アフリカの友人

5月の初めくらいに、知り合いからナイジェリア人のjejeさんが、自国の
コロナ封鎖で帰国できなくなっていることを聞きました。

jejeさんはある大学に於いての科学的医学的分野の研究者。
1年の任期を終えて5月下旬頃には帰国、という話を聞いていたのですが、
世界で猛威を振るうコロナ禍で帰れなくなったそう。

で、帰れなかったらどうなるの?
いつ帰れるの?

飛行機は飛ばず、帰国で経由するヨーロッパ諸国のコロナの状況では
その知り合いもjejeさん自身も「さあ?」というばかりで先が読めません。

ただじっとしているのもなんだからと、時々時間があるときに、うちの花の
畑や庭の手入れなどを手伝ってくれることになりました。

jejeさんは30代前半。奥様と2歳半の男の子を自国に残しての長期
日本滞在の研究者なので、頭脳明晰、きっと社会的にもエリートの地位
にある方に違いありません。そんな人に畑の手伝いなどやってもらっても
いいのしら、という私の逡巡をよそに、jejeさんは鳴子から電車に乗って
時折り我が家を訪れてくれるようになりました。

これまでアメリカ人とかラオス、カンボディア、フィリピン。いろんな
国の人たちとの関わりはあったけれど、アフリカの人は初めてです。

言葉は、というとjejeさんの国の公用語は英語。なぜかというと、
ナイジェリアでは部族数が520以上もあり、言語の数が多いので公用語は
英語ということです。が、jejeさんが話すUK英語は私の耳には尖って
聞こえて聞き取りずらい。そしてまたjejeさんの英語を聞いていると
ナイジェリアという国が、イギリスの統治から独立してまだ60年という
歴史を想起させられます。

それにしても私はナイジェリアという国について何も知りません。
それどころかアフリカ大陸についてもまったく無知。
jejeさんと親しく接するからにはと改めて調べてみると、西アフリカに
位置するナイジェリアは人口2億。これにはびっくり。
「アフリカの巨人」と言われる経済大国。

jejeさんとは教会で知り合って半年くらい経ちますが、実に物静かで
シャイで優しく徹底したレディファースト。車で彼を寮まで送ったり
したこともあったのに、あまり話したことがなかったのは、彼が
まったく日本語を話さない人だからです。

普通日本に来て1年もいれば大抵の人は日本語のいくつかは話すように
なるでしょう。でも彼にはその気配はまったくない。
なぜ話さないの?と訊ねてみたら、はにかんで笑うだけでした。

そのjejeさんと農作業をやることになるのです。
ただでも言葉の壁が厚いうえに、畑だとか草刈りだとか耕運機だとか日常
会話とはかけ離れた農作業現場で、何をどう伝えればいいんだろう、と
私の頭は戦々恐々。

それでも一緒にいればなんとかなるものでまず第1日目。

筍を掘りました。筍ーバンブーシュート掘り。

山のように筍を掘ってもらって、お昼はまだjejeさんが食べたことがない
というバンブーシュートナポリタンパスタ。

2度目に来てくれた時には畑つくりをhelpしてもらいました。
言葉は伝わっているのか伝わっていないのか分からないんだけれど、
以心伝心、年寄りの頑張りに一肌脱ごうと思ってくれたか、jejeさんの
力強いhelpで作業はどんどん捗り、例年ならずるずる遅れる畑作りが
早々に仕上がりました。

春の花が終わり、夏本番を前にして、これから菊やアスターなどの盆花の
定植作業が始まるのですが、jejeさんのおかげで、いつでもOKという
状況になりました。ほんとうにありがたい。

アフリカの人との会話ができるせっかくの時間。
食べ物だの人々の暮らしのこと、子供達の教育のこと、研究のこと、
訊ねたいことは山ほどあるのに、難攻不落の言葉の壁。

jejeさんが来てくれた日は、私の頭のなかは1日英語が駆け回り、夜は
体も頭も疲労困憊。
なのですが、若い人の力添えは心から有難く、jejeさんが来てくれる日は
お昼に何を食べてもらおうかしら、と考えるのも楽しみになりました。

アフリカに友人ができた気分です。
もっと若かったら、いつか遊びに行くね、ときっと言ったと思うけど、
さすがにそれはなくなりました。でも孫たちに希望を繋ぎたい。

先日の話。
jejeさんに、ナイジェリアにはいくつもの野生動物保護区があるよう
だけど、象はいる? ライオンは?と訊いたら「いないよ」と。
えー? じゃあ何処にいるの?と訊いたら、「zoo」だと。

zooって動物園じゃないですか。


農作業時、「ここには熊や鹿やイノシシが出てくるから、独りで作業
しないでね。熊や鹿やいのししがいつでもいるから、林の中から枝が
折れる音がしたらすぐに逃げてね」などと
身振り手振りを駆使してjejeさんに我が畑の危険野生動物の出没に
ついての注意などしたのだけれど、もしかすると、jejeさんは私たち
よりずっと都会人なのかも、と大笑いでした。

世界のコロナも少しずつは落ち着いてきているのかどうか。
まもなく帰国の日取りも決まるでしょう。

ツーマッチワークだと私たちの老体を気遣ってくれるジェジェさんの
help にもう少し頼って、畑の準備を終わらせたいと思います。

jejeさんに感謝。
今度はいつ来てくれるのかな。
うまいことしたもので、jejeさんとのやりとりを仲立ちで、英語が得意な
若者オサム君が引き受けてくれています。オサムくんにも感謝です。








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