和紙の糸

機織り仲間で、和紙で糸を作るという体験教室に参加してきました。

実のところは染色を見たくて一関の山奥に住まわれている
という先生をお訪ねしたのですが、ちょうどその日は和紙で
糸を作る教室を開かれる日だということで、急遽生徒にして
頂きました。

場所はとある宿泊もできるちょっとお洒落なcafe。玄関やホール
のそこここに効果的に配置された花や緑の生き生きとした彩りの
鮮やかさに目を惹かれます。

昼食を終えた頃に大量の道具とともにみえた先生は、小柄でお歳は
70代の終わりかその周辺。着物を織ってこられた先生と聞いていた
けれど、その言葉や動きは長年ひとつの仕事に打ち込んでこられた
揺るぎのなさが感じられて、カッコよくて憧れます。

まず渡されたのが東山和紙。初めてみる大きなベージュかかった色の
和紙ですが花屋の私は、花を包んだら素敵だろうなあ、と和紙でくるんだ
花束を想像しました。

この和紙を横にして全体上下に物差しで1センチの印をつけ、上下の
端を切らないようにしてカッターで切ります。

なかなか面倒な作業です。

そしてこれを揉む。久しぶりに新聞バッグのもじゃくりバッグを作って
いる感覚。

全員無言。紙を切らないように切らないように、揉んで揉んで揉んで、、、。
1時間揉んで時間切れ。

これが先生の作品。縦糸も紙では弱いので、縦糸には麻の糸を使い、横糸
に和紙の糸を使って織られた作品です。

私たちにこんなことができるのか。

まずできないとは思うけど、とにかく次は私たちの出来上がった
和紙の糸を染めるという工程。
先生は「紅花で染めよう」と言ってくださるけれど、ひとつひとつ
に手間がかかって時間が全然足りません。
この次は「泊まり込みだね」と全員意見が一致しました。


染めに関しては、私たちに機織りを教える先生が、解いた羽織の裏や
薄色の布を、藍やその他の材料で染めては服に仕立てて着てくるので
毎回刺激されます。

自分の服の色を好きな色に植物に染めて、そして自分で仕立てて
着る、なんてちょっとやってみたい。
しかしまだ道のりは遠く、未だ揉んで揉んで揉んで〜、が続きます。

本日の動物報告。
2段目の畑の再奥で蓬を採っていたら、頭の上でブーーっという
野太い鳴き声とフーッと鼻息が、、。
イノシシ!?
持っていた鎌と蓬が入った袋を掴んで、転ばぬように注意して
全速で電柵の中に入りました。
2、3日前に肥料を入れようと思っていたルバーブは昨日全部
掘られて全滅しました。

畑の持ち主の花作りのYおじさんは、「ここはおまえらの棲家じゃない」
人間の棲家だと思い知らせる、と毎朝1時間放置していた3段目の
畑の草刈りを始めました。
なかなか日々大変です。