葉牡丹、そして一人で生きる覚悟

今年の葉牡丹はよーくできています。

作ったのは以前一緒に花を作っていたAさん。私は年寄りになったので、昨年から花作りは休職してお餅屋

のみやってます。でもやってなくったって花の仕上がりが気になります。

これ多粒蒔きの葉牡丹です。小さいポットに幾粒かの種を蒔いて小さく仕上げる葉牡丹です。

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わずか10cmほどの高さでこのように色を出すのはなかなか難しいのです。

こちらは12センチポット植えの葉牡丹。葉が多く、色も良く出てとてもできのいい葉牡丹。

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葉牡丹はとどのつまりはキャベツです。どーやってキャベツを花のように作るのかなあ、という疑問にお答え

します。まず200穴くらいのプラグにキャベツじゃなく葉牡丹の種を一粒一粒蒔いて、芽が出て3、4センチく

らいになったところでポットに上げて定植します。これからが大変で9cmポットなら9cmポットに合うくらいの

大きさの葉牡丹に、10.5から12センチポットならそのポットに見合う大きさの葉牡丹に作り上げていかな

ければなりません。葉牡丹は植えておけば勝手に葉牡丹になるのではなくて肥料をやったり、やるのを中

断したりして、目標の大きさに作りあげるのです。

肥料をやり過ぎるとキャベツのようになり、少なすぎるとどんどん下葉が落ちて茎が鶏の足のようになるとい

う、手のかかるやっかいだけれどうまくいけばバラの花と見まがうような美しい葉牡丹が出来上がります。

育つ前にはモンシロチョウと青虫の闘いをくぐりぬけねばならず、ハウス内の温度が高いところに置けば

キャベツ色に変色し、畠に植えた切花用葉ボタンは雪が降ると重みで茎が曲がったり、不運にもフラワー

ネット際で全部首が折れちゃったー、ということもあります。

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これほど手間がかかる葉牡丹をどうして作りたいのかなあ、と私は毎年思うのですが、葉牡丹を作り始めた

人は完成を目指したくて止められなくなるみたいです。

 

Aさんも葉牡丹作りに熱意を燃やす花の生産者ですが、市場出荷する葉牡丹やパンジーその他の花壇

用の花を一人で作っています。繁忙期のときだけフリースクールの若者たちに手伝ってもらいながら。

 

今朝早く一人暮らしのAさんから「激痛で足が動かなくなった」と電話があり、自ら呼んだ救急車で病院に

運ばれていきました。救急車に乗せる前に様子を見に行ったら、ちょっと動いても悲鳴を上げるくらいの

激痛のようで焦りました、胸がドキドキした。

一人で花を作って暮らす人の足がダメになったらどうなるか。

昨夜福岡の中学校の時からの友だちと話しました。私もそうですが、彼女もご主人が亡くなって一人暮ら

しです。ご主人が亡くなって彼女が最初にやったことは、大枚はたいて、彼女が面倒みている犬猫のために

しっかりした家を作りました。何匹もいるのでお友達と世話しています。ご主人の遺品を少しづつ整理して、

3年経った今年は蔵書を全て処分したとのこと。自分がいつどうなってもいいように、という心の準備です

が、私もその気持ちがよくわかります。わかるんだけど、気持ちがついてゆかなくて、まだ何にもやってない。

 

でも、今日は思いました。ほんとに突然何が起こるかわからないんだなあと。

何時何が起こってもいいように、保険証や重要物件はすぐに役たたせられるようにしておかなければならないんだなあと。

まあ、気持ちだけはそういう覚悟で毎日を生きているつもりでしたが、救急車を見送った後、身辺見回して

みれば中途半端なことばっかり。

一人で暮らすって、究極は自分で始末するって覚悟をしとかなければダメなんだなと、思いました。

今日は土曜日。Aさんは神経ブロックで傷みを止めてもらって戻ってきました。入院にならずにほんとに

よかった。たくさんの花の潅水はしばらくは私が引き受けます。

月曜日になったら、きっちり検査してもらってちゃんとよくなって、、来年はさらに素晴らしい葉牡丹を作って

ほしいと思います。

 

今夜はものすごい星空!  シバれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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