新聞バッグコンクール

       快晴で無風。10月も半ばなのに異常に暖かい。ということで、午後3時になって急

       に思い立って、栗駒山に紅葉を見に行って来ました。家から1時間弱で表登山道が

       あるいわかがみ平に到着。紅葉を見に行って最盛期にピッタリということはあまり

       ないのですが、今日ばかりは思ったとおり大当たり! 栗駒山から東栗駒までの

       全山が残照を浴びて輝くような紅葉でした。下に降りてくるまでにはもう少し、間が

       ありそうです。

       明日の締め切りに向って女川から、南三陸から、鳴子在住の南相馬のKさんから

       思い思いに選んだ新聞で作った新聞バッグが送られてきました。

       久しぶりに見る3月12日からの記事です。以前に元南三陸新聞記者だった及川氏

       から預かっている、及川さんの宝物のさまざまな新品の新聞を使わせていただき

       ました。

       写真を撮るカメラマンも記事を書く記者もきっと胸も潰れるような思いで、泣きな

       がら撮ったであろう、書いたであろう報道写真の極みとも思える写真、記事ばかり

       です。私はこの新聞を毎日読んでいる頃は、新聞に向って手を合わせてばかり

       いました。耐える人々を見ては手を合わせ、自衛隊を見ては手を合わせ、アメリ

       カの兵士を見ては手を合わせ、祈ることしかできず、読んでは見ては涙が出るの

       を止められなかったことを思い出します。

       この新聞バッグはこの悲しい被災を、そしてそこから立ち上がる人々の姿を

       物語るとてもとても貴重な新聞バッグになるであろうと予感します。折ってくれた

       みんなにどんなことを想って折ったのか聞いてみました。

       いろいろな答えが返ってきましたよ。

       今年、3月12日からの新聞を私は捨てられずにいます。古新聞が必要になった

       時、新聞を使えないのは不便なのですが、どうしてもの時は記事を一枚一枚

       確かめてから不要のページだけ使います。震災以来の新聞を読んで感じる

       のは、識者や作家などの震災に関する文章が、これまで読んだどんな文章   

       よりも心を打つ文章が多いということです。その文章をも捨てられなくて私は    

       新聞を重ね続けています。