ドーン先生からの手紙

以前に大分県の風神雷神という喫茶店を経営なさっているIさんから、「私の東北」という名の寄付金を
頂いたことがあります。

「私の東北」とはなんだろう?と考えてみたのですが答えが見つからず、失礼とは思いながらも
「私の東北」とはどういう意味ですか?とお訊ねしました。

「昨年の東北大震災の時には所持していた絵を全て売って支援のお金を作った。
今年はもう売る物がないので、全介護の息子さんがデイサービスに行く日に開く喫茶店の売り上げを
1週間蓄えたお金を寄付金として贈りたい」という説明を頂きました。

そんな貴重なお金を海山ネットのどこに遣ったらいいのか。考えあぐねている時に、そうだ、と思いだした
ことがあります。震災後まもない、5月か6月くらいのこと。ロスアンゼルス在住の私の従妹を通じて、サンデイエゴ
にあるマウントカーネル高校の生徒たちが自主的に作ったという、ガンバレ日本、ガンバレ日本という応援
メッセージの動画が校長先生から送られてきました。ドーンさんという方です。

 

新聞に書いてもらったりはしましたが、まだきちんとしたお礼はしていません。
「私の東北」のお金をマウントカーネルの子供たちや先生方に、日本全体からのお礼として遣わせて
頂こうと思いました。私たちは支援してくださる方々に、有難うの言葉は常々言いますが、何かを送ったりする
ことはまだできません。

 

そう心に決めてから、報道写真集など、今の東北、被災の前の美しい東北のことがわかるもの、写真や絵、
そして海山ネットの新聞バッグや私の手拭いやよっちゃんなんばんなど、大きな荷物にしてドーン先生に送りました。

 

それからだいぶ日にちが経ちます。

 

1週間ほど前、サンディエゴ在住の30年ほど前に姫路からアメリカに留学してそのまま結婚してアメリカに留まった
というKさんという女性からお手紙が来ました。そのお手紙によると、ドーン先生が出された手紙が一度日本まで
来て、宛先不明でまたアメリカまで戻ってしまった。ドーン先生は「本当に申し訳ない」と大変恐縮されてタイラー君
という息子さんを通じて、日本に手紙を書いてくれるようにとKさんに依頼がきたそうなのでした。

 

お手紙には全校生徒たちがどれほど自主的に日本への応援動画を作ったか、短い間にたくさんの寄付金を集めた
かなど、動画では読み取れなかったことがたくさん書かれていました。
そしてドーン先生からは、日本からのお礼のプレゼントを生徒たちがどれほど喜んだことか、その様子を写真に
撮ったので送ります、とあります。

 

風神雷神のIさんに喜んでいただけるかどうか。
再度頭を振り絞って、Kさんとドーン先生にお手紙を書き、まだ送り残したものもあるので、これから
アメリカの子供たちや先生方との小さい小さい交流を深めたいと思っています。

 

 

 

 

ドーン先生からの手紙” への2件のコメント

  1. ご無沙汰しています。
    我妻さんからメールいただき今読ませていただきました。
    う~ん、ありがたいです。こういう使い方をされて恐縮です。
    なんて表現していいのやら・・・。他を思う心・・・。
    こうしてまわりまわりストンと行き着くところが出来るのでしょうか。ありがとうございます。
    私も両親(主人)私の母親と気になる親たちで、なかなかいろんなことを考えることができません。今は何も出来ませんが、いつの思っているのは、まだ16万人の方々が避難生活を送ってらっしゃること、すべてを失いながらもたんたんと生活しておられる方々、忘れてはならないと・・・。
    どうぞ、寒さの中皆さん元気でいてください。お祈りします。

    1. お元気ですか。あの節はありがとうございました。考えてこんな形でお気持ちを遣わせていただきました。
      トモダチ作戦初め、アメリカの方たちばかりではなく、世界中の人々に援けて頂いて、「本当に有難うございました」
      と感謝の心を伝えたいのは、東北に住む者の共通した心だと思います。でもまだなかなか自分の身辺を回復させるのに
      懸命で援けていただいた方々にお返しができるような状況に至っていません。
      もうすぐお正月。私もまた孫たちにクリスマスの贈り物を選ぶ時、贈る相手を亡くされた方々を想います。
      どうぞお元気でお過ごしください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA