挑戦の日々

洋裁 なんてもうすることはない、と思っていたけれど、昨今の既製品に自分の体型が
会わないことが苦になる、あ・ら・セブンティ4人、思い立って自分たちで洋服を
作ることを決断しました。

洋裁を教えてくれるのは、石巻は渡波の加納さん。
本来は糸を紡ぎ、染め、機を織り、洋服まで仕立ててしまう織り屋さん。
モノ作りネットワークで知り合って、新聞バッグの製作や検品にも協力してもらって
大震災以来のお付き合いになります。

教えてくれるほうは、織物、仕立てのエキスパートだけれど、教わるほうは
若い頃には子供の服など作ったものの、もうミシン糸のかけ方さえきれいさっぱり忘れ
いるうえに、まずもって問題なのは全員揃って老眼で目が見えてない。

それでもみんなそれなりに嬉しくて会場の公民館の和室に10時集合。
先生曰く「簡単な作り方だから1日で出来上がるよー」。
ほんとかね。ほんとにそうならいいんだけれど・・・。
見えぬ目を見開き、昔の記憶を辿り辿り、ひと月に一度の挑戦が始りました。

広い和室の隅々まで散らかし放題で、型紙とり、裁断、ミシンにロックミシンまで
「先生、先生」と呼ばわりながら、全員一応の形が出来て大満足。
いやに順調。なんかどかーんと来るんじゃないかと案じていたら、やっぱり
中盤まできて、私の服は前身頃と後ろ身頃に長さが5センチも違ったまま切断!
信じられません。

3時ごろには止めようねえ、なんて甘いことを言っていたのが、気付けば夕方5時。
時間を忘れました。ウン十年ぶりの服作りは想像しなかったほど面白い。

今日の楽しさに気をよくして、次はウエストゴムのパンツだの、いつか襟付きだの
夢ばかりが膨らみます。

服を作るためには布を買ってみたり、糸を合わせてみたり、自分でもできそうな
型紙探したり。日頃は足を向けることもなかった手芸屋で、新たな楽しみを見つけました。

次は6月の同じ日、第3金曜日。
誰かやりたい人いる? と周囲の人たちに聞いたら一度に3本くらい手があがりました。
次はメンバーが増えて賑やかになりそうです。

 

昨日は午前中は眼科の予約日。
のつもりでお餅仕事を終えて慌てふためいて眼科にとんで行ったら、なんと予約は
来週だったというお粗末。まったく恥ずかしい!

お昼は休日の上條さんと待ち合わせて、新たに鳴子温泉でもと「さとのわ」の店主
みきさんがオープンしたカフェへ。
古い建物を利用してオープンしたカフェはクラシックな雰囲気で、みきさん手作りの
地域の野菜を利用したランチやお菓子が提供されています。

夕方涼しくなってから、野田さんの菊畑へ。
もう少々遅れぎみではあるけれど、とにかく菊を植えたらピンチして開花抑制調整剤
をかけるという一定の経緯を経験します。
野田菊試験場。リーダーは野田、helpはパーシモンの千代さん、上條さん、私。

おおお、細い1本立ちだった苗が、ずんぐりしっかり育ってました。

向こうの杉林の大きい3本の中ほどから熊出てきて帰っていくのだそう。
4人で薬剤をかけ、菊の周りで伸びかけている雑草をとって終了。

今年の秋か冬か、まだ時期は決まってませんが、新聞バッグコンクール東北開催の
打診がきています。

その第1回目の打ち合わせ。

以前高知県四万十で新聞バッグ事業の事務局を任じていた黒田さんが、過去の
資料を持ってきてくれました。
東北で、ここで、新聞バッグコンクールがやれるのか。
これから詰めていきます。

 

 

 

新聞バッグとポンちゃんと。

昨日、一昨日と雨模様で寒い。

初夏とは思えぬほど寒いので、着るものに非常に困る。

新聞バッグの注文で南三陸のけいこさん宅へ行ってきました。4月くらいから
ワカメ、昆布の仕事で忙しい時期に、新聞バッグ制作は頼みづらいのだけれど、
「いいよ」と軽く承知してもらえてほッ。

大震災から7年経っても、東京恵比寿のギャラリー「まぁる」のオーナー、木川
さんからは変わらず、「またお願いねえ」と注文してもらってます。
有難いことです。

大震災後の、ただお金が必要、ただで貰うのはいやなので、手の仕事で少しづつでも
収入をと始めた最初の役割とは、徐々に変わって、販売するのだからちょっとでも
クオリティが高いものを、という姿勢もちょっと変わって、今は第3段階。

これからどのように進んでいくのかこれから考えます。

新聞バッグはあ・ら・伊達な道の駅で販売中。月に1度店内レストランで、
新聞バッグ作りの講習もやってます。全然宣伝していないのでここでPRを・・。

 

ワカメ最盛期の頃は、浜の作業小屋に訪ねていたので会えなかったおばあさんにも
久しぶりに会えて、お互い「元気でよかった」と再会を喜び合い、帰りにはさんさん
商店街でお魚買って、大急ぎで高速走ってUターン。

4時には戻って畑に蓬刈りに行き、日暮れまで丈高く伸びた草を刈りまくってへとへと
の体力を立て直し、夜は蓬茹でてタケノコ茹でて終了。
疲れた!

 

 

翌日は朝のお餅の出荷後に、夜開催予定の野田、理君の誕生会及びパーシモン開店
2周年お祝いのためのお魚を買いに町内のスーパーへ。スーパーといってもとても
小さいお店で新しいお魚があるのが特徴。

ピッカピカの刺身用のでっかい鯛、鰹、平目の中からマスターが扱い易そうな特大
ソイとイカを買ってパーシモンに持ち帰ったところで、
「ポンちゃんがご飯食べなくて死にそうだ」との畑で作業中の花のYおじさんからの
電話で、畑に直行してポンちゃん連れて動物病院へ。

大震災後迷いネコになって別荘地の一番上にあるKさんちに現われた雄ネコポン
ちゃんはKさんの奥さんに可愛がられてのんびり暮らしていましたが、Kさんの
ご主人、奥様ともに病気になって引っ越されることになり、ポンちゃんは花のYおじさん
に預けられて暮らしておりました。見たとこひどく老齢。

獣医先生曰く、「あらあ、ずいぶんご高齢だねえ!」
大きい注射と小さい注射と3本も打ってもらって、帰ってきました。これでご飯が
食べられなかったら、もう諦める年齢だと・・・。

 

夜はパーシモンで小さなお祝い会。

野田さんが宇都宮で買ったたくさんの餃子と手巻き寿司と蝋燭3本だけ立てた小さな
ケーキで唄を歌って、お腹いっぱい食べてビールと焼酎のんでみんなご機嫌で
夜は更けていきました。

 

夜11時、Yおじさんから電話。
「ポンの輔君、おしっこしたよー。水のんだよー。」遅れて「ご飯食べたよー」

凄い! ポンちゃん、今回は生き延びた。

がんばれ、ポンちゃん!

 

 

 

 

 

 

商品を作る

4月20日頃から萌え出した新芽。
1ヶ月で我が家の窓の外は緑一色。冬の間は木々の間から見えていた下の道路は
緑に隠されてすっかり見えなくなりました。

長いゴールデンウイークが終ったら、母の日。

今年はこんな母の日カーネーションを子供から貰いました。

年々歳々、売っているものの形は変わっていくけれど、母の日カーネーションも
昔とはすっかり様相が変わって、このブーケ、冷たくふよふよしたお尻の辺りを
触ると、ゼリーかなにか使われているのかなあと、花屋の母はそんなことが気に
なります。勿論とても可愛らしいのですが。

右にあるのは私は野田さんと一緒にワークショップで作ったハーバリウム。
近頃流行りのハーバリウム。「植物標本」というのがハーバリウムの意味という
ことだけれど、このビンの中身は「植物標本」ではないね。

本当のハーバリウムはほんとうに植物がぎっしり入った標本みたいで魅了されました。
自分が作った花や野草や野菜で「植物標本」ができるなら、そんなハーバリウムを
作ってみたい。

標本ではなくてこのところ翻弄されているのがタケノコと蓬。

今年から裏山の竹林のタケノコを直売所で売り始めた花栽培のYおじさんの、売れ残り
だったり売らなかったしたタケノコを、竹林から運んできては、お餅用の餅米のとぎ汁
で茹でるのが日課になりました。

何するったって当てはないのでけれど、食べられるのを見捨てるのは勿体ないので
茹でては東京や富良野に送ったり、主食のようにタケノコを食べたりしつつ、この
タケノコを長期に保存するにはなどと頭をめぐらせます。

しかし今年はタケノコのあたり年なのか表年なのか、タケノコを茹でるようになって
みて初めて、タケノコってのはこんなに出るものなのかと・・・・。
採る人の重労働、タケノコを茹でて調理してビン詰め加工にしてと、毎日タケノコ仕事で
重労働に労働を重ねるよっちゃん農場、よっちゃん夫妻の疲労に思いを馳せたします。

そして蓬。

東北のこのあたりの蓬はとてもきれいです。
元からここに住んでいる人は当たり前のこととして気付かないだろうけれど、蓬をたまに
見かけるところといえば犬が散歩する小さな公園だったり、舗装されてない(滅多にない
けど)道っぱただったりの埃にまみれた都会の蓬と較べると、緑濃く清潔でとてもきれい。

土地の主以外には、熊や猪、狸に鹿くらいしか歩かないこの地の畑や野原の蓬は、採らない
のは勿体ないほどきれいで、野田さんと相談して採る作戦を開始しました。

私は採って茹でて潰して蓬のお餅に。
野田さんは現在研究中の温泉熱乾燥で蓬のお茶に。

大量に採って茹でて、温泉熱で2日。乾燥させると乾燥蓬のできあがり。
そのまま飲むのもよいけれど、蓬パウダーにして使い手をよくしよう、と乾燥蓬を粉々に
するミルにかけたら、もこもこふわふわ、と出てきたのは百草(モグサ)。
パウダー少量、ふわふわモグサは大量で、初めは何か判らずモグサ茶を飲んだりして最後に
落ち着いたのは蓬茶。モグサは精度を高くするとお灸用になるそうです。

みんなで協力して細かく揉んで袋に詰めて蓬茶ができあがりました。
この蓬のお茶は野田さんの東京マルシェでの商品。

東京でお客様に試飲してもらったら好評だったそう。

パン工房「蒼い虹」のパン職人じゅんこさんは、南三陸の新聞バッグ作りのエキスパート、
けいこさん宅(本業はワカメ養殖)のワカメを乾燥させて細いねじねじ、ワカメ入り
グリッシーニに。
そして新聞バッグ講師黒田さんは、庭の八重桜の花で、桜のお茶に。

桜茶は凄くいい香り。
もったいなくて飲めないわ!

この辺りの生活のなかにある資源を使う商品作りはこれからも続きます。
頭も体も使うけど、楽しい作業です。

 

 

 

 

 

いちばんいいのは笑っていること!

怒涛のゴールデンウイークが終わりました。

長かった!

あ・ら・伊達な道の駅出荷組合花卉部会では恒例の花市「オナゴスターズの
花マルシェ」を開催。
長い連休中の前半が4月29日と30日、後半が5月5日と6日で、道の駅直売所
の前にテントを立て、4人の部員が各自栽培した花を並べ、お客様と直接対応
して花を販売するという花市は、一昨年の秋から始めて今回で4回目です。

昨年の同時期に開催した花マルシェでは、花が咲いてなくて葉っぱしかない
苗を販売するのに苦労したので、全員前もってタネを蒔いて花が咲くように
準備をしました。その努力のおかげで今回は花の満艦飾。

加代子さんのメイン商品は直径40センチほどにも育った鉢植えペチュニアと
各種花苗。こうみさんのメインはレタスやキャベツ、などの野菜苗に手作り
布商品、ドライフラワーに目玉は採り立て「こごみ」。ちふみさんは釣り鉢
仕立ての新種ペチュニアに寄せ植え鉢もの、目玉は多肉植物、サボテン類。
私は春苗、ガーデニング素材の宿根苗やらなんやらかんやらの混合。

花の種類が多いのと、栽培説明つきなのと、すぐに値引きをしたりおまけを
つけちゃったりするのとで、なんとなく人が寄ってきて来客は絶えず。

なのですが、しかし歳をとるとどうしてこうも計算できなくなるのか不思議。
ボケているのではありません。余計なことはいくらでも言えるのだから。
私だけじゃなくて60代後半から70歳の母ちゃん兼ばあちゃんの4人全員、
お客様が立て込むとすぐに計算がわからなくなり、4人顔を見合わせるともっと
わからくなり笑ってばかり。
慣れない体面販売、お客さんを前にすると上がるみたいで。

笑ってばかりの現場はお客様にとっても楽しくみえるのかもしれません。

足りなくなった商品はご主人が補充で家から持って来て、家族総出の賑やかな
マルシェ前半はしっかりした売り上げを上げて終了しました。

中二日を開けて後半戦。
は厳しい天候状況から始りました。
花は同じように揃えたけれど、風が強い。気温が低い。雨っぽい。
気温が低いのも寒くて耐え難いけれど、強風に煽られるテントを抑えて
踏ん張った足、腰が痛い。と言う状況でしたが、相変わらず「お母さんたち、
口がうまいね」と言われながらも時間どおりの販売で商売繁盛。

最終日は2人が用事で来られず、4人分の商品を加代子さん、私の2人で売って
各々の金庫に代金を入れるという態勢。計算苦手の頭はそれなりに緊張します。
お天気は前日よりまし。最終日とあって客足が絶えません。
午後から、菊300本の摘心作業を終えた野田さんが助っ人に来てくれて大助かり。

話は脱線しますが、先日菊苗をとりに南三陸まで運転、運搬をしてくれた
野田君は、なりゆきで余剰の苗300本をクリちゃんの畑に植えることになりました。
もと東京のテレビマンの野田君。まさか人生の半ばで自分が菊の花栽培に手を
染めようとは想像もしなかったと思いますが、なんでもやってみなきゃわからん、
と果敢に挑戦しています。面白い!

最終日に参加できない二人の花苗を完売するために、時間延長してイベント終了。
この花マルシェは、今日の売り上げを伸ばすことが目的ではなく、5月の緑が
美しいこの時期に、道の駅直売所では、生産者が栽培した多種類の花々を直接
お話しながら販売する花市を継続して行いますよ、
と定着させるのが狙い。

計算できない、できないと言いながらも、笑って食べて売ってしゃべって楽しく
イベントを終了しました。笑いあって楽しければ成功とします。
しかし、このゴールデンウイークのお客様の多かったこと!
史上最高の売り上げ、人出だったようだけれど、イベント終って駐車場から出る
のに四苦八苦、嬉しい苦労ではありますが・・・・。

たくさん来ていただいたお客様、ありがとうございました。
夏、お盆には盆花の販売。秋には感謝祭で花マルシェ秋バージョンを行います。
ご来店をお待ちします!