農村移住について

3連休が終わりました。

まだ紅葉はハシリ、山全体の縁どりくらいがチラっと色付いたくらいなのですが、道路の混雑が凄かった。
道路だけではなくて道の駅の混雑も凄かった。

今乗っている車の走行距離が195000キロを超えたので(こんなに乗るのは初めて。20万超えに挑戦
したい気持ちはありますが)、3回目の車検前に、「乗り換えようかなあ」と古川の車屋に向かう途中、
高速道を跨ぐ高架橋にかかったところで、5歳孫が、「バーチャン、車がいっぱい!。動いてない!!」

見ると、ほんとだ。普段は車が少ない東北自動車道のこんなところで、ぎっしりと渋滞した車が、渋滞
ではなく停滞してしまってました。どこまで帰られるのか、この状況はほんとに大変。              でもこうしてたくさんの人に来て頂くのは有難いことです。

この3日間は、直売所の生産者は大忙しでした。お餅屋で花屋の私も同様で、連休にお餅屋の籠が空っぽ
では困るので、農村学会で筑波に行く時には、4時に起きてお餅を作り、出荷だけ人に頼んで新幹線に
乗りました。

 

農村生活研究学会に呼んで頂いて思ったことを少し書きたいと思います。

第1部は農村に移住した栃木県茂木町の有機農法で野菜を作っておられる松井さんと、農村には移住した
けれど、花を作る部分は農業、お餅を作る部分はお米を利用した加工という仕事をしている私が、聴衆
である農村生活の研究者でいらっしゃる大学の先生や、若い方々の前で、日々の生活を発表する。

第2部は聴衆の方々が二手に分かれて大テーブルを囲んで懇談する、という構成になってました。

農村学会というところが普段からどういう研究を為されているところか、勉強不足でよく解からないのですが、私の前に発表された、どこかの中山間地の農村活性の事例を聞いていると、研究のテーマは、農村 以外のところから人を呼ぶ農村移住を奨励して農村の生活を活性化させる、ということではないかと解釈しました。

そしてその農村移住の中心になっているのは「新規就農」なのだろう、と思います。
就農、というからには、米作ったり、野菜作ったりの農業者になるということです。

私が農村に移住して12年。
お餅のほうは集落の誰もやってないことなので、ほぼ問題なく続けてきましたが、もし有機農法で野菜を
作る農業だったらどうだったろうか、と思うと難しかったと思う。
花しか作っていなくても難しいことは多々ありました。

中山間地での農業は、これでお金を稼げる。上向きの成長産業だ、なんて思っている人はここには
一人もいないと思います。男の人も女の人も田んぼに出て、畠に出て本当によく働きます。その他にも
牛を飼ったり、アルバイトに出たり、都会で夫の給料で食べていたかつての私の暮らしから考えると、
別世界のひとのようにみんな体を使って働くけれど、農業が活性化しているかというとしていないのが
現実です。

それなのに、なぜ土地の人でも継続が難しい農業への新規就農を奨励するのか。
そのへんがちょっとずれているんじゃないかなあ、と思いました。

中山間地の活性化のためによその土地から人が入る、ということはとても重要です。でもそれは何も
農業に参入するのではなくて、私のように定年後の農村移住なら、土地の人の生産物を使って何かを
作るとか、売るとか。何を作るにも売るにもお金はかかるのだから、そういう人たちに少しでも助成をして
農村移住をすすめ、疲弊する中山間地の活性化を計る。
そういう考え方があってもいいんじゃないかなあ、と思うのですが。

都会の人間にできるできない、があるように(例えば力仕事とか、食品の保存とか)、農村の人にも
その暮らし方の文化の中で、得意なこと、苦手なことがあります。
例えば組織的な理屈を言う、とか営業して品物を売り込むとか。その苦手な部分を、よそから来た
者が、請け負えばいいのではないかと。

 

この町にも移住してきて、町の重要な部分で役割を担っている方たちがいます。
別荘地に住んでいても、地域に馴染んで、それぞれに仕事をしています。町に古くからある直売所第1号の
会長さんは東京の方だし、蕎麦屋さんも宅配屋さんも手作り家具も山野草を作っている人もいます。新規の農業に就かなくても、みんなこの町の重要な構成員です。

海山ネットとして、新聞バッグにこの町の生産物を詰めて、外部に発信して販売努力をしようとする私に
対して、「内部に対する発信のほうが大事なのでは?」という質問がきましたが、今は外に対して
モノを売らなきゃならない時期なのです。人も呼ばなきゃいけない。交流人口を増やさなければならない。
たくさんの人にこの町のことを知ってもらい、生産物を買ってもらい、温泉に来て欲しい。

 

12年住むうちに私はこの町がとても大切になりました。潰れてほしくはないのです。
農村移住とは、そういう人間を一人でも増やすことが重要なのではないかと思います。

 

 

 

 

農村移住について” への2件のコメント

  1. 20万キロって営業車みたいだね(笑)。

    そっちはかき入れ時の連休と台風かぶらなくて良かったね。
    こちらは明日の朝台風が来るので大変そうだよ。

    1. 台風はたいしたことなかった。
      私の20万キロは営業車ではなくて、仕事と介護車でした。おじいちゃん、古川、おばあちゃん、栗原
      を毎日通ったらこうなった。近い感覚だけど、距離走るから。信号ないし。

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