紅葉シーズンの大多忙の中で、パナソニックさんのイベントが終了しました。
片付けの時、パナソニックさんが作ってくださった海山ネットの直売用の大きい
看板を見て感激しました。海山ネットの山の手メンバー4人だけでは予算的に
もなかなか物品販売の形を整えるまでにいかないのですが、こうしたご支援
のお心遣いによって私たちの活動は成り立たせていただいているのだな、と
実感します。
終わりかけにはパナソニックさんの方々が何人も買い物に来てくださり、志津川
のSさんが販売している海産物がたくさん売れました。
Sさんは元自動車会社勤務。津波で家とお仕事場を失くされ、今は仮設住宅の
支援員というお仕事をされています。支援員というのは来年の3月までの国の
補助事業で仮設住宅を一軒一軒回って入居者の状況を知ったり、お話を聞い
たりするお仕事です。
海山ネットの海の手メンバーとして、今回のパナソニックさんのイベントでS
さんは、海産物を自分で仕入れて販売するという試みを始めました。さすがに
元営業マン。自動車であれ、海産物であれ、売るということは基本的には
変わらないらしく、販売の姿勢にSさんの長年の経験に裏打ちされた無駄の
なさを感じました。
Sさんが突然「冷蔵庫が欲しいねえ」と言い出しました。6回の販売を経て
海産物屋さんがSさんの名前を付けて売ってもいい、と言ってくれたそうで
すが、完売できなかった時に保管する場所がありません。
置き場所、それからSさんが志津川まで帰れない時(1時間半くらいかかる)、
の寝場所くらいは私の家を利用してもらっていいけれど、冷蔵庫を買うとな
るとねえ。うーーーん。二人で唸り声しか出てきません。
でも私は思うのですが、自立とか自活とかというのはこういうこと、今Sさんが
がんばろうとしているようなことではないのかと。
働くことができない人に支援をすることは重要だけど、どうにか被災の打撃か
ら立ち上がろう、脱却しよう、まずは自力で進もうとしているSさんのような方
には支援というよりも、自立自活の応援をしなければならないと、一緒にいて
思います。
来年の3月にSさんの仕事がなくなったら、一緒にお店でも始めようというのが
Sさんと私の約束です。