違う国みたい

3・11の地震後、交通量の多い幹線道路や路肩まで落ちて道路の形を留めないような道路は早めに修復されたが、うちの周りの道路(県道)や、市道のような2番手の道路の修理は今、寒くなってから一斉に行われている。その範囲たるやもの凄く広い。壊れているのは毎日見て知っていたけど、こんなに、壊れていないところはなかったのかと呆れるくらい、道路工事だらけだ。

うちから出て東西南北どちらに向っても広範囲に舗装が剥がしてあるところ、穴掘り中、舗装されたところが30メーター置きくらいに出てくるので全く油断ができない。その上次々に現れる段差ありの立札。片側通行の信号。信号がある場所が日々変わるので、前日通った翌日には信号を見落として突っ込んで行ったりする。夜道は真っ暗なので危なくてスピードが出せない。

もうだいぶ長くこの状態が続いている。そしてもうひとつ凄いなあ、と思えるのはうちがある場所からどこへ行こうとしても、幹線道路以外はほとんどがこの状態であるということだ。例えば南三陸まで行こうとすると、これまで壊れていた道露が全部この状態かと思うと行く前からうんざりする。

この2番手道路の修理が終わったとしても、まだ3番手道路が控えている。3番手道路の集落の中の道は応急処置の上を車が通るのでどんどん状態が悪くなっている。

道路ばかりではない。震災後に即日治した法面が、いつの間にか幅2、3メーターに渡って崩落しているところもある。ほんと、大変。治しても治しても治すところばかりだ。

沿岸被災地はまた違った風景なのだが、毎日こんな風景を見て暮らしていると震災以前の普通の日常だった感覚が心もとなくなってくる。福岡や大阪の友人たちを話していると、その日常が違いすぎて、なんだか違う国の人と話しているみたい。

温度差というのじゃなくて、この違いの意識の差がこの先定着するのじゃないかと思うとさびしい。

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