復興予算の使い道

今日は9月11日。東北大震災から1年半の日です。

死者、不明者18684人に震災後に起こった震災関連死1632人を加えると、犠牲者は20000人以上。
そして今なお、仮設住宅や借り上げ住宅で暮らす避難者は34万3000人。

数字として見ると34万はただの数字ですが、一人一人の苦しい避難の生活が34万件今もなお先の見通しが
ないまま続いていると考えると、これは国民全体で考えてもどうしたらいいのか答えが出ないような事態なのだと
思います。

内陸部の自宅から仮設住宅に行くと行く度に、どうなるんだろうなあ。この仮設住宅での暮らしは・・・・と必ず思います。同行する仲間たちも、口には出さないけど、みんな同じことを思っていると思う。

1年半前も今もほとんど何も変わらない。

仮設住宅の入り口の前に、テント屋根のみんなが集う場所ができていたり、食品販売の車が来ていたり、
あと、行く度に、前にはなかった商店とかコンビニとかできていて、一見、復興が進んだみたいに見えるけど、
個人でそれができる人ができてるだけで、仮設住宅はやっぱり小さな部屋が連なった仮設住宅です。
それと志津川の被災地を流れる川の水と陸の差。ほんの少ししかなくて、あれじゃあちょっと雨が降ったら水が上がるだろうなあ、どうにかならんのか、と痛ましいです。私も行く時は平気でも夕方帰る時は海のほうの浸水が気になって落ち着きません。

そんな被災地の状況の中で

9月9日にショッキングなNHKの番組を見ました。
スペシャル番組で「復興庁の予算はどう使われているのか」
復興予算総額19兆円。

その使い道は復興のための予算であるはずなのにまず最初に取り上げられたのは岐阜県のコンタクトレンズを作る
工場の増設。コンタクトレンズを増産することによって、仙台に店をオープンして雇用を発生させる、という理由だけれど被災地の仮設住宅で不自由な生活をされている被災者の生活再建よりも優先されるとは思えない。

次に沖縄の国道整備。国立競技場の補修費、7億円 調査捕鯨でのシーシェパード対策、23億円。
公安調査庁のテロ対策費。北海道と川越の刑務所の人材養成費、
どこが何が被災地の復興と関係あるの?というようなところへ使われたのが200事業以上。被災地で認可されたのが30事業。その他にもいっぱいあるんですよ。書ききれないだけ。

どう考えても復興のために集められたお金の各省庁による分捕り合戦としか思えませんでした。
この財源は増税。14年から始まる所得税、住民税の増税が当てられ、それは25年間も続くわけです。

何故被災地以外に復興予算がこれほど遣われるのか。その根拠は政府の基本方針に「活力ある日本の再生」と
いう一文が入っているから。ということでした。

そして一方被災地では病院の再建資金の予算の認可が下りず、診療を続けたいが事故負担を強いられる医師
たち、そしてその医師を頼りにする避難住民の苦しさは置き去りにされている。

これは見るべきスペシャル番組でした。もっとこんな番組は増えなくてはいけないと思う。
NHKの受信料、惜しまず払うからもっと次々番組で私たちが知らないことを伝えてほしいと願います。