菊栽培の1年

今期最後の道の駅出荷組合花卉部会が今日終わりました。
長年務めてきた部会長の役目を新しい部会長、副部会長に渡して本日終了。
並行して務めてきた組合理事の役目も終了します。

直売所で販売するお盆の花を、仕入れることなく自分たちで作る地場の花で賄おうと、盆と彼岸菊の栽培を始めたのが2年前。3年目に入る今年は大変大切な時期、ではありますが、このまま続けて次に任期終了時には79歳になっていることを考え、終わらせてもらうことにしました。

最初は苗探しから始まった菊栽培。

入手しにくい菊の苗をどこで手に入れるか試行錯誤しながら、結局譲渡をお願いできたのは、東日本大震災の際に鳴子温泉に避難して来られていた南三陸の菊栽培の師匠、小野寺氏のお世話。

お盆用4000本、彼岸用4000本をお花屋さんから譲ってもらって部会員に分け、栽培が始まりました。

整枝をしたり、脇芽を摘んだりと何かと手がかかるうえに、油断をするとすぐ病気にかかる菊。やったことない者が、菊栽培者の先輩がたにに教わりながら試行錯誤で菊を育てた1年でした。

2年目に入るところで、グループで菊栽培というのは珍しい試みなので県のほうでも応援しましょう、と宮城県農業普及所よりのお申し出があり、以来、農業普及所花担当の水戸氏から苗作りから開花、販売促進までさまざまなご指導を頂けるようになりました。

仕事熱心な水戸氏の先導で勉強に次ぐ勉強。

1年目は花のできも問題あり、だったけど、それでもできた花は完売。
道の駅にお盆の花を買いに見えるお客様には、道の駅直売所の地場産の盆花というアピールができたと思います。

そして花が終わった後、2年目の苗を作るにはまだ力不足なので、昨年春には再度8000本を入手。同時に他直売所との交流を深めて品種を多く知ることも始めました。

息も吐かせぬ勉強会の成果で昨年の夏はどこの圃場でも立派に菊が成長しました。が暑すぎで開花抑制されて花が咲かなくてヤキモキ。
自然現象に左右される花栽培の一番つらいことこでろです。

これほど多量の菊を育てながら加代子さんはこんなに素敵な色のトルコ桔梗も。

菊栽培をする部会員も徐々に増えました。

追われるように多忙な日々の中でも、女子会を結成してたまには
食事&お喋り会をを開いたり、花盛りのガーデンを見学に行ったり。
息抜きと親睦の場も必要です。

秋には農業普及所のお力添えで念願のハンギングバスケット講習会を開催。

気がつけば同じ集落の80歳を超えられた男性部会員も菊作りをしたりハンギングバスケット講習まで参加されているのを見て感激。

そしてもうひとつ自主的な花のワークショップを開催というのもありました。以前にはなかったことなので、これも嬉しいできごとでした。
こういうのは是非続いてほしい。
お客様にも喜んでいただけると思います。

彼岸も終わって初冬に入り、1年の仕事の締めくくりは菊栽培の先輩、クリちゃんちに近いお不動様へ。ご利益のある素晴らしいお不動さまだそうな。

林道のような細い山道を辿るとこんなところにと思うような木々の中に石の鳥居がありました。『そこで一礼」クリちゃんの号令の元、頭を下げて鳥居をくぐり、急な石段を下ると屋根も地表も舞い散った銀杏の葉に覆われて黄色に輝くような小さい祠がありました。

祠の向こうは渓流。

小さい祠にぎゅうぎゅうに並び座って、「2令2拍手1礼」のクリちゃんの号令のもと、全員で邪念を払ってお不動様にお礼を申し上げ、お札を頂いて1年間の作業を終えました。

 

3年目に入る今年は、いよいよ初めての相互協力による苗の自給を開始。
ハウスを持たない者はハウスがある栽培者に親株を育ててもらって春には苗をとる、というやり方ですが、親株を育てる栽培者には相当プレッシャーのはず。
ハウスがあるもの、ないものそれぞれに、ハウスの中に親株を埋け込んだり、プランターに植えたりトンネルかけたりの実験開始です。

私のハウスも置いていた自転車を出して伸び放題の竹を切り、親株圃場にしました。

もう今年の親株管理の点検視察は既に始まっていて、先日の報告では全員の親株が健全に育成中だとのこと。

事始めの景気づけに、先日は第一回目の女子ご飯会を開催。
隣町の道の駅でバイキング昼食を視察味見見聞をし、その後はイチゴ狩りに。今頃イチゴがなってるなんてすっかり忘れてた。

なってた、なってた、いっぱいなってました。
このイチゴ農家さんは道の駅オープン当初あたりでイチゴを納品してくださっていた方。何年ぶりかの再会でした。

30分間食べ放題というんだけど、30分なんて食べられません。
15分もかけて15個食べてもうお腹いっぱい。

ビニールハウスの中に掲げられたみっつの経営理念の下で、「おれはほんとうにいい仕事をしていると思うんだ」というご主人の言葉が耳に残りました。

次はお不動様に新年のご挨拶に伺うのだそう。世話役は持ち回り。    「あけまして、、、」というのはちょっと遅い気がするけれど、自然と繋がっている私たちの仕事は、年度始めのご挨拶をしてから3月始めの穂を採る作業に入りたいという気持ちもわかる気がするのです。