311を前にして

春でーす! 田んぼの白鳥。ドロンコの白鳥。

雪はこれだけ溶けました。

昨年は大震災の前の湿った大雪で、ハウスが潰れ、その後大震災が起こりました。電気もガスも全てが止まった
中で、農場の家の猫の餌やりに往復2時間歩いてましたが、あの時も雪道だったなあ。その時はまだ田んぼに白鳥
はいました。我に返った時には、白鳥はいなくなっていました。

大震災で何もかも滅茶滅茶になって、もう何にも来ないのかなあと、思っていたら、道の駅にいつもと同じ時期に
ツバメが現れました。ああ、鳥は関係ないのか、と思って嬉しかったし、大震災の最中に北へ戻って行った白鳥や
雁が10月半ばに飛来した時も、よかった!、戻って来るんだ、と嬉しかった。

鳥はいつもと同じだけれど、人間のほうは大変です。311を前にしてこのところのテレビは、あの日から1年の番組が満載。朝から、夜までそればかりだと、なんだか見るのが嫌になるというのか、切なくなるというのか。
これだけ復興しましたという被災者の笑顔はまあいいのですが、テレビの報道番組での復興討論などを見ると、ピントが外れているというのか、基礎的認識が間違っているというのか、がっかりを通り越して絶望したくなります。

違うよー。討論するのだったら、しばらくこっちに住んでみてから言ったほうがいいよー、と言いたくなってしまう。

大震災から1年。この2、3日の新聞の一面の見出しです。

「農地 津波浸水2万ヘクタール超」
塩害や地盤沈下で大変な困難を伴いながら復旧は進んでいますが、原発周辺は先が読めません。
「見えぬ出口 復興阻む。ガレキ処理3県の進行率5.6%」
ガレキの持って行き場がないので復興が進みません。石巻の要解体家屋は今でも約2万棟。解体しても持って行き場がないので、倒れかかったまま、空洞化したまま建ってます。
「人口流動 深刻な転出超過。自治体存続の危機も」説明の必要がないような見出しです。

未だこういう状況の中で、「風化した」とか「復興が進んだ」とかと言われても、よそのことのようです。

 

昨日、南三陸の海の手Sさんから
「新わかめできたよー。食べてみて」と電話がありました。みんなで元避難していた鳴子温泉の旅館に一泊で来ている。明日朝、道の駅まで持ってくよ、ということだったので、朝、もらいに行きました。前、志津川のウジエスーパーで働いていたMちゃんも一緒だった。全員支援品の服を来ていた時とは違って、元気でお洒落で素敵でした。

これが新わかめ。柔らかくて肉厚で美味しいと評判だったわかめです。

しかし、値段が高い!去年の2、3倍。少ないわかめにたくさんの人手がかかっていると思うと、値段は
高いほうが理に適っているのだけれど、「売れるかねえ?」と苦笑いのSさん。

もうしばらくしてたくさん採れるようになったらもう少しは値段が下がるかも。
でも売れます!おいしいから高くったって売れる。
みなさん復活した志津川のわかめです。ちょっと高いけど、どうぞ食べて見てくださいね。

 

 

 

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