朝、プリンセスプリンセスという今は中年、元は5人組のガールスロックバンドとして活躍していた女性たちを
テレビで見ました。ずいぶん活躍したグループらしいけど、子育て真っ最中でロックバンドには関心が
なかった私は通称プリプリさんのことを何も知りません。
彼女たちは大活躍の後解散し、普通に生活をされていたのだけれど、昨年の大震災を機に「何かを
やれる者は何かをやったほうがいいと思う」という理由のもとに、再結成を決めた。それから2年近く
たくさんの公演をして被災地支援をし、今年の紅白を最後にまた解散する。ということでした。
リーダーの女性の「私たちは一生けんめいにやった」「公演が終われば、子供がお母さん、ご飯、という
生活が別にあるので大変だった」紅白出場についても「こんなふうになるとは思ってなかった」という
言葉が印象的でした。
そうだろうなあ!と思います。家庭を持って子供がいる普通の生活をしながら、楽器を扱う腕を元に戻し、
可愛い服を着るために何が何でもダイエットを敢行し、公演に耐える体力を作らなければならない。
ほんとうにもの凄い努力だったろうと思うもの。
子供たちもご主人他の家族も、理由が理由だけにプリプリ女性たちがどれほど忙しかろうが家を空けようが
我慢せざるを得なかったでしょう。やれるだけのことをやって、「私たちは一生懸命やった!」と自分達の
行動を認めて、そして紅白出場で最後を締めくくって、家庭に仕事に戻る女性たちは、とても格好良かった。
ご家族や関連の方たちはきっと彼女たちのことをこの先も誇らしく思うことでしょう。
較べるのもおこがましいけれど、私たち海山ネットのメンバーも大震災後、沿岸部まで見に行った光景に
「もう東北は終わりだ」と思えるほどのショックを受けて、「何か自分たちにやれることはないか」と思って
始めた活動です。
震災からの復興という急スピードで展開する周囲の状況に動かされないように、自分たちの活動の始まりの
真の「目的」をしっかりと胸に保ち続けることは、意外に難しいです。時間が経てば経つほど難しさは増します。
海山ネットが最初から謳い続けているのは「手仕事で経済復興」。手しか残っていなかったので、海の人山の人 ともに手を携えて一緒に東北の経済を膨らませることをやってゆこうよ、ということでした。それは最初も2年
過ぎた今も何も変わらない。でも大震災から日が経つごとに周囲の状況や考えが変わってきました。少しづつ物が
出そろい、普通の生活が仮にも為せているような状況になってくると、「手仕事で?経済回復?」と言われそう。
でもこの考えはこの先、意外と大事なことのような気がするのです。
新聞バッグ、新聞バッグと右往左往する私を、よっちゃんも同じだと思うのですが、家族が文句も言わず応援し、支えてくれているのは有難いことです。
プリンセスプリンセスの女性たちを見ながら思いました。
「覚悟を以ってコトを為す」というのはこういうことなんだなあ、と。
このところ大晦日の紅白歌合戦は見たことなかったのですが、今年は彼女たちの最後の雄姿を是非とも見ようと
思っています。