「怖い」って、何がこわいんだろう?

半分くらい復活してきました。ありがたいことにインフルエンザではありませんでした。

今日はいい天気。どこまで続くのか信用できないけど、今は真っ青な空。窓から見える立木の枝にちっちゃな鳥がたくさん飛び回ってます。ちっちゃいからツツピー、ツツピーと囀るガラ類ですね。

この2日、熱も高かったので、頭がボーっとしながらも考えていたのですが、「怖い」ってなんだろう、ということ。

病院に行った帰りに事務所に寄りました。と、地震!
事務所の玄関の棚に置かれたオリヅルランの鉢植えがブルブルブルブルと揺れて動きます。
「え、どこどこどこーッ」と大慌ての南相馬から避難中のKMさん。「子供大丈夫かあ」と心配で電話をかけようにも
借り上げ住宅には電話がありません。千葉だったか、八戸だったか、地震があまりに多いので忘れてしまったけれど、震源の深さが10キロと知って、「ダメだ、10キロで5強だったら壊れるわ。津波が来るよ」
震度5くらいではビクつかなくなっている私たちは、まるで地震専門家のように判断します。

新宿高島屋で催事をやっている時に、地震、津波のことを聞きたくて話に来られたお客様が何人もいました。
で、お客様がたが、大体同じようにおっしゃるのは「首都圏にも地震が来そうなので怖い」ということ。

怖いんですよねえ。地震は。5や6くらいは怖くないけど7は怖い。5、とか6の被害は何度も見て想定できるけど、7は想定できないところが怖い。

でも経験してみて初めてわかるのですが、命さえ守れれば物が壊れるとか家が壊れるとかは修復できます。必ず。
私のうちの食器類は栗原の震度6強の(栗駒山の一部が無くなった地震です)地震と311の地震で9割方割れました。それもただ割れるんじゃなくて、砂糖まみれ、塩まみれ、粉まみれ。グッチャグッチャで私はライフラインが断たれて寒いのもあって、4、5日見てみぬふりをしておりました。どうせラーメンしか食べていなかったから。
その壊れっぷりにあきれ返って、もう、「知らん!」と思ってました。

それからまったく物を買いたくなくなりました。ほんとに買いたくない。片づけるのが嫌だから。

私が移住するきっかけを作ってくれた同じ町の森の中に住む同郷の友人宅を訪ねてみました。
好きで集めた高価なガラス類が粉まみれでバラバラ。「こんなに集めて私は何をやってたんだろうねえ」と友人が
述懐しました。

私たちは、あまりのことに物を増やす意欲をなくしましたが、そんなことは修復可能です。
怖いのは今の東北のように社会が壊滅状態になることです。
東北とは違って給料をもらって生活する人口がほとんどの首都圏で、職場が機能しなくなったら、壊れたビルや鉄道や首都高速やコンクリートでできたあれだけ多くの建物がガレキとして出現したら、どうなるのだろう、と東北に
住んで、震度7を経験してみて、ほんとにそう思います。

大きい地震というのは、どのくらいの年月で復旧できるのだろう、長引けば長引くほど人の心の復興も遅くなります。
地震の「怖さ」というのは、そんなところにある、と私は思いつつ、東京には地震が来ないほうがいいなあ、と願っています。そうなったら、ほんとにもう、「日本再生」だからね。

映画みたいだけど、東北の大震災を経験すれば映画みたいとも言っていられない。
「風化」なんてとんでもないと思いますよ。これから起こるかもしれないんだから。

 

 

 

 

「怖い」って、何がこわいんだろう?” への2件のコメント

  1. 関東圏に大地震が発生することは万が一と思いたいところですが、どうもそうでは無い状況のようですね。東北地方とは人口密度も産業の集積も桁違いのところですから被害の予測は・・・あまり想像したくありませんけど、そんなことは言っていられない。

    一か所への集中は平常時には効率的だけど、危機管理から言うと全くなっていないことになります。「分散する」「長い目で考える」という発想の転換が必要?でも、これではよその国との競争力が無くなる?

    1. 分散するったて間に合わない。危機管理の準備も間に合わない、という状況のようで、とりあえず、今からそん時はどうするかと
      考えて、長い目で復興するしかないでしょう。日本全体で。よその国との競合なん、て起こればできっこないですから。
      おばさん二人でこんなSF的恐ろしいことを話しているけど、これが仮想の話だったらほんとにいいと思いますよ。
      どうも前代未聞の1000年に1度の経験をしてしまうと、芯から恐ろしいと思いますよね。
      南三陸町志津川に1軒だけ流されなかったホテル観洋というホテルがあり、そこの売店の壁に津波被災者の方が書いた5行歌と
      いうのが掲げてあります。
      やめて、やめて、と津波に叫びながら、逃げる
      広報の、警報を、呼びかけていた女性の、声が途切れる
      まざまざとその恐ろしさを悲惨さを表す歌です。工藤真由美さん作。私は初めて見た時、衝撃を受けて目が離せませんでした。
      みんな知らなきゃいけないことがいっぱいあると思いますよ。やめて、やめて、と私も言ったけど止まらなかったもの。

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