田んぼの風景

DSCF2283

ここに住んで私が1年で1番好きな黄金色の田んぼの風景。

この稲が真っ黄色の時期に、父も母も(これが同じ日でした)、夫も、大切なラブラドールのセツもハルも

天国に行きました。だからなおさら黄色い田んぼが胸に沁みて好きなのかもしれない。

 

稲刈りが終わる頃、毎年お餅用の餅米をお願いしている農家から、「今年はどのくらい?」と来年使う

お米の量の打診があります。夫が存命の時には、来年夫がいなくなったらどうしよう、と思い、頼んで搗けな

なったら迷惑をかけると量を決めるのが恐怖でした。でもいなくなってしまえば、自分が搗ける量だけでやる

しかないのでヘンな話、夫がいる時よりも気楽にウン十袋と言えるようになりました。

夫がいる時とほとんど変わってないのが不思議です。

 

今日用事でよっちゃんちへ行ったら、田んぼでよっちゃんと奥さんのみっちゃんとお父さんが3人で稲刈りの

最中でした。みっちゃんはコンバインに乗り、その横に稲の束を肩にかついだよっちゃん、背後にお父さんの

姿が見えました。いいもんだなあ、と思った。家族3人力を合わせて仕事をする姿はとても暖かく感じられ、

家族というものの本来の姿を見せてもらった気がしました。

仕事の邪魔をしたくないので、声をかけずにそのまま帰ってきてしまいましたが、残照の黄色い田んぼの

中の3人の姿は写真に撮って残しておきたいようでした。だって自分では撮れないでしょうから。

 

今年は米価がとても安いのだそうです。これまでだって、直売所で出会う農家の生産者たちは、米は作れ

ば作るほど赤字だ、と言っているのだから、お米の値段がやたら安いのに、機械が壊れたりしたら、ただで

も少ない収入がふっとんじゃうじゃないですか。

一昨年の秋、生産者仲間のM子ちゃんが、稲刈りは終わったが機械が壊れて修理代が60万円。米なんか

作らなきゃよかった、と悔やんでいたことを思い出します。

 

都会ではお洒落なパン屋がどんどんできて、増えすぎて潰れちゃうんじゃないか、と世田谷に住む友達が

言ってましたが、それだけお米を食べなくなったということでしょう。

夫が亡くなってからこっち、自分でできる量しかやらないとお餅の仕事の巾をぐんを縮めてきましたが、

ここにきて、もう一回お餅を増やそうかしら、というような気持ちになってきています。ご飯の代わり。

 

私は田んぼが減ったらイヤなんだあー。

どこもかしこも東京近郊みたいになったらイヤなんだあー。

田、森、山、野原、日本の美しい風景を護り残すにはどうしたらいいいんだろう、と考えます。

「みなさん、1日に1ぱいでいいのでご飯を食べてください」と宣伝したい、とよっちゃんに言ったら、即

「無理でしょう」と言われました。・・・・だよね。