梅見の会で初めてお会いした元南三陸新聞記者のOさんが仮設住宅に入られる
ので送別会をした。
震災からもうすぐ3ヶ月、仮設住宅に入られる方もボツボツ出てきた。菅総理は
お盆までに津波被害者全員を仮設住宅に入れるようにする、と言っているけれど
も実際には住宅ができても、帰って来たいけれども帰れない、と入居を止める人
がかなり出てくるのかもしれない。
今日南三陸まで出かけて仮設住宅の掃除をしてこられたOさんにうかがうと、
Oさんのご家族の家族構成、要介護2の母上と、90歳を超えられた父上、
そして奥様とO氏で4畳半2間とキッチン。電化セットは義捐金の20万円分
つくのかもしれないけれど、実際暮らせますか? 介護をしながら4畳2間で。
それに水がでないし、買い物をする場所がない。買い物ができる町に行くまで
車で40分。最も重要なことは仕事がない。
「大丈夫ですか。住めますか」とうかがうと、「無理でしょう」と仰った。
でももうすぐ一旦は南三陸へ帰られる。
新聞やテレビでは会社が始まったり、お店が開いたりのニュースに復興の
文字が散見されるが、それは事実だけれど実際には何も動いていない。
ガレキだらけの町を見ると、気持ちが暗くなります、と仰ったが、家の外に
出ればガレキというのは当たり前の風景ではない。
「何もかも中途半端であほらしい人生でした」そんな風に思いながら、荷物も
置けない4畳半2間での生活に入られるのか、と思うと、どうしてこんなことに
なるんだろう。言っても仕方のないことを想い、胸が痛む。
日曜日には引越しとのこと、仮設住宅に入られてもせっかくできたご縁を
大切にして繋げてゆきたい。仮設住宅に入られたら、これまで発行してくださっ
た南三陸タイムズに替わって仮設住宅レポートを書いてくださるようにお願い
した。南三陸タイムズ創刊号が発行されたのは梅実の会で初めてお会いして
9日後だった。仮設住宅版は何日後に発行されるのか楽しみに待ちたい。
山の手S記