石巻へ

ついに本格的夏がやってきて毎日暑っつーい!

冷房を使わないので毎日家の中でうだるように暑いうえに、これ、なんなの?というくらいに怒涛のように

連日忙しい日々。早く終わってほしい。

金曜日は、友人が誘ってくれたので、思い立って娘、孫も一緒に、以前から名前だけは聞いていた石巻の

川の上、百俵館へ。途中、大河、北上川に沿った道を走ります。

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北上川はほんとうに大きい。湖がそのまま河になったような・・・。

これまでの転勤生活で、小倉の徳力川、神戸の夙川、大阪で淀川、名古屋で揖斐川、千葉で江戸川、荒川、

利根川と、何故か川が近くにあるところで暮したけれど、北上川はピカ一、傍近くで見るとその水量の多さに

背筋がぞくぞくするような、見たいけど見たくないような大きな川。

とは言いながら川沿いを走る時は、川の風景の美しさと怖いもの見たさのような感覚で目が離せなません。

 

久しぶりに道の駅「上品の郷」に寄って昼食。

ここは温泉がある道の駅なので車がいっぱい。

温泉好きな人というのは、こんなに暑くっても温泉に入りたいのかしら。

ここのレストランでご飯を食べるのは初めてですが、食事のシステムがあ・ら・伊達な道の駅と同じバイキング

スタイル。へえー、知らなんだわ。仕切りのついた白いお皿までも同じもの。

でメニューの数は、というと、うーーん、ここは多い。お寿司、梅ご飯とご飯の種類も充実。 飲み物は

単品オーダーではなくセットで頼めて便利いい。スイーツは充実していて楽しめる。

車が多い割りにはゆっくりできて、気が着けばしゃべって食べて1時間半。

 

川の上、百俵館は本来静かに本を読むべき図書館を「笑ってしゃべって楽しんでもいいよ」との趣旨で開かれた

蔵書3000冊の図書館。昔の家を利用した木造の建物の中の素敵な喫茶店でお茶を飲みながら話し、本も

読めるという新しい趣向の空間になってます。

 

明日は道の駅の盆踊り大会。

出荷組合ではテントを立てて生産者の採りたて野菜を串揚げにして販売する予定。

そのための串だのペーパーだのパン粉などを購入して帰宅。

暑い1日でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

盆花農家めぐり2日、3日。

引き続き昨日、今日と花農家の視察。

道の駅で盆花を出せる農家を20数軒廻って、畑を見せてもらっての総合的な感触としては、畑いっぱいに

植えつけられていても、契約で抑えられていたり、開花が遅かったり早すぎたりで、需要に供給が間に

合っていない印象。

生産者の出荷で成り立っている直売所としては、供給が間に合わないのならば仕入れましょう、と言って

しまえばそれで終わり。また生産者の立場としても、直売所を自分たちの生産物を販売する場として

保つ努力をしなかったら先細りになってしまう。

 

課題はこれだけではなくて、東北の盆花販売の特殊性。

東北以外の土地ではこれほど極端ではないと思うのだけれど、この3日間、生産者の畑でで見てきた

これでもか、と思うほどの多量の菊やアスターなどの盆花を、8月10日から僅か2、3日ほどで売り切って

しまうという東北地方の極端にお盆に集中した花需要。

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これだけの花を切って、下葉の処理して花色を合わせて結束して、袋に入れて値札をつけて運ぶ。

これが1日に何百束ともなれば、それなりの人数の雇用が必要になり、それでも運搬には人を回せる

余裕がないという状況も起こり得る。

 

こういう難問をひとつひとつクリアして、直売所も生産者も安心して花を栽培し売り、顧客満足も満た

せる状況をどう作るか。

先日視察体験に岩出山に来てくれた農業女子の方にでも手伝いに来てもらえる仕組みを作れたら

いいねえ、なんて話していたら、なんと、へとへとに疲れて帰り際、農業女子のお一人からお電話を

いただきました。

 

「近いうちに再訪しようと思っていた。行くのは何とか行けても帰りの電車は、と考えていたところです」。

そんなことなら、お迎えでもお帰りでもご相談にのります。是非お手伝いください。

ということで、近いうちにお出でいただけることに。

 

一度来て頂いた方から興味を持って頂いただけでも有難い。

そのうえ「人が素晴らしかった!」とのお褒めの言葉も頂きさらに有難い。

うーーーん、と考えこんでいた気持ちが少し温かくなって帰宅。

 

突如空が暗くなり、雷鳴がしたり雨に濡れたり乾いたり、賑やかな1日でした。

さて、帰って草刈りをと意気込んで帰ったけれど、予定していた草刈りもなーんにもできなくて、寝てしまって

本日は終了。

明日こそはラベンダー畑の草刈りを実行するべし!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東北の底力

このところやること多くて、1日ゆっくりしたいなあ、と思いつつ全くゆっくりできないここ数日。

 

昨日は、「日曜日は用事ない」。朝のお餅仕事を終えた後は午後からゆっくりする、つもりでいたら、

「直売の当番どうするの?」と言われて愕然。

そうだった。日曜日は7月から引き受けた真山直売所の日曜当番だったんだ。はあ~~、休めないー。

致し方なく、道の駅からそのまま直売所へ。

暑いとお客さんは来ません。花も売れないしほかの物も売れない。冷たいものだけ売れるのが夏。

とわかっていても閉めるというわけにはいかないのが真夏。

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直売所の裏の釣堀では、お魚を釣る人たち楽しそう。

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本を読んだり新聞紙の整理をしたり、隣のお店の人にスイカをご馳走してもらったりして終了。

全然売り上げないかと思っていたけど、最後に友だちが来てくれて石巻の日野さん制作のお洋服買って

くれたので、ノルマ達成しました。早速連絡したら日野さん、喜んでた~。

 

 

いったん家に帰り、日が翳ってから、真山の農園にラベンダーのチェックに。

左側に見えるラベンダー。草に取り巻かれそうで超危険。

明日は草刈機持ってきて、周囲の草を刈らねば。しかし、こんだけ広くて誰ーもいないんです。

熊が怖いよ!

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でも翌日の今日月曜日はは草刈りには行けなくて、以前からの道の駅出荷組合懸案の花生産者の        お

宅訪問の第一日目。

 

宮城県は切花大国。お盆の花の売れ方は全国1位2位と言われるほど。私のように他所から来た人間から

みると、尋常ではない売れ方をします。それだけご先祖さまを大切にする土地柄だということだけれど、

それだけの数量の花を生産者だけで賄えるのか否か。

50名弱の花生産者の畑ではどんな花がどんな形で栽培されているのか。そんなことを知るために、会社と

出荷組合合同で、花を栽培している生産者の畑を訪問する計画をたてました。

 

今日は最初の地域、上の目地区。

1軒目はTさん。例年相当数の盆花を出されているTさんの畑では、今年もたくさんのアスターが育っていました。

お盆にはいくらあっても足りない小菊は、ちょっと時期が合わないかもしれない。

 

それにしても暑い!空は真っ青で炙られるような陽射し。畑にいることが苦痛になるほどの暑さ!

 

2軒目は出荷組合の再長老とも言えるMさんの畑。息子さんが栽培を担当してMさんが出荷するという形での

連携のようですが、ここでは輪菊がしっかり育ってました。もう80歳を過ぎられた農業の生き字引のようなMさん

のお話は自然界の森羅万象に亘っていて実に面白い。

花が本業ではなく、苺苗の実力者であり、あまり人が作らないような野菜の栽培者であり、冬場の農閑期

には、木を削って作る削り花や独楽、藁編みやひょうたんの飾りものなども作ってしまう岩出山の宝のような

Mさんのお宅のお庭の建物の屋根はこんなだった。

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3番目の0さん夫妻の畑はびっくりするような山の上。

70歳を過ぎて、こんな傾斜のきつい坂を登って、こんなに木々に囲まれた段差のある畑で、日々作業をされる

のか、と改めて敬服しました。これでは機械は使えないので畑を作るのも鍬を持っての手作業なんだと思う。

深い森に囲まれ、筍、山菜、山の恵みは種々山ほど。柿や栗の曲がりくねった大木のいかにも座り心地が

よさそうな枝の分かれ目には熊がゆっくりと実を食べたのか、爪あとがあちこちに。 なかなか強烈且つ刺激的

な環境。でも花はいろんな種類がたくさん咲いています。これだけの苦労があるんだもの。作ったものは是非、

売ってもらわなくちゃ・・。

「爆竹よりもドーンと音がする花火のほうがいいよ。あれだと熊が逃げてくから」

同行の豆腐屋の中森さんが熊撃退のレクチャー。

 

 

4番目は、トマトと大根をハウス栽培されるTさん語夫妻の畑。トマト栽培歴50年のプロ中のプロ。

盆花は健全に育っていたけど、なんといってもトマトが凄い。

ミニトマトのハウス。

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これから出てくるよ、とトマト栽培歴50年のご主人が勧めてくれた皮が柔らかいトマトの黄色版。

これは美味しくて食べるのが止らない。

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本命の盆花、アスターはなんとフラワーネットなしで、真っ直ぐに育ってる。

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これ、ちょっと普通では考えられない。

アスターをハウスの中で栽培して、フラワーネットなしで真っ直ぐに育てるなんて、どうすればそういうことが

できるのか。普通はフラワーネット張っても曲がるものは曲がるんだけれど、Tさんのは曲がってないし立ち

枯れも少ない。なんで?フラワーネット張るのが面倒で大嫌いな私は狐につままれたよう。

百聞は一見に然り、とは言うけれど、今日は見せてもらうもの、見せてもらうものにびっくり。 花も野菜も

いろんな栽培の形で作られているのだな、と現場を見て痛感しました。

 

 

よっちゃん農場のよっちゃん宅ではお父さんのK一さんが花作り担当。

現場到着時はよっちゃん、なんばんの鉄板炙りを終了した直後。まだ熱気と火種が残っています。

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K一さんの車に乗り換えて轍かすかな草の道を山の畑へ。

k一さん丹精の菊が元気に育ってました。K一さんの菊作り歴は私と一緒で震災後だからまる5年経ったか

経たないか。津波で流れ残った菊苗と新しい挿し穂で作った苗を4000本、会社を退職したばかりのK一さんと

分けて、南三陸から二次避難で鳴子温泉の滞在していた小野寺菊の師匠の指導を受けながら育てたのが

最初でした。あれからまだ5年しか経っていないのに遠い日の出来事のよう。

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そしてK一さんのもうひとつの夢は芹。

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2、3年後にはこの何倍もの芹の畑がよっちゃんちの山間の畑に出現しそう。

畑の脇に枝を広げた桐の木の実。薄紫の花はよく見かけるけれど、実は初めて見ました。

食べられるのかしら。

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耐え難いほど暑かったけれど、始める前に思ったよりもうんと充実した楽しい生産現場めぐりでした。

これまで直売所で顔を合わせるだけだった生産者の方々の夢や疑問や不安などを知ることができる機会

でもあり、出荷組合の課題や力不足を認識する機会でもある。

ことを実感できた、と同時に田舎を知らない都会もんの私が、心の底から東北の農家の規模と奥行きに、

驚愕しました、というのが本音。

 

東北の底力を見せてもらえた1日でした。感謝! みなさん、ありがとうございました。