スクラップブックつくり

頭にきてても仕方がないので、何か東北の現状を伝える手立てはないかと考える。

そうだ!!、と思いついたのがスクラップブック。
確か茶色の紙に新聞の切り抜きを張り付けた思い出が大昔にある。
あれだ。あれをやろう。
と、近所のスーパーへ行ってスクラップブックを購入。ついでに糊とはさみも。

そしておもむろに、これまで読んだ新聞、読まなかった新聞。
大震災以来、できるだけ使わないように重ね置いてきた新聞を一枚一枚
丹念に読む。

そして感じたこと。

うちの新聞は河北新報だけど、長い間毎日掲載されている「被災者は今」は、被災地での被災者
の今を伝えていて興味深い。興味深いという言葉は不謹慎のような気がするけれども、
でも荒浜で被災した方の今はこうなんだ、とか気仙沼ではそんなふうなのかとか、この広大な被災地の
今の姿、そしてそこで生きる人の心を知って、安心したり、喜んだり、胸が痛む思いをしたりする。

「311大震災応援メッセージ」は応援の文章の言葉の温かさに、心温まる。優しさに胸を熱くする
こともある。

そして気づいたことは、当地の新聞はこんなにも大震災に関連する記事が多いのか、ということ。
全紙面の半分以上が、特集が組んである時には3分の2くらいの紙面の背景に大震災がある。
他の土地の人々には想像がつかないかもしれない。
もう1年近く毎日背景に大震災がある新聞を読んできて、ふと気づけば福岡などの大震災から遥かに
遠い土地では、どんな記事が書いてあるのだろう、とわからなくなっている。
普通の新聞ってどんなだったっけ。

復興の動きを伝える明るい記事、暗い記事、感動的な記事や悲しい記事、ひとつひとつ切り取って
張り付けると、結構嵩のあるスクラップブックになった。
新聞で渡すと読まないことが多いが、記事の切り抜きばかりというのはけっこう目を引いて、
開くと作った私がドキンとするような迫力がある。

これを1、2冊作って福岡へ送ります。
百聞は一見に如かずというけど、百言も一見に如かずかもしれない。
風評被害と言葉で簡単に言っても、心ない風評は自然に襲われる第一災害の復興を妨げる、
人的に引き起こされる第2次災害、3次災害の引き金になるかもしれないのだから。

大切なことは東北では潤っているところもあれば、全然潤っていなくて今も先の見えない不安で
押しつぶされそうな人たちもたくさんいる。哀しみから立ち上がれない人も、けど哀しみを我慢して
笑顔で「元気でふんばるよー」と言うひともたくさんいます。

それがわかってくれればいいなあ、と思ってスクラップブックを作り始めたのだけれど、けっこう
面白くてやめられなくなってきた。
1、2冊のはずがこのままずーっと続いて10冊くらいになるかもしれない。

 

 

 

スクラップブックつくり” への4件のコメント

  1. 「理解してもらうこと」に手間暇を惜しんではいけないのですね。
    スクラップ記事を送ること、すごく良いアイディア。

    私もできるだけ多くの人に海山ネットを知ってもらおうと
    友人と一緒に続けているブログに「山の手日誌」の紹介を書きました。読んでみてください。

    http://nodokadayori.cocolog-nifty.com/blog/

    1. 海山ネットのご紹介ありがとうございます。それだけの意味あることができているのか、忸怩たる想いがあります。
      ほんとにまだ、まだ、まだ、まだー、という感じですよ!
      過不足なく理解してもらうということは、口では難しいですね。客観的な視点で描かれた事実を見てもらうのが
      一番いいのではないかと。人的に引き起こされる災害は、根が深く性質が悪いものになっていくのは自明の理、
      手間暇惜しまず、スクラップブックを作ります。

  2. こんにちは・・・kazさんとBlogをやっているNonです。
    kazさんからこの「山の手日誌」を紹介していただき、先日から少しずつ読ませていただいております。

    すばらしい発想、人脈、行動力・・・全く個人主義的な生き方をしてきた私には、ちょっとまぶしい方です。
    すぐにはomochiさんたちの活動の役にたてそうにはないですが、こんな活動をされている方がおられると、仲間に話してみようと思います。

    私たちの地域のシニアクラブでも震災時、みんなで義捐金集めをしたり、また秋にはフェスティバルで、手芸品を売って赤十字に送ったりしましたが、どれも一時的なもので、そんなに役立っているという実感はありませんでした。経済が回るようにという発想・・・なるほど・・・と思いました。

    1. 初めまして。kazさんとは同じ会社で同じような仕事をしていたomochiです。
      よろしくお願い致します。海山ネットはこんなことやろうという使命感から始めた
      のではなく、鳴子温泉に避難してこられた沿岸被災者の方々とお知り合いになって
      から日を追う毎に交流が深まり、一緒に仕事を作り出そうという目的を持って、
      これまでやってきました。みんな仲間です。みんな揃ってよろしくお願い致します。

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