元の生活に戻ろう

一昨日うかがった東北ろっけんぱーく。                                           今度の日曜日に、海山ネット代表のよっちゃんが新聞バッグを持っていくというので、             急遽他の用事を取りやめて事務所に向かいました。

新聞バッグは新聞バッグだけで販売するのではなく、私たちの思いをこめたカードやタグを小さく
作り上げて、取っ手に吊るしています。それを作りにいきました。

今日は事務局のKJは不在。事務所にいるのはNPOのスタッフ二人と、海の手山の手ネット事務の
chieちゃんと私についてきたうちの娘とあやさん。                                    NPO法人大崎地域創造研究会の事務所に、海の手山の手ネットワークという自営業3人が集まった     任意団体が一緒にいさせてもらっているので,時々海山ネットもNPOと間違われたりします。

海山ネットはNPOではなく、ただの3人の個人の集まりです。

あやさんは昨年の3月12日に南相馬を出て以来鳴子温泉で避難生活をしている海の手山の手の
ベテラン新聞バッグインストラクターであり、私たち山の手からすると彼女は海の手さんです。
あやさんのご主人と長男は南相馬、次男は新潟、あやさんと娘のakariちゃんは鳴子温泉で暮らしています。生活を支えるために午前と午後ふたつの仕事を持ち、時間がある限りで新聞バッグを折ってくれてます。

私が感心するのは、彼女の暗い顔を見たことがないこと。全く自分に非がない理由のために自宅に
帰れなくなり、家族離散の生活を余儀なくされ、その生活を支えるために働ける限り働かなきゃならない
日々であるにも関わらず、いつも明るく前向きで面白い。そのうえに仕事は確実。研究熱心で新しい
アイデアで新聞バッグを開発します。「こういう人こそカッコイイイというんじゃないかなあ」と私は       あやさんのことを思っています。

あやさんと娘との午後のひと時、あやさんはこう言ったそうです。
「時々南相馬に変ってみんなに会うと、私だけのうのうと暮らしてほんとに申し訳ないなあ、と思う」と。
私も福島の人と会ったり、話を聞いたりすると、置かれている環境がほんとにお気の毒で、なんとも
いえない気持ちになります。

でも何にもできないので「東京での原発再稼働反対のデモに行きたい。けれどお金がないので行けない」と娘に言ったったそうです。「私も行きたい。でもお金がないからいけないね」と娘も言ってました。

いつも元気なあやさんの心の中には、子供のためとは言いながら自分だけ避難してきているという
負い目があるのでしょう。

「原発はいらないよ。元の生活にもどろう」
あやさんが最後に言いました。

元の生活に戻ろう。                                                       原発の前の生活に、事故の前の生活に。時間がかかっていいからそうしたいものです。

 

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