私の3月11日。思い出す日

今日2015年3月11日は昨日から雪。朝目覚めて外を見ると20センチくらいの積雪。寒い朝。

4年前のこの日、雪が降っていたのか忘れてしまったけれど、テレビの映像のどの場面にも降りしきる雪が

映っているので、こんなに寒い日だったのかとぞっとする。

 

あの時古川で、揺れが始まってすぐ飛び出したビルから道路を這って街路樹にたどり着き、木にしがみついて右に

左にバウンドするように揺られ、揺れが少し間遠になってから震える手を抑えつけて車に乗りました。隆起し陥没し

パックリと口をあけた道路をどうにかこうにか家まで帰って、すぐさまこれから来るだろう水なし電気なしの生活に

備えて動きまわりました。

 

灯油200リッタータンクに満杯で2個。私の車のガソリンは満タン。プロパンガスが娘の家と私の家とお餅工房のと

で合わせて6本。あと、畑の家から持ち出した古い反射式ストーブが3台。ハウス用の七輪2個と使い残しの練炭

豆炭。それがうちにあったものの全部。最後に近所の雑貨屋さんに行って、ありったけの食料を買い込んで家に

戻ったところで時間切れ。

 

昔何かでもらった精度の悪いラジオをしがみつくように頼りにして、電気、水なしの日々を過ごし、8日目の夜

遅く、遠くに見える田んぼ脇の外灯に灯りが灯ってるのを見つけて、「電気がきたんだ」と気づきました。まず最初に

当たり前のようにテレビをつけ、そこで初めて見た沿岸部の映像に驚愕!

ラジオでその断片を聞いたような気はしてました。アナウンサーが泣いていた。ひと晩中しゃべり続けて、滑舌が

悪くとても疲れているらしいこともわかった。でもこの状況はかけらも想像しなかった。荒浜の200の遺体とは何

だろう。収容できないとはなんのことだ?私と同じように、訳がわからんと思っていた人は大勢いたのではないか

と思います。

 

それからは毎日毎日テレビを見ては新聞を読んでは泣いてた。泣きながら祈り、「みんなを救けて、救けて」

と手を合わせ、水を探し歩き、何もしないときは寒さしのぎに布団に入って懸命に小さなラジオにしがみついてた。

古川で災害用の放送が始まった時は嬉しかった。私たちのように山合いで散らばって住んでいる者にとっては、

情報がどれほど人の心を安心させるかを知った。

災害の中で人は、やっぱり情報を断ち切られて孤独でいるのは怖いのです。

 

あの時のことを思い出すとやっぱり泣けてきます。外側の何が変わろうと心の中は変わっていない。

海から離れたところにいる私でさえそうだもの。海辺に住んであの日傷ついた人々の心は、今日この日1日、あの時

に戻って日頃胸底に抑えていた涙があふれるでしょう。

今日311はそんな日。忘れかけている記憶を辿ってその日1日のことを思い出す日。

 

倉本先生が、原発事故の悲劇を風化させないために一生懸命に書かれたという舞台「ノクターン~夜想曲」を見て

思いました。劇を見れば、私の心もその日に戻ります。周りですすり泣いている方たちも、同じだと思う。

風化をさせないって、そういうことなんだ、と思いました。

 

縁あって、鳴子温泉に2次避難で来られた沿岸部の方々と知り合いになったことから、「あるもので、残っているもの

で仕事を作りましょうよ」と一緒に行動を始め紆余曲折を経て新聞バッグを作るようになりました。

それから4年近く。作った新聞バッグは5万枚にも6万枚にもなって、たくさんの心ある方々とお知り合いになりました。

4回目の311を迎えて、お電話やメールを頂き、嬉しく感謝しています。

今新しく知り合う方から、海山さんは「どんなお仕事をしているの?」「どんなことをやってきたの?」

と質問を受けてももう簡単には答えられません。なぜかというと、海山の新聞バッグ作りは、広く深い人と人との

関わりから生まれた仕事なので、事情が込み入り錯綜し過ぎてどう話したらいいのかわからないのです。

 

幸せな仕事だと思います。よっちゃんが日々唱える「手仕事で復興」を原点にして揺らがず、、またこれから一年、

出会った方とのご縁を大切に育んで新聞バッグを作り、新聞バッグマルシェにつなげましょう。

 

今日で3日間雪が降り続いています。まだ止まない。

そしてこの3日、私はストーブの傍でオトーサンのところへ旅立とうとするチビを見まもっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕事だったから。

今4年経って思う正直な感想は、「なーんにも終わっちゃいない!」

海山の中だけでもなーんにも終わってません。大震災に関連して、毎日のように新しい何かが起こり、新しい誰かと

出会う。

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