お盆に間に合わなかった小菊がようやくポツポツと蕾を開き始めた。花栽培
を始めて20年近くになるのに、菊は病気をし易いという印象が強くて、作りたい
と思ったことがなかった。ところがこの震災で、亡くなった方に手向けるために
菊を作らなければならないと何故か思ってしまったのだった。
うちで作った菊なのに、菊の畑に行くと物珍しくて離れられない。震災後に被災
した茨城からの苗と、県の農業普及センターにお願いして手配してもらった、
津波で流された志津川の菊の残り苗などで合わせて3000本。病気もせず虫
もつかず私の背丈よりも大きく育っている。
菊に合わせて作ったアスター、赤とピンクの真ん丸い玉のセンニチコウも今が
花の盛りで、これから10月末まで、毎日毎日夕方には花の畑に出て花を切る
日々が始まる。
それにしても思い立ったのが震災から半月ほどたった3月末で、菊の苗は
届かず、余震は続き、畑を耕すのもままならない状況の中で、ようやく届いた
苗を遅れに遅れて植えつけた菊なのだが、たまたま梅見の会で知り合った
南三陸の小野寺さんのご指導の下で、こんなに立派に育ったこと、有難く
感謝している。
明後日はまた南三陸へ行きます。菊をたくさん切って持って行こうと思ってます。