那須の修道院を訪ねて

那須の修道院に行ってきました。

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東北新幹線新白河駅から車で20分ほどのところにある那須トラピスト修道院.

正式には厳律シトー会那須の聖母修道院といって、オラ・エト・エポラ 「祈り働け」のモットーの元、修道尼たちが自給自足で祈りの日々を暮らしておられる修道院です。

元宮内庁の土地に建てられた、鮮やかな緑一色に覆われた美しい森の奥にある修道院を、国東半島での田舎暮らしを止め、東京暮らしに戻った友人と二人で訪ねました。
この修道院には、以前東京でのカルチャースクールで一緒だった友人がいます。

今の名前はシスターFさんだけど、前の名前はグリーリ栄子さん。
日本の若い演奏家たちを世界に送り出したクラシック音楽評論家であるマルセル・グリーリ氏の奥様。
そして演奏家たちと共に過ごした時間が描かれた随筆集「金色の翼にのって」や「いのちの椅子」、
「ひびきあう心」の著者でもあります。

本当に久しぶり。地震以来会うのは初めてです。修道院の中におられる方には、「今日、会いにいくからねえー」という具合にはいかないので、前もって訪問する日を決め、修道院長様の許可を得て初めて会うことができます。ということで、許可された今日の午後のひと刻はちょっとでも無駄にしたくない大切な時間です。

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出会ったのは40代の時なのに、3人ともすっかり歳をとってしまって、話すことは病気のこととか死ぬこととか思い出話とか。でもこの年代の女が3人寄って話せば、他に話題はないので、これが普通の会話になってます.
3人のうち1人は10年余りも前に俗世間を離れて、「働き祈り」の世界に入られた方だし、もう一人は国崎
半島の小さな農村での暮らしに心を残しながらも「桃源郷から戻ってきた浦島太郎みたいだわ」と10数年ぶりの東京暮らしを始めたばかりだし、残る私も10数回も転居した転勤生活を終えて、生まれて初めて12年間の長きに亘ってひとつの場所に住むという経験をし、ここで終わろうと心を決めた状況だし。

旅行とかお洒落とか美味しい食べ物とか、話題の端にものぼりません。

 

ここまで生きてくるのもうんと大変だったけど、修道院にいようが外の世界にいようが、この先はうまいこと
死ぬのも大変そうなので、大体そういう話になって終わります。
それでも女3人でのおしゃべりは楽しい。

時が経つのも忘れて話し込んで、やがてお暇する時間になりました。
お土産はトラピスト特産のガレット。最初は牛だったのだけれど、今はガレットが主産物なのだそうです。
シスターたちにも残業があるのだと聞いて、俗世間のようなと笑ったことがあります。

また会いたいけれど、修道院では年2度も同じ友人に会えるのか。
修道院のことは判らないので、年1回くらいなら訪問していいのか2年に1回なら問題ないのか。
どちらにせよ迷惑はかけられないので、今日の再会に満足して帰ります。

 

そういえば修道院には宿泊施設があり、私たちも泊まったことがありますが、今日も都会風の素敵な
娘さんたちが宿泊してました。
誰でも泊まれるので、一生に一度くらいはこの深い美しい森の中の修道院で宿泊されたらいいのでは?
と思います。礼拝にも参加できます。食堂のパンがとても美味しいです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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