大津で「走る」観劇

大津に行ってきました。

目的は「走る」大津公演と版画家、岡澤加代子さんとコラボの新聞バッグワークショップ。

大津は古川からだとかなり遠くて、東北新幹線で東京まで、東京から東海道新幹線で京都。京都でJR電車に

乗り換えて大津、駅からタクシーで琵琶湖ホール。行程約5時間。

 

久しぶりの京都。久しぶりといっても50年ぶり。若い頃、仕事の休みがとれる度に、大阪在の入院友達を訪ねて

博多駅から特急「はと」に乗っていました。そして友人が仕事に出ている間、1人で京都をふらふらふらふら。

その頃の私が見ていたものは、神社だのお寺だの。でも今私が心惹かれるものは、駅の土産物屋に並ぶ商品。

60歳で生産者になったら、見るもの、見方まで変わってしまった。

 

さすが京都!、商品のひとつひとつが伝統的であって洗練されていてお洒落。

福岡も加工品先進国だけれど、福岡とは違い京都京都した感じ。

 

京都駅で東京から来る岡澤加代子さんと合流して「走る」会場の琵琶湖ホールへ。

琵琶湖畔に建つ琵琶湖ホールはオペラも上演されるという立派で豪華な文化施設だけれど、地元の方々

にはあまり関心を持たれていない、と聞いています。

 

そんなこととはつゆ知らず、私はこのホールの集客を㈱ウルズの角川社長にお願いしてしまい、大変な

ご苦労をかけてしまいました。角川社長と妹のたか子さんは、涙ぐましい努力をして方々に声をかけて

奔走してくださったその結果、ホールは2階席までぎっしり満席!。

琵琶湖ホール始って以来の快挙だと、あとで聞きました。

ご自分の会社の社員、関係者、その家族やお友達などなど広く声をかけてくださった角川社長は、大変な

ご苦労をなさったにも関わらず、舞台「走る」とのご縁を大変喜んで、会社や地域にとってもこの機会を

文化的発展のスタートにしたい、と有難い言葉をくださった。ほんとうによかった!

 

富良野、郡山、に続いて3回目に観る「走る」

やはり素晴らしい舞台でした。舞台で走る人の走る重みが自分にそのまま重なってくる。

もう全国ツアーも終盤。なのに、1ヶ月以上舞台で走り続ける役者さんたちは、怪我をして無念の涙をのんだ

方もいるだろうけれど、「屋根」で見たときよりもお元気そうで安心しました。

あと残すところ公演も4、五回。富良野に戻って最後となる凱旋公演を是非観たいところだけれど、チケットは

完売でもう観ることはできません。

 

新聞バッグをご縁に、福島を舞台にした「ノクターン」から始って、岩出山でも上演して頂いた「屋根」、そして

現在全国ツアー中の「走る」。もう富良野とご縁ができて3年になってしまいましたが、この富良野GROUPの

演劇だけは、私の時間を元に戻して、これまでの全ての舞台を観たいと思います。

最初に富良野塾での塾生としての暮らしや、そこで学ぶ演劇のことなどの話を聞いた時には、なぜそんな苦しい

思いをしてそこで暮らすのか、学ぶのか、と不思議に思ったその疑問が今は解けつつあります。

舞台を観た後で、「これは後から利いてきそうですね!」と岡澤さんが言ったけれど、そう、そんな感じで、

うまく言葉にできないけれど、最終的には自分の人生の肯定に繋がる貴重な時間を得ているような気がしています。

 

舞台が終った後、岡澤さんと大津の町に出て、二人にとって初体験のびっくりドンキーで遅い夕食。

ゆっくり食べてゆっくりしゃべって少し冷え込んできた外に出てタクシー待ち。

ところがタクシーが来ない。歩いても佇んで待っても来ない。時に空車のランプを点けたタクシーを見つけて手を

挙げると、いつの間にかランプが消えてしまう。

私らは嫌われているのか、ホテルに戻れない。

焦り始めた頃、ようやく1台が停まって聞いたところによると、流しのタクシーはないのだそうで、危うく大津で

ホテルまで深夜散歩となるところでした。ご用心、ご用心。

 

ホテルに戻って深夜2時まで角川、岡澤、私の女子おしゃべり会。

眠る時間もなくなってしまったけれど、明日は私の初新聞バッグワークショップ。

黒田さんに用意してもらった道具で、黒田さんに書いてもらったアンチョコ見ながらがんばります。