近頃めっきり寂しくなった直売所の切り花売り場。
お盆から彼岸にかけて、押すな押すなの大盛況で切り花のバケツが並んでいたのが、この2週間ほどで
すっかり少なくなった。ということは、花を売り切ってしまったか、盛りを過ぎて出せなくなったか、
そんなこんなの理由で出荷できる花が生産者の手元になくなったのだと思う。
そんな中で大健闘しているのが、けっこう長い期間、青と白の孔雀アスターを出し続けているMヒコさん。
今朝直売所で出会って、「孔雀アスターずいぶん長く続いて凄いですね」と言ったら、
「今日で最後。もう色ぬけてきたけど、他の花が出て来ないからがんばってんだー」と。
Mヒコさんは野菜と花の出荷者。
年齢を訊くと必ず[天皇陛下のひとつ下」という答が返ってきます。曰く数えの83歳。
いつも大変元気でこまめに身体を動かして、息子さんが栽培する花を運んできたり、すまっこ野菜と称する
独自の野菜を出荷したり、農閑期には藁を編んだ手作り品やひょうたんや木片を削ったり磨いたりして
作った素朴な飾り物や独楽なども出荷します。農業の合間の手隙仕事なんだけれども、Mヒコさんが
作る手作り品は、素朴でそこはかとなくユーモアを感じさせられます。
道の駅が始まって15年間、花の生産者仲間として接してきたMヒコさんについて思うのは、休む時がある
のだろうかというくらいに勤勉。いつも先の展望を考えていてひとつところに留まっていないこと。農業や
自然について詳しくて、質問すると打てば響くように応えてくれます。人の悪口など一切言わない。そしてど
んな時も烏合の集にならない独自の位置を外さない。
子供の頃から80歳を超える現在まで、きっと自然と向き合って生きてこられたのだと思うけれど、Mヒコさんと
お話すると、自然というのはこんなふうに人を育てていくのかと不思議な気持ちになります。
「秋の花がなくなりましたね。毎年こんなふうじゃ困るから、来年は組合で10月咲き、11月咲きの菊苗の
購入を考えましょうか」という私の提案に
「今年から減反になったから、来年は花の作付けを増やそうかと思っているんだ」といかにもMヒコさんらしい
答えが返ってきました。病気をされないようにがんばってほしいと思います。
この紅葉シーズンのお客様が多い中での切り花の少なさ。
どうしたもんだろうと思っていたら、加代ちゃんの秋咲きの菊が咲き始めました。
よかった。菊は普通に見ればどれも同じ菊だけど、お盆の時期や彼岸の時期の菊の花はその時節に咲く菊で
それが秋に咲くということではなく、9月咲き、10月咲き、11月咲きとあって、茎や葉はいかにも咲きそうに
伸びても花は咲かない。咲きそうな感じでも咲かない。開花がヘンに律儀なのが菊の花です。
もち米を極めたくなって、数ヶ月前からお赤飯を作り始めました。
どんなふうにすれば美味しいお赤飯が作れるのか。
電気釜で炊いてみたり、もち搗き機で蒸してみたり、タイマーで蒸し時間を測ったり、小豆を煮る時間を測ったり、
いろいろいろいろ。でもやればやるほど難しい。タイマーで測ったって全然同じ仕上がりにはならないし・・。
で、近頃解ってきたのは、一番解り易いのは自分の手の感触じゃないのかな、と思うのですが、熱いのよ!
そんなことばかりやって、指がまっかっか。
今朝のお赤飯は14パック。
未だ修行途中。あまりたくさん作りたいとは思いません。修行、修行・・・・。