父の日

ガン闘病中の夫の今日は抗がん剤投与日。

薬を投与してから数日は体はきついし、白血球などの数値の低下で風邪などひかぬように要注意。
などということもあるので、それなりに気を遣うのですが、当の本人は至って普通です。

朝は通常より少し早めに起きてお餅仕事を済ませ、それから病院に出かけます。

夫と私は二人でお餅を作って道の駅の農産物直売所で販売していますが、お餅を作るということで
女の私が作っている、と思っている方が多いです。さにあらず、お米を洗うのも、お餅に入れる青豆や黒豆を
餅に入れ具合が丁度良いくらいに煮るのも夫です。

私が煮ると柔らかすぎて、お餅の中で砕け散ったり、逆に硬かったりでなかなかなかなか。
毎日小豆を洗って煮て餡子に仕上げるのも夫です。

餡の甘さが過不足なく丁度良い、とはよくお客様に言っていただく言葉ですが、その餡子の甘さも夫が
ああでもない、こーでもない、と研究を重ねた結果の味です。

じゃあ私は何をしているのか、というと柔らかいお餅を包丁で切る、とか夫が煮た餡を夫が搗いた熱いお餅でくるむとか、味とか豆を煮るとかの基本以外の仕事ばかり。で、たまに夫がいなかったりすると、お餅つき現場は水が
飛び散ったり、お餅を落としたり、戦場のようになります。

でもせめて投与日後の2、3日は私も何か手伝おう、と毎回そのつもりでいるのですが、今日も病院から
戻ると普通にお餅をついて餡子を仕上げて、「ちょっときついな」と言いながら「ではお先にー」と寝みに
2階に上がっていきました。

泣き言も愚痴も言わず、淡々と日常をこなす夫を「凄いなあ、私には出来ん」と思ってみています。
「お母さんは抗がん剤だって無理よ」と娘には言われてますが。
東京でのサラリーマン歴40年近く。退職後のお餅屋歴8年。
給料を貰って暮らす生活だけではなく、モノを生産して暮らす生活ができることを夫は「楽しい」と言います。

 

もうすぐ父の日。

手作りパンのお店をやっていらっしゃるお客様から父の日プレゼント用の新聞バッグのご注文を受けました。
こんなふうに作ってみました。

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これでプレゼントをもらったお父さん、喜ばれるだろうか。
丁度水回りの修理でみえていた電気工事屋のSさんに「中味入りでこれプレゼントにもらったらうれしいですか?」と訊ねてみたら、「オーーーオ」と驚いていたから、サプライズにはなるかもしれない。

 

朝は病院、午後は工事、夕方病院、そして夜は道の駅の会議とめまぐるしい1日でした。

外は緑一色。新緑の林の中に木の花が咲いています。白い花ばかり。
明日は白い花を全部写真に撮ってみようと思います。