『みず』

1年に1回仲間で出している同人誌です。
22号なので、22年間出し続けている、ということになります。
22年間というのは、ほんとに長い年月です。この同人誌に書いている仲間の数は、それぞれにその当時の
事情があるので、だいたい20数名というところだったのですが、近年は病気になったり、亡くなったりということも
起きてきたので20名がやっとになりました。

私たちの先生は作家の高田宏先生。
高田先生は、歴史、樹、島、雪、旅などの、自然や猫をテーマに100冊のご本を書かれている、随筆家であり作家です。初めてお会いした頃は、まだ50歳くらい。潔癖で、厳しくて、激しくて、そしてほんとに心優しい、文章の指導
というよりも、生きる姿勢を毎回伝えてくださっているような講義をしていただいてました。

仲間はいろいろに変転する人生の半ばの途上で、私や親しい友人ITやTHのように首都圏から田舎暮らしを実現
した者。同じ志を持ちながら実行直前に余命2か月を宣告され、新しい田舎の家には一度も住まず、まっすぐ
ホスピスに入って、写真、花、戒名、全ての旅立ちの支度をして、一切の泣き言を言わず、きちんと2か月で逝った
仲間のS。40代半ばで過酷な修行に耐え、得度して尼になり、病に伏す人に心を寄せた仲間H。ご主人と夫を亡くした後、トラピストに入り、苦しむ人々のために常に祈りを捧げ続けてくれている仲間G。

こうして一人一人の顔を思い浮かべるだけでも、なんと、自分の人生を自分で選んで歩んでいる人たちだろうかと
感銘をうけます。
かくべつ何かを深く考えて高田教室に入ったわけではないんです。たまたま入ったカルチャセンターの1教室であっただけなんです。でも高田先生、そしてこの『みず』の仲間との出会いは、私の人生に根底から影響を与えました。

もうみんな歳をとってしまったけれど、この『みず』の仲間で、尾瀬沼を旅したことがあるんですよ。なんと、私が引率しました。尾瀬小屋一泊。山歩きなんかしたことない都会派奥様揃いで、私は不安で自分のザックの中にガスや食料を詰め込んで持ち歩き、帰りの電車で死んだように疲れ果てていたことを思い出します。

それから性懲りもなく南アルプスの近くにある櫛形山にみんなでアヤメを見に登ったことがあります。その時も私が
言い出して引率したんだと思うけど、一体何考えてたんだろうと、自分でも思いますよ。

皇居の北の丸公園に樹木を見に行ったこともあるし、埼玉県幸手の権現堂堤の桜を見に行ったこともある。
高田先生の御子息の猫のイラストの個展を見に北八ヶ岳にも行きました。
『みず』のことを一度だけ書いておこうと思って書きはじめたら、もう忘れてしまっていた、宝石のような思い出を
ひとつ、またひとつ、と思い出しました。ほんとうに懐かしい。

 

明後日は『みず』発刊後の恒例の打ち上げです。毎年渋谷東急プラザの料理屋で食事をします。ずーっと同じ。
昨年は大震災後で、新幹線が動かないのもあるけど、東京へ行く、という気持ちがどうしても動きませんでした。
宮城から遠くに行きたくなかった。

ただね、ここが難しいんですけど、みんなには会いたい。でも震災後は私の感覚が東北被災後感覚になってしまって、東京の日常が私の日常感覚にならないのがちょっとつらい。
つまり、日常ではどんなことが話題になっていたのか、現在なっているのか解からなくなってしまってるんです。
今私、普通のところの普通の話、してないもの。困ったー!

それでも東急プラザの「いらか」に先生のお席がある間は、ボケないようにして『みず』を続けたいと思ってます。
お読みになりたい方、少しなら余裕あります。ご連絡ください。omochi@uminote-yamanote.net

 

 

 

『みず』” への4件のコメント

  1. 「みず22号」読ませていただきました。感性・知性溢れる方々がメンバーであることは想像できます。文章を書く仲間っていいものなのですね。文章を書くということはうわべだけでないお付き合いになりますものね。

    1. 昔、高田先生は、人に褒められたい文章を書こうとしたり、書いた文章を投稿したり、することに対して
      非常に厳しく戒められました。「僕の教室には来ないでください。辞めてください」とはっきり仰ってました。
      その時には解からなかったけど、今は先生が仰っていたことがよくわかります。
      「自分のために文章を書きなさい」そうおっしゃっていたのだと。

    1. エボラボさんに提言。面白く活動することは必要だけど、まず、理念の共有。そして情報の共有。
      もうひとつあったけど、度忘れしました。4月3日には是非練ってください。わたしも傍聴します。

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