梅農場で植樹会

 地震騒ぎで右往左往している間に新緑の季節になった。

 鳴子温泉の避難者の方々2百名と一緒に梅見の会を楽しんだ梅農場の6、7千本の梅の古木は満開の花を散らし、今は小さな実を育てている。社長のS氏が、いつの日にかと今は亡き奥様と計画をなさっていた花桃の桃源郷の植樹会を開いてくださった。今日は5月11日、鳴子の避難所では合同慰霊祭が催されるというので、来られる方は少ないだろうと予測していたら、
かなりの人数の方が参加されていた。未来の桃源郷は、広大な梅林の一角にある。600本の苗木は前もって植えられていたので今日植える苗木は少なかったが、植樹の後の山菜採りや輪になっての顔合わせや自己紹介など、みなさん楽しまれているようだった。

 突然、南三陸たいむずを発行されているOさんが「運の悪いことに仮設住宅に当たりました」と発言。うれしいことなのに、なんだかガッカリしてしまう一瞬だった。南三陸たいむずは発行されて第3号で廃刊になるのはあまりにも寂しい。こちらの記録も大事だが、歌津に戻っての仮設住宅での新聞発行も大事に思えるので、なんとか両方続くように一緒に考えたい。

 それにしてもみなさん、とても素直に心を広げてお話されているようだ。社長も専務である山の手メンバーのSSさんも、この梅の農場をとても大切に想われているが、その想いのこもった梅農場は避難者の方々の心の復興に大きな役割を果たしていると思える今日の植樹の会だった。 

「10年後、復興してみんなで花見をしよう」社長の言葉が心に沁みた。   山の手S記

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