キャンベル先生と「読もう」第4回

     キャンベル先生とのご縁は、私たち「海の手山の手ネットワーク」の活動理念であ

     る「宮城、東北の復興なくして日本の再生はなし」「海の手山の手ネットワークは知

     恵と工夫でお互いの『手』を活かします!」という言葉をきちんとした英語に翻訳し

     てほしくて、たまたま鳴子温泉でキャンベル先生の「読もう」という文学講座が開か

     れるのを知って出かけていったのが最初です。

     テレビを見ないので、ロバート・キャンベルさんがどういう方なのかそれまで知り

     ませんでした。東京大学の教授だということは「読もう」のポスターで知ったけど、

     ただ講座で使われる本が、織田作之助の「蛍」とあったので、ずいぶん渋い本

     が選ばれるんだなと興味を持ちました。

     第1回目の自己紹介の時、先生の横に座った私は自己紹介より何より「翻訳

     して頂きたくて来ました」と目的を告げ、先生に「あつかましいですね」と言われ

     ながらも講座が終わった後、お帰りの電車の時刻までの短い時間に無理無理

     お願いして翻訳をして頂いたのでした。お礼と言っても何もないので、毎朝作る

     道の駅での販売用のあんこのお餅と切り餅を差し出し、でも先生のお荷物の

     重そうなのに驚いて引っ込めようとしたら、「いや、いいです。いいです。持って   

     帰ります」と言って受け取ってくださったのだけど重かっただろうと思います。

     私は必死だったけど、主催者の方々は迷惑そうでした。その時先生が「翻訳

     しましたから全部の講座に出てくださいね」と仰ったので、いや、これはもう何が

     何でも10月の最終講座まで出よう」と決めました。

     その4回目の今日は、午前中は中学生や希望参加者と共に鳴子、中山平の

     奥の細道を歩こう、というプログラムでその後は鳴子中学校での放談、そして

     3時からのいつものブッククラブという順序。もの凄く暑くてどれかひとつというくら   

     いしか参加できないので、放談に行きました。鳴子中学校に行くのは初めてです。

     明るく開放的でまるで外国の学校のような素敵な校舎でした。全校生徒を前に

     してのお話で先生の放談は終わり。

     その後、先生にお会いしたら、先生のお顔がヘンです。青い。ほっぺたが赤い。

     目が潤んで見える。「先生、具合が悪いんですか?」

     なんと、先生は昨日、発熱39度で鳴子に見えたのだそうです。

     「えーッ、この暑いのに、歩いたんですか」

     「いえ、ぼく、車の中に大体いましたけど」

     今も38度の熱がある身体で次のブッククラブの会場高橋亭に向かわれました。

     なんと責任感の強い方でしょう。

     まだ4回しかお目にかかっていないのですが、日本文学において大変博識な

     方であるのと同時に、自分以外の人への尊重において際立って謙虚な方だと

     感じます。あつかましくも翻訳をお願いしに行ったのですが、今では出会いに

     感謝しています。お話を聞くのが楽しみです。

     

     

     

    

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