キャンベル先生と「読もう」第5回目から

       全10回の予定で鳴子温泉に滞在している被災者支援のために、東京大学

       教授のロバート・キャンベル先生が始められたホットスプリング読書倶楽部

       「読もう」が5回を最後に中止になった。先生がご病気になられたからだ。

       5回目は千葉県市川市での販売会に参加していたため、参加できず、お会い

       できなかったのが、ほんとに残念だった。

       日本での滞在25年ほどとお聞きしたような気がするが、先生は今の若い人

       たちだったら聞いたことも使ったこともないような古い美しい日本の言葉を

       日常の会話の中で話されるので、私はいつも驚き感心していた。

       そしてまたとても気遣いが細やかな方で、最初のうちの少人数の時も、参加

       人数がだんだん増えて長く連ねた座卓の周りに参加者が座りきれなくなった

       時も、変わらず全員に「たまごや」さんというところのケーキをご馳走してくだ

       さっていた。

       4回目の時、39度もの高熱があるのに東京から鳴子にみえたと聞いて、驚き

       正直先生の責任感の強さに呆れてしまったのだが、どう考えても一日3回の

       プログラムをこなして、その日のうちに東京に戻られるのはあまりにもハード

       スクジュールではないか、と思ったものだ。熱があるのに、翌日は参加者と一

       緒に「歩こう」という行事があり、それが終わってから中学校で子供たちに、ご

       自分が生きてきた道と経験のお話をされ、熱でうるんだ目のまま3時からの

       「読もう」を通常どおり終わってから東京に帰られたと聞いた。

       先生はテレビなどでご活躍だと人に聞いたが、私は鳴子温泉「読もう」講座

       のキャンベル先生しか知らない。

       短い期間だったけど、先生の真摯なお人柄に触れることができた貴重な

       時間だった。

       少し長引くご病気とのこと。ゆっくりとご病気を治されて、また鳴子温泉で

       お目にかかれることを楽しみに待ちたい。ありがとうごさいました。キャン

       ベル先生。