冬到来

      寒くなってきました。空気が澄み、朝晩は冷え冷えとします。

      白鳥の飛来が始まり、一昨日白鳥の第一陣がやってきた、とニュースで聞いたば

      かりですが、今日佐沼からの帰り道、3、40羽くらいの白鳥の団体がいくつもいく

      つも黄金色の田の上を飛ぶのを見ました。これだけ白鳥が来ているのなら雁

      は?と探すと、いました。稲刈りが終わった田にたくさんの雁が降りて落ち穂を啄   

      んでいました。白鳥を見るのは3月11日以来です。3月10日まではまだ帰ってい

      ない白鳥たちがあちこちの田に入って泥団子のように汚れて餌を啄んでいたので

      すが、震災後に気付くといなくなっていました。よく来てくれたなあ、と嬉しい気持

      ちになります。

      いよいよ冬の到来。寒さは住んでいるうちに慣れるとはいえ、やはり東北の

      冬は寒さが応えます。今日の河北新報の第一面に「仮設、お寒い冬対策」と

      記事があり、仮設住宅の風防室(雨、風除け)設置や、断熱材追加などの

      追加工事が岩手や福島に比べて宮城県は0%と言えるほど格段に遅れて

      いる、とありました。箱型の仮設住宅では窓や玄関を開けるとそのまま風や雨

      が吹き込んでくるという状況に、福岡の企業のD社長が、ふたつの仮設住宅の

      全世帯分の風防室設置の材料費を持参してくれたなど県も市も知る由もなく、

      「よその県の方が助けてくれているんですよー」と言いたい気分。

      今日会った南三陸のSさんに「寒い?」と聞いたら「寒いよー」と返事が返って

      きました。

      子供たちもお年寄りの方も仮設住宅にはたくさんいます。一枚ガラスで断熱

      材も入らない住まいはほんとに寒いと思います。もし風邪引いたら、インフルエ

      ンザが流行ったら、近くには病院はないし、先生たちは少ないし、薬局だって

      食料品店だってないうえに、道路の冠水でいつも帰りが心配だ、と歌津の仮設

      のMさんが嘆いてました。

      地盤が下がったのが上がる訳はなく防波堤がすぐにできる訳もないのだから

      せめて断熱材の工事くらいは急いでください。行政の方々。