あったかいような寒いような安定しない気温が続く日々ですが、草だけはしっかり伸びて、無視できる
状況ではなくなってきました。
昔々、初めて北海道に行った時、空も野も畑も森や林もその広いこと広いこと、道はまっすぐにどこまでも
続き、瑞々しい林の緑は体が染まるようで、「なんと美しいところだろう、北海道に住みたい!」と思ったもの
でした。
それから何年も経って、北海道には行かなかったけれど、縁あって宮城県の県北の里山が美しい小さな
町で念願の田舎暮らしを始めることができました。
そして始めてみれば、冬は雪、夏は草との闘いの日々。
新浦安のデイズニーランド近くの街路樹の秋の剪定を「なんでこんなに棒のようにするんだろう」なんて
思いながら毎年苦々しく眺めていた私は、木や草がこんなに怖いほど暴力的に繁盛するものだとは想像も
していませんでした。
引越し祝いに頂いた鉢植えのスモークツリーや小さい針葉樹を何も考えずに土に植えたら、12年経った
今は大木に育ち、伐るにも切れず、えらいことをしたもんだ、と悔やんでいます。
2年ほど前用事で北海道に行った時、家々の屋根の煙突を見れば「薪割り」の大変さを思い、緑連なる
畑や野を見れば「どうやって草刈るんだ」と思い、全然北海道に住みたくなくなってました。
あまりにも草が伸びてきたので止むにやまれず、数日前から草刈りを始めました。草が伸びたまんまだと
クマが山と間違えるかもしれないし、へびも出てくるでしょうから。
夫がいないので油を入れるのも大変です。油の缶を持ち上げても重さでフラフラして半分くらいこぼれる
始末。自分で刃を替えたら、ボルトを締める力が弱くてふっとんでいきそうなので、由美さんちに持って
行きました。
そんな苦労をしながら、草刈りを始めると、これが楽しいです。
刈った端から見事にきれいになるので、草刈りが好きな人はけっこう多い。
私の草刈り機は農家の人がみたら「オモチャか」と笑うような小型版。本当はあぜ道刈り用「てがーる」君。
72歳の私でもそれなりに刈れる大事な友達「てがーる」君。
夫がいなくなった今年は、草刈正雄がテレビなどで宣伝している充電式草刈り機を買いました。よろよろし
ながら油を入れなくていいし、まずはスターターの紐を引っ張らなくていいのが素晴らしい。それに軽い。
エンジン式のスターターは私の力では紐を引っ張っても引っ張ってもエンジンがかからないことが多く、自分
の非力がほんとイヤになる。
ということでもうずいぶん刈りました。がんばりすぎて半身が痛い。
どこもかしこも草が伸びて花が咲いてのどかな眺めです。