南三陸へ

相変わらず雪。デッキの手摺の雪は30センチほど積もっています。
除雪さえされていれば、どーってことない積雪ですが、全然除雪車が来る気配がないので
電話して聞いてみたら、低温で雪が凍っちゃったからできないんですって。
凍ったところの除雪をすると、機械が壊れるんですって。

でもねえ、雪に埋もれてだんだん動きがとれなくなってきました。高い所にある我が家では
だんだん車が上げられなくなって(四駆なんですけどね)、下へ下へと車の停め場所を変えて
ますが、明日も大雪だとか。この先どうなるんでしょう。

昨日は常々お餅と花の出荷でお世話になっている道の駅に、海山ネットとして新聞バッグの
購入をご検討願えないかとご相談にうかがいました。社長にはずいぶん時間を割いて話を
聞いていただき、良い返事をいただけました。これまで地元以外のところで販売することが
多かった新聞バッグを地元で、お客様とお話ししながら販売できることは嬉しいことです。

そして今日は、久しぶりに南三陸へ。志津川のホテル観洋さんに置かせていただいている
新聞バッグの棚卸です。事務局のKは古川から。よっちゃん、奥さんのみっちゃん、そして私は
雪降りしきる中、私の家からの出発でした。

それにしても止まない雪!
私たちの集落を離れたら雪はないだろうという予測を裏切って、行けども行けども、ここは
どこだろう、というようなディープな雪景色。曇天の空を白鳥が7羽、先頭を立ててVの字に
眼前を横切ってゆきます。いつも思うのですが、あの渡り鳥が飛ぶ時のピラミッド型というのは
不思議ですねえ。どんな相談で先頭が決まるの?と鳥たちに聞いてみたくなります。

しばらくぶりで見る志津川も雪でした。ホテル観洋から見る海は真っ白に靄がかかっていました。
と、ふっと一瞬靄が途切れ、現れた海には一面、わかめの養殖が始まっていました。遥か
遠くの親潮が流れる辺りまでわかめ養殖の浮き球が見えています。希望の海です。

棚卸を終えた後、久しぶりに歌津の仮設住宅へ。集会所では部屋中新聞でいっぱいにして
さおちゃん、けいこさん、しんこさんが新聞バッグを折っていました。新聞バッグの横では
黄色や赤やピンクの毛糸で、仮設のお母さんがたが三陸タコたわし、イカちゃんの制作中。
みんなで200も300も作って東京で売るのだそうです。売れるって!

帰りには2台の車に満タンの新聞バッグ。そしてお土産にと、できたばかりのわかめ、大きな
タラまで頂きました。みんな元気に復興グッズの製造に励んでました。
「わかめの収穫に船に乗ってついて行っていいかな、写真撮りたい」と頼んでみたら、
「酔わないならOK」ですって。ところがよっちゃん滅茶苦茶酔うんだそう。仕方がないですねえ。
何に乗っても全然酔わない私が行って写真撮って来ようかしら。

 

そして南三陸の町は、といえば……。
何にも変わってない。津波に貫通された鉄筋の建物はそのままだし、3階建ての建物の屋上
にはやっぱり車が乗っかったまま雪が降り積もっているし、仮設のコンビニも数が増えたわけでも
なく、以前に来たときのまま2軒が営業していて、格別の変化もない。冬景色に変わっただけ。
ひとつ変化を見つけた。信号がついていました。

歌津の元の駅近くには仮設商店街が開かれた。復興グッズがたくさん売っている、と聞いた
ことがあるけれど、、これほど何にもないところに人が来るのだろうか、とどうしても思って
しまいます。
復興するとはどういうことか。被災からほぼ1年たってもこれほど何も変わらない町が、
何をどうしたら町の姿を取り戻せるのか。町名も番地もなくなった地図に載せようもない元町が
ここの他にもいくつもいくつもあるのだと思うと、やっぱり復興というのは簡単にできることではない
と心の底から思わせられます。

帰ってみるとありがたや、除雪がされていて、家まで帰れました。よかった。

 

 

 

 

南三陸へ” への1件のコメント

  1. 被災地の陸部分はいまだそのような現状なんですね。
    でも海はわかめの養殖が始まっているとのこと、三陸のワカメのファンとしては嬉しい限りです。

    昨日の最悪な天候の中でも活動されていることに敬服いたします。

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