移住10年のつぶやき

私の人生の話を少しすると、いっぱい転居しました。夫の仕事の転勤に伴って
あっちに行ったり、こっちに行ったり。福岡、北九州、神戸、大阪、名古屋、神奈川、千葉、東京               と3年毎くらいに都市から都市を渡り歩いて、その結果、都会に住むことがしんから嫌になって、             縁もゆかりもない宮城県北部の小さな農村にお世話になることになり、早いもので、もう10年過ぎました。

丸きり一人だったら不安だったのかもしれないけれど、福岡で同級だった友人が同じ町の
別荘地に山小屋を建てて住んでいて、時々訪ねることができたので、気持ち的にはずいぶん楽でした。
ただ私が住んだのはその別荘地ではなく、もっとも奥まった栗原市に近い山奥の集落です。

言葉がわからない。農村も農業もまったくわからない。というわからないことだらけで始まった
移住生活ですが、最初から現在に至るまで、集落の方たちにはほんとによくしていただいて、
嫌なことなどまったくありませんでした、というのが私の自慢です。

田舎での生活のことを書きだしたらきりがないのですが、私がここで書きたいのは移住後
10年のこと。

10年たつと、移住してきた時とはだいぶ様子が変わってきます。身体的にも、精神的にも。
始まりの頃には物珍しく面白かった、雪かきも草刈りも、しんどくなってきました。
さて、どうするか。

雪かきをしないわけにはいかないんです。自分たちが出入りできないだけではなくて、郵便屋
さんも灯油屋さんも登って来れなくなるので、生活ができなくなります。2年くらい前から
この先どうしようかなあ、と考えていたら、それまで雪が積もるとご好意で除雪機を出してくださって
いたご近所の建設屋さんが、町と相談して除雪してくれることになりました。

山奥の集落の中にあってもここもいちおうは別荘地なのですが、我が家より上にはご老人の
一人暮らしもおられます。命に関わると案じていたら、区長さんやみなさんのおかげで雪に
閉じ込められる心配はなくなりました。ほんとにありがたいです。

 

草刈もやめるわけにはゆきません。草を刈っておかないと、自分の身の丈も家も覆われて
しまうほど、草が茂り、人間と動物たちの生活の仕切りがなくなってしまいます。
鎌で刈るというのはいくらなんでもというくらいに敷地の広さがあるので、草刈り機を
ブンブン振り回していた夫も病を得てできなくなりましたし、私専用の草刈り機を私なりに
振り回していた私も1時間刈ったら、腰がヤバイというようになってきました。

こんな風に田舎暮らしの10年は節目。10年後からが田舎暮らしの正念場だと思わせられます。

さて、この先どうするか。
私の友人たちで、東京近郊から田舎に向かったのは4人。そのうちの熊本に向かった友人一人は
亡くなりましたが、残るは、新潟、大分、そして宮城の私と3人。
年齢は70歳を超えたり、超えなかったり。

今のところ、東京に家があっても、戻る者は一人もいません。それぞれにもう歳で動けないというのは
一人もいないので、自分の意志でそこにいるということです。私のように農業の真似事をやったり、
田舎暮らしを始めて突然太極拳の指導者になったりしながら。

先日お知り合いになった福岡の山口氏の津屋崎ブランチのように、僅か2年半の間に移住者が60人。
ご家族連れの方が多いということですが、どんなふうにその移住が定着してゆくのか、とても興味が
あるところです。

 

 

移住10年のつぶやき” への2件のコメント

  1. ご無沙汰しています。3月末に夫が入院、ついにペースメーカーを植え込みました。お医者さんの関係で往復3時間はかかる病院、都会でも便利なのかどうか???・・・。昨日退院し、少しほっとしています。
     私は京都と東京以外には住んだことがなく、またパワーもないので移住を考えたことはなかったけれど、テレビなどで、退職後田舎暮らしを楽しんでおられるご夫婦などを見て、うらやましく思っていました。でも、広い敷地を持つとたいへんなのですね。
     ただそこには、都会にはない、他人の暮らしへの思いやりがあるようで、それが海、山ネットの原点なのかなと思いました。

    1. 広い敷地を持つのは大変ですけど、狭い敷地を持つのも大変と思いません?
      ここには人と人の関係しかありません。その助け合いと物々交換で生きているようなものです。
      ご主人退院なさってよかったですね。ここは狭い町にやたら病院がたくさんあり、大病院は基幹病院が
      ひとつなので、選択の余地なく楽といえば楽です。迷いようがないので。私が車で運んで20分ほど。
      救命救急センターもヘリポートもありますよ。一度遊びに来てください。kazさんと一緒に温泉
      でも行きましょう。温泉はすぐです。Kazさんのお宅は敷地もお宅もとても素敵ですよ。

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