新聞バッグを考える

滋賀県で海山ネットを大きく応援してくださっている女性がいます。
昨年津波被災した私の菊の師匠小野寺氏が今年菊作りを再開し、売り先を探している時に、「たくさん買います」
と手を挙げてくれました。

会社の社長をしておられます。ただ買うだけではなく、関連者の方にもわけて、みなさんで小野寺さんの菊を
応援するということに意味を置いて、水を替え水を替えして大切に菊を長持ちさせてくださったそうです。
お彼岸の菊もそうして買っていただきました。

 

津波で家も菊の畑も流された小野寺氏が、1年栽培を休んで新しく借りた高台の畑で菊の花の栽培を再開
されれば、よかった、よかった、万事良し!という感じがしますが、コトはそれほど簡単なことではないです。
津波以前のように農協、作業所が近くに揃っていない環境で前と同じ仕事をするということは、足りないものが
多くてずいぶんご苦労されています。

 

できるかたちで海山ネットも東北村もお手伝いしていますが、こうして遠くから手を挙げていただくことは
とても有難いです。

 

そしてその女性Tさんはお彼岸の菊が終わった後、たくさんの新聞バッグやよっちゃんなんばん、私のお餅や
あられなどを注文してくださいました。Tさんの会社のイベントやキャンペーンなどに、私たちの宮城の物産、
そしてTさんが取り扱っておられる商品など組み合わせて、海山ネットの「ものがたり」や沿岸部の被災や
メンバーのことなども紹介しながら、新聞バッグとともに販売してくださるようになりました。

 

これはとてもありがたいことです。

 

ある時Tさんはご自分の考えを説明してくださいました。
「最初支援にとコツコツ貯めていたお金で新聞バッグを買いました。新聞バッグを販売したお金でまた新聞
バッグを買います。手作りのみなさんの生産物も買ってこちらで販売して、こちらの人が宮城まで行かなくても
宮城の美味しい物が食べることができて喜んでもらって、そしてその販売したお金でまた新聞バッグや商品を
買う、という循環を考えています。その循環の輪の中で人も繋がり気持ちも繋がることを願っています」

 

これは海山ネットの考え方と同じなんですね。

最初私たちの被災に対する周りの方たちからの支援のお金で新聞バッグ作りの基礎を築いて、その後は
自分たちの生産物の売上金の一部を海山ネットに投じて活動の資金にしてきました。勿論新聞バッグを
南三陸、女川、南相馬の人に作ってもらって販売し、売上金の一部を制作代として支払い、新聞⇔新聞バッグの
運送費をねん出し、活動費にも一部繰り入れ、として1年半の活動を続けてきました。

 

こういう活動というのはどこも同じだと思いますが、苦しいちゃあ苦しいです。

 

仮設住宅や避難先の借り上げ住宅で新聞バッグを作るのは海の手さんたち、
販売するのは山の手メンバー、と置かれている環境上そういう役回りになるので、よく海山ネットは一方通行的に 沿岸部の被災者の方たちを支援しているのだ、と思われたり言われたりします。

 

そうではなくて私たち海山ネットは海と山の仲間。同じ土俵で一緒に仕事をしている大切な仲間です。
被災が少なかった私たち山メンバーは被害甚大な海の手さんたちの仕事を作り、小さな仕事でも手を繋ぎながら
気持ちを強く持ってもらって生活再建に向かってほしい。そして生活が再建されたら、また元のように内陸部に、
避難先だった鳴子温泉に泊まったり、買い物をしてほしい。

 

東北大震災の前まで沿岸部の方たちは内陸部の重要なお客様だったのです。
この海山ネットの活動を通じて私たち山の手メンバーの世界は広がり、人と人との繋がりによって私たちの
仕事もよくなっているような気がします。まだ気の段階で確定しているわけではありませんが。
私たち山の手に力がついて、海の手さんたちと一緒の海山商品作りができればとても嬉しいことです。

 

そしてその仕事は津波の前のように大量生産、大量消費、大量リサイクルの世界ではなく、あるものを大切に
利用して、機械ではなく自分たちの手で作る仕事をしたいねえ、と話し合いました。
先進的な機械を使えば使うほど人間の仕事はなくなります。
原発はもうほんとにうんざりです。

 

そんなふうに考えての海山ネットの活動ですが、自分たちの商品の生産から運搬、販売までととおしてやり、
新聞バッグの販売先を考え、販売に赴くというのは時間的もきつく、なかなか楽ではありません。

そんな時、Tさんのように、「こちらで販売してますよー」と新聞バッグを拡散していただけたら、私たちは
新しいことを考えられる、できる。

 

 

よっちゃんとそう話して喜んだことです。

 

Tさんには小野寺さんのことも含めて深く感謝しています。

海山ネットは手を繋いだ仲間の手を借りて、Tさんがやってくださっているような形を、小さくても数が少なくても
広げて、仮設住宅に暮らす方たちが新聞を折る数を増やしていきたいなあーと思っています。

 

 

 

 

 

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