正座のお稽古

昨年の春頃からか、
正確にはわからないが、気がついたら膝から下が痛くてしゃがんだり
普通に立ち上がったりすることができなくなっていてびっくり。

立ってるぶんにはよいけれど、床を掃除したり畑や庭で花を植えたり
草を刈ったりするのは痛くてできない。しゃがんだら立つのも苦労する。

原因は、まったく不明。
加齢?ということもあるかもしれないが、それにしても部落の新年会
では畳に座布団で座ってたのにこの急激な変化には戸惑いました。

しゃがめなくなってほぼ1年。
40歳から20年間も登山をして1日中山を歩いていたせいか歩くのは普通に
1時間でも2時間でも歩けます。

ところが、今度は腰が痛くなってきた。
お餅の仕事や直売所の仕事で朝から夕方までほぼ1日中立ち続けて
平気だったのが、近頃は2、3時間も立つと椅子を探したくなってくる。

歳なんだから痛くなって当たり前。と周囲には言われそうだけど、いつも
混んでる整形外科には行きたくないし、どうしたもんだかと悩んでました。

先日町に出た時に、用事と用事の間にできた3時間ほどの空き時間。
時間潰しにふと行ってみようかと思いついたのが整骨院。
私にとっては未知の世界です。

ネットで調べて特に腰痛治療と宣伝された鍼灸整骨院を受診することに
しました。若いスタッフさんがいるなかで私の治療をしてくださった
のは年配の先生で、鍼灸師、柔道整体師さんであるらしい。

うつ伏せに寝て最初にマッサージ。たぶん触る程度に軽いマッサージ
なのだろうけれど、これが悲鳴が出そうに痛い。ついで人生初体験の鍼。
鍼を刺す、とかまえた割には痛くない。次いでゼリー状のものを塗り
ながらのマッサージを受け腰は終了し、次にはしゃがめない足のこと
も相談して治療をお願いしました。

帰り際先生から告げられた言葉が頭に残りました。
「痛い時はまた来てください。まだ固まっていないのでお風呂に
入った時に正座の練習をしてくださいね」

夜、不安だった突然のマッサージの後遺症の痛みが出ることもなく、
これなら1週間に2度ほど通えば腰も足も治るかもしれない、と
期待を抱いてその気になったところで、なぜか治療を受けたところ
一帯に発生してきたのが蕁麻疹。なんで蕁麻疹なんか出るんだろう。
訳がわからず、次の予約はキャンセルしました。

でも先生から聞いた「お風呂で正座の練習を」の言葉は頭に残り、
以来、1日2日置きに通う川渡温泉の温泉のお湯の中で毎回正座の
練習をしています。
腰痛はさほど治ったとは感じないけれど、正座のほうは効果がある
ようで、少しずつ痛いけどしゃがめるようになってきました。

しかし話は全然違うけど、週に3度通う温泉のお客さんの姿の少なさは
胸に痛く感じられます。お客さんの姿があって見慣れた近隣の方々の
顔も見えての温泉貸切りは、「やった! 今日はひとりだ、貸切だ!」
と得した気分にもなるけれど、ほぼ毎回源泉掛け流しの温泉のお湯の
なかでひとり「正座のお稽古」というのも寂しいものがあります。

早くコロナが収束して普段の生活が戻りますように。