東北支援隊がやってきた

  東北の被災地をいろいろなできる形で支援をしたい、と岩手、宮城と沿岸部を廻って

  来られた「たねの森」の方々が、海山ネットのメンバー山の手Tを訪ねてくださった。

  他のメンバー山の手SS、K,Sも参加して一緒に話をさせていただく。場所は梅農場の

  新緑濃い梅の大木の下。みんなで輪になって、山の手S(私)が摘んで一日陰干しして

  作った蓬のお茶を試飲したりしながら一人一人の想いを話す。

  海山ネットメンバー共通の想いはまず第1に、沿岸部の被災した方々に経済的な

  活動を始めてもらうことだが、家もお仕事もなくしてしまわれた方々が自分達だけで

  復興はできない。ならば内陸部の被災はあるが寝る場所も食べるものもある私達が

  手助けする。が、私達も被災しているので、できる形で東北以外の地の方々に

  助けていただく。そうしながら援助していただく部分を減らさなくてはならない。という

  ふうに考えているのだが、たねの森の方々はその私達の考えを解ってくださったよう

  だった。滞在可能な時間ぎりぎりまで、真剣に楽しくお話したその帰り際、もし今

  商品があるのなら予定しているイベントで販売しましょう、と言っていただいた。

   という事情で、梅干し、よっちゃんなんばん、切り餅を生産販売しているメンバー

  3人は急遽品物を用意して「たねの森」さんへ送ることになったのだが、梅干しや

  よっちゃんなんばんは全国ネットでの販売実績があり、また有名デパートなどでも

  販売している。ところが私は全くのど素人。切り餅の販売は6、7年続けてきている

  があくまで自分の目で見て手で触って安心して販売できる場所に於いてのことで、

  注文品を遠隔地に届けたことはあっても品物を卸した経験がない。

   行きがかり上、「はい」と返事はしたものの、ほんとに緊張した。日頃使ったことの

  ない真っ白の日本手拭いで頭を縛り、何もかもに熱湯をかけ、皮がむけるほど手を

  洗い、日頃なら1時間かそこらで仕上がるはずが、緊張のあまり間違えてばかりで

  5時間もかけて荷造りしたが、それでも不安だった。納品書や請求書の書き方も

  我流では自信がなく梅農場のSSさんに助けを求め、モデルをFAXしてもらって

  その通りに書いた。

  花の生産の仕事は20年もしているが、どこに何を頼まれても送ってもこれほどには

  緊張しない。食べ物を自分の目で見えないところで販売するというのは、これほど

  にも責任を感じることなのか、と初めて知った。素人商売はたくさん経験して勉強

  しなければプロにはなれないと、思い知らされた初体験だった。

  「たねの森」さま。ご迷惑をおかけするかもしれませんがよろしくお願い致します。

  遠いところをお越しいただいてありがとうございました。

  南三陸の方々、ホテルK屋の安部君、S旅館の女性5人組、「車もらったよー」と

  びっくりするようなことを大声で報告しながら、南三陸で仕入れた津波から生き残った

  わかめを持って来てくれたN山荘のSさん。みんなとても元気で梅農場でお仕事

  をしたり立ち寄ったりしている光景が梅農場にあったのもうれしいことでした。

  またいらしてください。      山の手S記