明日は青森

「一度ガーデン見においで。まだガーデンのガーくらいだけどね」

生産者仲間のOさんに言ってもらって、昨日お天気のいいお昼にこの町に15年住んでまだ行ったことのな

い沢沿いの集落を訪れました。

 

わお、どこを走っても緑濃い杉の山、浅緑の照葉樹林、野菜が育ち始めた畑、田植えが終わったばかりの

みずみずしい田んぼ、やっぱりどこもかしこも綺麗です。

県道からだいぶ深まったところにそのガーデンはありました。

カフェも作って10月にオープンだそう。Oさんのガーデンではなくて娘さんが作っているとのこと。

DSCF2281

DSCF2283

 

これほどの広さのガーデンをよく娘さん一人で作ったなあ、と感心。植物が大きくなる速度は遅く、しっかりし

たガーデンを作るには7~8年はかかると思う。それでも足りないくらいなのに、5年でここまで立派に育てら

れたなんてよほど植物がお好きなんでしょう。

見事に地面を覆うヒメイワダレソウ。 オープンが楽しみです。

 

ガーデンより驚いたのは、あちこちに点在するOさんの畑。

働き者とは知っていたけれど、いやもう言葉もないほどの働き方で、けっこう距離のある畑から畑を軽トラで

案内してもらいながら、こんなに数ある畑に様々な種類の作物が実り、雑草ひとつ生えてないのには驚嘆しました。

そのうえOさんは漬物屋さんでもあります。これから漬物用のきゅうりなどたぶん何百本も植えて、梅干用の

梅を800キロも漬けるんだって。60代半ばで私とどっこいの小さい体で一人で。

 

私の集落で親しい由美さんが、牛、野菜、田んぼ、ヘルパーさん、それに奥さんとお母さんの役目を果たし

ながら働きまくるのを見て常々驚いていたけれども、Oさんも同じような働きぶりで、都会で生まれ育ち会社

勤めで給料もらってこんなふうには働かなかった(違う働き方だった)私からみると、違う星の人のような気

さえします。

 

15年前ここに越してきた時に私が最初に驚いたのは、ここの女の人はなんて働くんだろう、ということだっ

たけれど、やっぱり今も驚いて、怠惰な自分の日常を反省。明日から真面目に動きます。

 

そして今日はやはり生産者仲間のAさんの畑を見学。広ーーい畑で今日も昨日と同じように感心して帰って

きました。

明日から道の駅の研修旅行で青森。

午後は請求書発行したり新聞バッグ発送したりで大忙し。

でもお餅仕事から離れて、青森を楽しんできます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家を売る。

ピアノの先生のお庭で見ました。

この花何の花? 蔓性ではありません。樹木です。

DSCF2274

 

このところ休みなしに仕事を続けていたらちょっと疲れてきて、今日、明日、明後日と予定が入っていない

3日間を何もしない日と決めた。朝夜のお餅仕事以外は掃除とかアイロン掛けとか日頃やらねば、と思いつ

つ、伸ばし伸ばしにしてきた仕事をやる日。そして注文に間に合わず、日々プレッシャーがのしかかる新聞

バッグ折りを、ついに「自分でも折ってみようー」と心新たにした日。(長い間折らなかったので全然自信がな

い!)

のつもりだったのだけれど、お昼ごろ、昨夜遅く「家が売れちゃったのよ。だからすごくすごく落ち込んでる」と

電話を

くれた友人から「今からそっちへ寄っていい?」

ということで、売りたい家が売れたのに何故それほど気持ちが落ち込むのか、という話を聞きました。

 

友人81歳。一人で家1軒売るなんてほんとに大変。これまでの人生で家を3軒買って3軒売った私は、家の

売買がどれほどエネルギーを使う大仕事であるかよく解ります。夫がいてさえ大変なのに、80歳を超えた

専業主婦が、自分一人で買主と熟練の不動産屋相手に自分の意思をはっきりさせて売買を成立させるの

は、ねえ、大変だわ。

もたもたうろうろ自分でもはっきりしない考えを言葉を捜しているうちに、相手のペースに巻き込まれて

「あれえ、これでいいのかなあ。これで決まっちゃうの?」などと動きを追いかけているうちに交渉成立してし

まうと、消化不良状態で、今彼女はその渦中にあるようです。

 

自分が消化不良状態でありながら、不動産屋や買主さんに迷惑をかけない心遣いをする彼女を見ている

と、なぜ年寄りが被害に合っても被害に合ってもオレオレ詐欺にひっかかるのか、そのカラクリが見えるよう

な気がします。

だって優しいんだもの。

どんなに理屈めいて話していても「もういいから。私は歳だからなーんにもいらないから」。

行き着くところはそこ。

売るのは売るとしても、これから住む新しい住まいを探すのは、一人ではなくて私も一緒に付き合うことにしました。

 

気持ちを変えて外に出て、岩出山から一迫へとドライブ。直売所で野菜を買って、ソフトクリームを食べて、

せっかく来たのだから見学でもと、二人連れ立って老人施設へ。連れでもいないと私も見る機会がないので。

私が気に入っているこの老人施設はツーバイフオーの瀟洒な小さい2階建て。椋で張られた室内は木の香

りがして明るく、外に出れば商店も図書館も近い。90歳の叔母から老人施設探しを頼まれた時に見つけて

大層気に入り、いずれは私も、と思っていたのですが、入居のネックは介護度2以上であること。

 

彼女81歳、私74歳。車を買い替える度に、毎回これで最後かなあと思うのだけれど、今彼女が乗っている

でっかい4駆の車を見ると、やっぱり最後じゃないのかなあ、と自分の未来が描けなくなります。

何時までどうなるの?今のところは二人とも介護2にはほど遠い。

 

ともあれ、あと5年もそんな日々が続けられる保障は全くないんだから、歩いても車に乗っても動けるという

ところに家を探そう、というところで意見が一致しました。

オレオレにならぬよう二人して気を引き締めて助け合いの精神で・・。

 

家の周りの散策を終えて帰宅すると既に夕方の気配。

眠くならないうちに新聞バッグ制作に挑戦。しましたが間違う、間違う、洒落にならないくらい失敗作の山。

と、「こんにちわー」と黒田さんが寄ってくれてたすかった。

間違いから脱却した後の新聞バッグ、これだけできました。うれしい!

DSCF2276

「しっかり覚えて新聞バッグ外交してきてください」

黒田さんから言われた言葉をまもって、これから行った先で新聞バッグを教えます。自分が忘れないように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家を見に行く

5年前、海の手山の手を立ち上げた頃にしばらく一緒に活動したKさんが、現在事務局長を務めるNPOが

移住促進事業を始めたことから、退職後の田舎移住者である私は、空き屋とか田舎体験とか移住に関連

するあれこれに時折りお付き合いする機会が出てきました。

 

昨日はmichikoちゃんのマルタ共和国在住時の知り合いである香川さんが東京から見えて、

彼が運営するシェアハウスに関連するボータルサイトの話をうかがいました。名前は聞いたことが

あるけど実態は何も知らなシェアハウス。もう東京などの大都会では当たり前の暮らし方となっていて、

東北では仙台や石巻でもシェアハウスはあるんですよ、と聞いてびっくり!

へえー、そうなんだ。若い人ばかりで住むという認識ではなく、ひとつの家に年配者も若者も居住部分を

シェアして暮らすという暮し方。

おお、80歳くらいを過ぎて仕事ができなくなったらどうしよう。頭がボケてなくても行く先は老人施設くらい

しかないのか、と考えていた私は、自分の人生の最終の一歩手前くらいの居場所をひとつ見つけた

ようで心強くなりました。

 

このサイト、ハウスシェアだけではなく、仕事や暮らし方の体験などというのもあって、なかなか面白い。

しかし、30前の普通の若者がパソコンひとつ持って世界を廻って仕事をする、というようなことができる時代に

なっているんだねえ、今は、と驚いたり感心したり。

 

 

そして今日は以前から庭に咲く藤の花が見事だから「見においで、見においで」と誘ってくれる川渡の

友人宅にお邪魔しました。藤の花を観賞するだけではなく、田舎暮らしのために買った大きな家を80歳

過ぎた今、処分したいので、見たい人を連れてきて、との要望に応えて、見たい人との4人連れで。

自慢するだけあって白と紫色の花房を長く垂らした藤の花の見事なこと!

DSCF2268        住んで20年の藤。  見上げれば首が痛くなるほど高く伸びた朴、マロニエ、夏椿、などの大木。

引っ越してきて間もなくご主人を亡くし、以後一人暮しで年を重ねて、もう自分では家の手入れも庭の手入れも

出来ないから、家を売りたくないけど売りたい、という彼女の気持ちはよくわかる。5年後の私も同じようなもの

だろうから。でも見れば見るほど手入れが行き届いたお庭も家も簡単に手放すには勿体なくて、部外者の私の

ほうが彼女の潔い決断にあれこれといちゃもんつけたくなるのです。願わくば彼女の思いのこもったお庭や家を

大切にしてくださる方との出会いがありますように。

 

帰途、以前から「一人で住んでいる自宅が何かの役に立てれば嬉しいから」と家を見に来るように誘ってくださる

直売所生産者仲間のT子さんのお宅に寄ることにしました。

道の駅からもJRの駅からも歩いて数分の閑静な場所にあるT子さんのお宅は、家までの道は狭いけれど、

行き着いてみれば敷地も家も広くて大きくて、辺りの家々も同様にやたら奥行きが深い。

T子さんは70歳半ば。数ヶ月前に突如家に隣接する敷地に加工場を作り、あれよあれよというスピードで

惣菜の許可をとって道の駅にご飯ものを出荷し始めた気骨のある方です。

機会があって加工場は見せて頂きましたが、家はまだ。

「26畳あるから何かの時に使って」と見せられたお部屋は、お庭に面したお座敷が3つきれいに整えられて

いて、お布団もお膳や食器の用意もある。飲食の許可もとりました、とのこと。

 

それこそ移住を希望して一度町を観てみたい、という方々にとっては安心できる有難い休憩場所です。

T子さんのようなこの町で生まれ育った年配女性の案内や説明があったらさらに親しんでもらえると思う。

何より70歳を超えて生産者を始め、さらにいずれは私はできなくなるから、加工場や家を地域や社会のために

使ってほしい、と言われるその考え方、心意気に敬服します。

 

いいもの見せてもらって楽しい1日でした。

睡蓮が咲いてました。

DSCF2265