一緒にきてくれるというfcsのすいちゃんと一緒に特別町民に
してもらっている東川町と裏大雪に向かいます。