足まで写っちゃったけれども、今朝由美さんが持ってきた近所のおばあさんが作った竹かご。
おばあさんは87歳。先日熊に叩かれた方のところのおばあさんです。息子さんはとても気丈で、怪我のところの血も自分で洗って、下着も着替えて、自分で救急車呼んで病院に行かれたと。一と月もしないのにもう
普通に暮らしておられると由美さんに聞いて、東北の農家の方の気丈さにびっくり、感心します。
そういうところのおばあさんだから、これから先もまだまだ元気で「籠作ると思うよー」と由美さんが言ってました。
この籠は細いシノ竹で編まれています。その竹も丁度良い季節に自分でとって、小さい鉈で裂いて作ります。
これだけの仕事なのに、お値段はさほど高くない。
凄いなあと見とれました。由美さんは昨年もそうだったけど、この竹ざるを新聞バッグに入れて、
親しい方へのプレゼントにしています。
このおばあさんだけではなくて、他にも竹で編むもの入れを作る人がこの集落にはいるそうです。
でもみな年をとって、後が続かないことは間違いがない。
それで思い出すことがあるのですが・・。
つい先日、新聞バッグの講習で、3,40代の男性10人以上に新聞バッグを作ってもらいました。
新聞紙を半分に折って折り山をカットする時に、カッターを上から下に使う人がいて驚きました。上から下に切るのはいくらなんでも難しいと思う。普通は下から上にカッターを折り山に挟むようにして滑らせてカットします。
30cmの取っ手を20センチくらいに切ってしまった人も何人もいました。こちらが何回も言うことを聞いていないのかなあ。この方たちを非難しているのではなく、新聞バッグを教えていると、今の大人の特に男性のほうがその傾向が強いのだけれど、手で物を作るということをほぼやっていないのではないかと、思えます。
カッターやはさみで新聞紙を切ったり、糊で貼ったりという以前に、新聞紙をまっすぐに折る、ということが
なかなかできない人が多いのです。最初にまっすぐ折れなかったら、着物の着付けと一緒で作れば作るほどグジャグジャになる。
どうしてこういうことになっているのかなあ。と不安になります。
こんな竹かごやしめ縄やいろんなものを手で作る年寄りがいなくなったら、どうなるんだろう。
そんなことを考えさせられる、素晴らしい出来栄えの竹かごでした。