ハテナ(?)のできごと

桃の花が咲き、

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うちの山桜の花も満開。

つい10日ほど前には、木々の葉はまだ出ません、なんて言っていたのがあッという間に林は新緑に
変わりました。

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先日、ある旅行会社が間に入って、首都圏のある学校の生徒さんたちが東北に旅行に来る。

津波被災の沿岸部を視察し、沿岸部の方々と知り合い、食のことを知るために海の人のお仕事を

知るためにワカメ養殖などの体験をしたい。どこか紹介できるところは?と打診がありました。観光協会

のほうでは季節がずれるので難しいだろう、と説明があったとのこと。

 

私が訊けるところといえば海山の仲間しかなく、早速聞いてみるといつも通り「いいよー」と言って

くれました。が、やっぱりワカメのほうは後数日で終わるそう。で、お父さんが「じゃあ、ちょっと早いけど

昆布を少し」と言ってくれて一件落着。

いい方たちなのです。体験といっても忙しい時間をそのために割いてくださる訳なので、お願いする

こちらも申し訳ないなーと思います。

でも子供たちには、南三陸の海の幸を知ってほしい。海の中にあるワカメや昆布が、人の手でどのよう

な工夫をして食卓にあがるようになるのかを知ってほしいので、あえてお願いしました。

 

ところがところが。

2日経ったら「取り消し」の連絡が入ってきた。

理由は「今の時期の東北へ行く」という企画が保護者の賛同を得られないとのこと。

 

いやー、驚きました。せっかくお願いしたのに、という気持ちよりも「なんで?」という思い。

なんでなんだろう。

子供たちの行く先として、東北のどこがまずいんだろう。

 

花は咲いたけど、きのうから冬に逆戻りしたような寒さ。

午後、孫の具合が悪いので病院に行きました。遅くなって戻ると、仕事を終えたクロダさんとあやさんが

待っててくれて、私が留守の間に二人でミーティングした内容を報告してくれました。

10日の介護施設での講習について。相手のことも自分たちのことも考えた実に綿密なスケジュール

ができあがっていて感心しました。

 

東北はまずくないよ。再建ならない今、がんばっている海の人山の人と共に山や海の仕事の体験を

したり話し合ったりするのはきっと楽しい思い出になるはず。

いつの日か保護者の方の理解が得られて子供たちが東北に来る日を待っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海山女子部ウォーキング&ミーティングday

大型連休の2日目。日曜日ともなれば道の駅のお客様は大入りだと解っているので、今朝はクロダさんは

早朝6時の出勤で二人でがんばりました。

終わった後は海山新聞バッグのお仕事開始。渋谷のギャラリー「まある」さんへの新聞バッグ発送の準備

が整ったところで、5月10日の講習に向けてのミーティングはお天気も良く暖かいので、あやさんも誘って

外で行うことにしました。

行く先はやくらいガーデン。ハーブ園ありバラ園ありの隣り町にある広大なガーデンですが、レストランや

ショップを見て新聞バッグ使用のイメージを膨らませる目的もあります。何事も見なければわからんので。

せっかくの花たくさんのガーデンなのだけど、残念ながらまだ花は咲いてない。

この時期にしか見られない白樺の花。

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薬来山はどこからでもその山容が眺められる独立峰。
麓のスキー場は桜満開でした。

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丁度お昼時。

水芭蕉見物とお蕎麦を食べに荒沢へ。

久しぶりに見る荒沢のハンノキの林の水芭蕉。残雪もなくちょうど見ごろでした。

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日頃車ばかり乗っている身体にはちょっとしたウオーキングも骨身にこたえます。

「ダメだねー。こんなことじゃあ。月に2回は海山女子部は外でウオーキングしながらミーティングというのを

やろう」と日頃の運動不足を反省。

名前は忘れたけれど、水車が回るしだれ桜が美しいお蕎麦やさん。

注文を受けてからお蕎麦をうってくれます。

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お蕎麦を食べながら急に真剣になって、講習の準備のミーティング。

ほんの4時間ほどの戸外ウオーキングでしたが、やっぱり気分が変わっていいもんです。

暖かくなったので、これから花や木やその土地々々の生産物などを楽しみながら、場所を選んで

海山女子部(ただのおばさん3人ですが)はウオーキング兼ミーティングを続けていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

初ヨガ

大型連休の始まりです。

今日からクロダさんの仕事がお休みの日には早朝からうちに来てもらって、お餅仕事を手伝ってもらいます。

すっかり暖かくなって庭の木々は花盛りです。

プラムの花。

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たぶん花を落とすかなんかしなければ、ちっちゃい実しかならないと思うのだけれど、果樹を育てる勉強を

していないので、どうしていいのかわかりません。それでも昨年はまあまあの実をつけましたが、甘ーい匂い

は虫も好きのようですっかり食べられました。

 

もう花が終わりかけたマグノリア。

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桜が終わってこれから山桜が咲きます。山桜はすぐに散ってしまいます。

 

今日は午後から、天然酵母パン屋さんのジュンコさんから紹介していただいたヨガのお教室に始めて参加。

これまで見たことのあるヨガとは全然イメージの違うヨガでした。ジュンコさんの言うとおりだった。

身体の軸をまっすぐにたてて、深い呼吸ができるようになること。

日々あまりにも情報過多で心が揺らぎそうになることがあるので、軸ぶれしないように深い呼吸法を教えて

頂きます。

足が痛くならずにしびれずに正座ができて、寝てるときに足が吊らなくなったら有難いです。

孫のピアノと一緒。休まず通おうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

盛りだくさんな一日

朝のお餅仕事を終えて、午前中はお隣り加美町のお母さんたちの検品済み新聞バッグを渡すために

中新田へ。近頃では時折り町でも見かける新聞バッグは、一見簡単に作れそうにみえるのですが、

実際に作ってみると重ねた新聞紙がずれるとか、ノリが多すぎてバリバリするとか、まあ、そう簡単に

作れる、というようなものでもないのです。

まだいろいろ問題あるので、もうちょっとがんばってきれいな新聞バッグを作ってほしい。

 

午後はうちで、インストラクターMちゃんと他新人さん2人の大、中新聞バッグおさらい会。

講習するのは、仕事を終えて大急ぎで駆けつけてきたあやさん。

印象深く面白かったのは、新聞バッグを作りながらの四方山話で、沿岸部の防潮堤や盛り土工事などを

めぐる若いMちゃんの言葉。

「10メーターの盛り土で町作ってどうするんですか。防潮堤だってなかったら困る。なかったら津波の水は

そのまますぐに来ちゃうから。でもいくら高くしたって津波は越えてくるんですよ。防潮堤だって盛り土だって

一時しのぎのためですよ。いったんしのいでその間に山に逃げる。もっと道幅広くしたほうがいいよ。

道幅を広くして全速で山に逃げる道作るほうにお金かけたほうがいいと思うんですけどね。

盛り土とか防潮堤とか高くしてたら、また安心して逃げ遅れるかもしれないしー」

 

なrほどねえ。若い人の意見って滅多に聞くことないんだけど、そうか、防潮堤や盛り土は一時しのぎか、

そう言われればそうだなあ、とMちゃんの若者らしいきっぱりした意見に妙に納得しました。

 

夜は小1時間ほどもかかる南郷町で、ものつくりネットのミーティング。

ここで会いたい人がいるんです。それは織り屋さん。何よりも糸を紡ぐのが好き、という女性で、会うたびに

彼女が着てくる自分で紡いで織って拵えたという実に色合いの美しい服を見るのが楽しみです。

「いいなあー、私もこんなのほしいなあ」

「そう。いろいろあるよ。高いよ」

「高くてもほしいなあ。あったかそうで涼しそう。いいなあ」

毎回同じ会話を繰り返しています。

 

織り屋さんお宅は石巻。お隣が仮設住宅だそうです。

5月になったら織り屋さんに遊びに行きます。糸を紡ぐところも織るtころも見たい。と言ったら織り屋さんは

私は「新聞バッグを折りたい」ですって。

 

 

 

 

 

 

 

新しい始まりです

高知県の四万十ドラマ畦地社長のお力添えにより、5月から海の手山の手ネットワークは

東北医療福祉事業組合SGグループのスタッフの方々に新聞バッグの作り方の講習をすることに

なりました。

第1回目の講習の前に、仙台で打ち合わせ。

これまで、注文を受けた新聞バッグを製作して、お客様に納める、という仕事はやってきたけれど、

キズナプロジェクトや学校の旅行などで当地に来られた外国の方々や生徒さんたちに新聞バッグ講習

をやってきたけれど、介護を受けているお年寄りの方々に役立つ形での新聞バック講習というのは初めて

です。やるんだったらちゃんとやりたい。

講習を受ける方たちは介護施設や病院のスタッフの方々なのだから、施設に入っている方々の

指先や頭脳の訓練になるとか、楽しみになるとか、あるいは少なくても社会との接点を取り戻して

いくらかでもお小遣いになるとか、そんなことができるようにきちんとしたい。

 

そう思っての前もっての打ち合わせでした。

SGグループさんは本拠は青森ですが、東北一帯にたくさんの施設があります。

今回が第1回目。

私たちも施設スタッフの方々のお気持ちや目標がわかるように、あやさん、クロダさん、そろってお邪魔して

たくさんお話をし、楽しい講習をしたいと思います。

SGグループのみなさま。よろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

週末

暖かくなって、道の駅のお客様も多くなってきました。

私のお餅仕事も少し忙しくなって、本来は新聞バッグインストラクターのクロダさんが、朝6時からうちに来て、お餅仕事の手伝いをしてくれてます。これからゴールデンウイークが終わるまでの忙しい時期、彼女が来てくれると思うだけで千人力。ほんと、助かります。

家が近くてよかった!

今朝は2度道の駅の直売所に行きました。2度目はお餅を置いたら帰らず、そのまま鳴子温泉のあや
さん宅へ。できあがった新聞バッグをもらうのと、もうひとつの用事は、新聞バッグの作り方を習うこと。

「水仙がいっぱい咲いてるとこあるよ」とのあやさんの勧めで、帰り道、水仙がいっぱい咲いてる、ところに
寄ってみました。

咲いてた!  凄い!!

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ついでだから、帰り道にある川渡温泉の川沿いの桜の並木も見に寄ってみました。

まだ蕾は固くて3、4分咲きくらいです。

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東京のお堀のような絢爛豪華な桜ではないけれど、のどかな風景の中で菜の花と一緒に咲く川度の桜は実に見事です。

いったん家に戻って、次は保険の更新に古川の自動車会社へ。

終わって帰って今度は明日のお餅の準備。
あさって発送のニューヨーク行き新聞バッグ(ニューヨークのさくらまつりで販売されるそうです)は、クロダさんが家で、新聞バッグの検品と梱包をしてくれることになりました。

仕事が重なると私の年齢的にも体力が続かないので、クロダさんのサポートは「ない」とやれないというくらい重要です。夜遅く「発送終了」とメールがきました。
何時催されるのかは分からないけれど、ニューヨークの桜満開の下で、高知新聞と河北新報で作った
新聞バッグが販売されることは確かです。南三陸で作った新聞バッグがニューヨークで誰かの手に渡ると
思うと、ちょっと不思議な気分になります。

 

夜、久しぶりに大津の会社社長Tさんと電話で話しました。Tさんは震災以降、新聞バッグをたくさん注文してくださるだけではなく、さまざまな形で東北被災地の応援をしてくださっています。今起こっていることを
「こんなことやってます。今こんなふうになってます」とお話すると、「わー、大変だ!」と力が入っていた肩が
だいぶ楽になりました。

夫が死んでゴチャゴチャ報告する相手がなくなり、一人で「あーでもない。こーでもない」と考え込んでいた
胸と頭の裡をたまには外に出さなきゃダメなんだねえーと思いました。

 

 

 

 

 

 

よっちゃん祭

ウグイスの声を聞きました。もっと早くに鳴いていたのかもしれないけれど、「おッ、ウグイスだ」と思ったのは、2、3日前洗濯物を干している時。

道の駅の毎年のお客様、ツバメも姿を見せました。

桜は6、7分咲き、桃は蕾を膨らませ、野の水仙は畦にも川土手にも乱れ咲き。春です!
やっと春なんだけど、朝晩の寒いこと。

例年、今の時期、こんなに温度低かったっけ。一昨日の夜の会議はダウンを引っ張り出して着ていきました。それでも屋内で寒かった。木々の芽吹きはまだです。

 

今朝は6時半から集落の資源ごみ当番。夫がいる時には、集落の草刈りや缶拾いに資源ごみ当番、全部
やってもらっていたけれど、今は私しかいないので、5時に起きてお餅仕事の準備だけして、集荷場所へ。

朝早いのに集落の人が次から次に来て、今日の集荷物、燃えないごみを運びこんできます。

集落の中ではどこのお宅も広い広-い敷地面積なので、いろんなものがそのまま積んであったり、燃しちゃったりということも多いのだけれど、それでも燃えないごみとなると分別は実に厳しいです。

以前に住んでいた千葉よりもうんと細かい。釘1本、画鋲1本でも雑物なのでその通りに分けます。

 

このところ、例年お祭りのときに新聞バッグをたくさん販売してくださる福岡県福津市津屋崎ブランチの
「よっちゃん祭」の新聞バッグを手分けして作ったり発送してたりしてました。今年で3年目です。

NPO津屋崎ブランチ代表の山口覚さんにはお目にかかってお話したことがありますが、「よっちゃん祭」
はまだ見たことがありません。

先日福岡に行った際に津屋崎がどんなところかお邪魔してみました。
海がすぐ近くにある静かな静かな町でした。

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お昼をとろうと思ったのですが、教えていただいた食事ができるギャラリーというのがどうしても見つからず
頂いた地図を縦に見たり横にみたりしながらぐるぐるぐるぐる。

誰かに聞きたいのだけれど、訊ねる相手が通りを歩いていない。商家がたくさんあった、ということでしょう。
今でも津屋崎千軒と呼ばれる町は、しっとりと落ち着いた佇まいで路地が多い。
外出から帰られた親子連れにうかがって、ようやくお昼にありつけました。

山口さんからご紹介いただいたのは藍の家の柴田さん。

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「柴田さんがおられるおかげで自分たちもいろんな活動ができるんです」と山口さんにうかがいましたが、柴田さんは藍の家のご当主。まだお若く毅然とした女性だとお見受けしたのですが、お年をうかがうと、私
よりだいぶご年長で驚きました。

「もうダメだダメだ。としだ、としだ。終わりー」などと常日頃から言っている私に、「まだ十年は働けますよ」と
言っていただいたけれど、いやー、あんなふうに歳を重ねられる方は滅多にいません。

明日、あさってが「よっちゃん祭」
あんなに人の姿が見えない静かな町に、どんなふうに人が集まってお祭りになるのかとても興味が湧きます。
「よっちゃん祭」のご盛況を願います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本吉郡南三陸町志津川の今

3泊4日の福岡から帰ると、その夜からお餅仕事。翌日は朝はお餅で午後から梅満開の梅農場で

「大ほっかぶり市」。風もない最高の上天気で、お客さんもいっぱいでしたよ。

梅はもう満開で見ごろぎりぎり。

ほっかぶりのメンバーのがんばりで、1月1回確実に続けてきたほっかぶり市で、南相馬から避難中の

あやさんの娘のakariちゃんもすっかり大きくなって、よっちゃんなんばんのお手伝いをしてました。

うちの5歳孫も手ぬぐい被ってミニSLに何度も乗った後は、お店を片付けるお手伝いをやらせてもらって

ました。子供はお手伝いが大好き。箒でごみを掃くakariちゃんの後を塵取り持った孫がついて歩いてます。

 

ほっかぶりの翌日は、新聞バッグととりに南三陸へ。

大津波で町ごとすっぽり流れてしまった志津川の町は、来る度に変わっていきます。

国道45号線の内側で作業中の盛り土。工事期間、来年の12月27日までと書いてあったけど、こんな高い

盛り土でどんな町ができるんだろう。想像がつきません。ここは高台移転ではない、商業地なんだよねー。

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これ、大震災後、初めにできた仮設のセブンイレブン。ここしかお店はなかったので、工事の人、ボランティア、外から来る人、みんな灯台を目指すようにこのセブンイレブンに集まってました。

今も仮設のままです。トイレは店内にはなく外の仮設トイレです。

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セブンイレブンの前の山。津波でやられた木は、こんなふうに伐られています。

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新聞バッグを作ってくれている仮設住宅の方々がいずれ入ることになる高台移転の土地の造成。緑深かった山がこんな形になりました。あちらこちらの山がこんな形で木を伐って土地の造成をやっています。

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この山を下ってすぐの海近くにある、もとの自宅跡のケイコさん宅のわかめ養殖の作業場です。

ここでご家族みんなそろって、わかめやホタテの養殖のお仕事が今真っ盛り。ちょうどお茶っこの時間にお邪魔しました。

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ここのわかめは肉厚で甘みがあるというのか、ほんとうに美味しいです。いつもお土産にもらうけど、今日もまたどっさり、わかめと茎ワカメを頂きました。

屈強な海の男のお父さんから「タフだねえー!」と私のこと言われて、返事に窮しました。そんなことないでしょう。私、タフかなあ。朝3時に起きて船で仕事をする「オレ、もうだめ」と言っているお父さんのほうがうんとタフでしょう。

ここでケイコさんとお父さんと志津川の盛り土についての会話。

「あの盛り土、ぼこぼこぼこぼこ作って、どんな町になるの?」と私。

「わからない。あんな高くてどうするのかねえ」とケイコさん。

「えっ、住民は知らないの?」

「わからないよ。商業地だとしてもお金持たないと土地変えないから」

 

だとすると、あの盛り土の土地、誰が買うんだろうか。他所から来た人?

南三陸の田んぼは農業機械が流されて新しくは買えないので、農業やってた人はやめてくそうです。

聞けば聞くほど、厳しい現状。

 

今でも回復不可能な鉄道。線路はもうありません。

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ここもやっぱり仮設店舗のファミリーマート。

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モノ、食べ物、建物、過剰に溢れ返った福岡から帰ってすぐに見る南三陸の姿は、私に「ほんとうの豊かさとは」という問いを考えさせてくれます。

 

経済的に豊かで便利な生活をしていれば失うことが怖くなる。失ったり、生活のレベルを落としたりするのが怖くて、その生活をなんとしても守りたくなるけれど、ここ東北のように丸ごと無くなっちゃったら、守るものもなくてみんなで力を合わせて希望に向かって進むのみ。

 

福岡からすぐ南三陸というのは、これはけっこう利きました。いっぱい考えました。

「行ってよかった、福岡」でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

福岡へ

今朝、道の駅へ行った時に、生産者仲間の人に聞いてみたら牛は自分で戻ってくるんだそうです。

昔から仙台牛、古川牛、と牛を飼って生計をたててきたところだから、ある程度の年配の方たちは

そろって牛に詳しい。多くの家で飼ったことがあって、今は止めた人が多いのかな、と思います。

氷点下5、6度でも仔牛以外は外にいて、積もった雪の中でじーっと立ってたりするのをみて、「可愛そう

じゃないの」と言ったら、「牛は平気なんだよー」と笑われました。

 

一人でどこかへ行っても、母親牛とか仲間牛とかがモーモー呼ぶから「帰ってくるんだよ」と佐藤さんの

おばあさんから教えてもらいました。

 

一昨日高知銀行さんのハート型バッグの納品が終わって、ほっと一息。

週末には梅農園でのほっかぶり市、終わったらゴールデンウイークへと忙しさは続くのですが、その

間を縫って、かねてから懸案の福岡行きを実行することにしました。

 

18日から福岡のNPO津屋崎千軒で毎年春の「よっちゃん祭」が開催され、(海山のよっちゃんとは関係

ありません)、そこでは昨年同様たくさんの新聞バッグを販売してくださるのです。

一昨年も昨年も販売していただくだけで、どんなお祭りかも見ずしまいでしたから、今年はお祭りは

見られないけれど、その前に伺って、雰囲気だけでも味合わせていただこうと思います。

 

明日から3日間、お餅仕事はお休みし、福岡で発酵食品などの見聞を深めてきます。

福岡はもう葉桜。動物園のすぐそばにあるともだちの家で、おしゃべり三昧といきたいところだけれど、

二人ともトシなので、威勢がいいのは最初だけ。すぐに眠気が来て「寝よう」ということになりますが、

「会える時に会おう」を合言葉に顔を見て喜んできます。

 

 

 

 

 

ああー、びっくりした!

日暮れ時、犬のご飯がないので10分ほど走ったところにあるスーパーマーケットに出かけました。

半ば暗くなりかけた県道を走っていると、ライトの中にのっそりと黒い影が・・・。大きいィ!

なんだ、なんだ。目の前に立っているのは牛。前に子牛が牧柵から出たのは見たことあるけど、

今いるのは子供じゃなくて大きい大人の牛。よかったー、ぶつからなくて。

胸を撫で下ろしていると、何を思ったか牛がヒズメ(?)で道路を蹴るようにして、ものすごく元気よく

道路を駆け出しました。早いんだわ、これが・・。えーッ、どうする、どうする、と唖然と見送った後、

ハッと気づいて、牛の持ち主のSさん宅に知らせに走りました。

あんまり慌てているものだから、いつも見慣れている入り口が分からない。早くしないと車とぶつかる。

灯りが灯っている居間らしいガラス戸を厚かましくも外から「すみませーん、開けます」と勝手に開けて

「牛が走って行っちゃいましたよー。あっち、あっち」と知らせ終わったら急にドキドキしてきた。

 

スーパーから帰るときの怖いこと。捕まったかなー。牛と人間の関係がよく分からないものだから

簡単に捕まるのかどうか不安でおっかなびっくり帰ってきました。でっかい牛はいなかった。

よかった。久しぶりの超びっくりでした。

 

数日前、道の駅から帰ってきた時、下の道路のうちへと入る入り口付近で、一番上に住むIさんち

の箱入り息子とおぼしき柴犬がもう一匹の白茶の犬と仲良く遊んでました。えーッ、いいのかなあ、

家、出てきちゃって。

車の窓から眺めているうちに、2匹そろって嬉しそうに県道を走って行ってしまいました。

そして夕方、出かけようとしたとき、仕事から帰ってきたIさんの奥さんとバッタリ。

「あのー、お宅の犬って赤い首輪してる?黒と茶のぶちぶち模様だよね」

「そう、芝虎。赤い首輪だよ」

「あのね、お昼ごろ、女の子の犬と仲良くどっかに走っていっちゃったよ。あっちのほう」

「ヒエーーッ! 脱走したんだ。捕まらないよ。あーどうしょう、探しにいかなくちゃ」

奥さんもすごくびっくりしてた。

 

びっくりすることいろいろある春ですが、牛は女の子探して外に出ませんよね、どうなんだろう。