宮城県旧花山村（現在は栗原市になっています）のGさんから、夏花壇に植えるマリーゴールドを１０００個くらい
ありませんか、と問い合わせがきました。

今年は昨年と違って集落の自治が変わり、夏花壇の苗の準備をするつもりはなかったのですが、突然必要となったので２０００ポットくらいの苗の準備はしています。
久しぶりに聞くGさんの名。まだ苗は小さくて花も咲いていないのですが、ああ、「持って行きたい」と思いました。

納期は６月１２日。　なんだか感無量です。Gさんはなんにも思ってないと思いますが。

平成２０年６月１４日、宮城県北部の栗駒山の麓にある花山村に震度６強の地震が起こりました。花山村は山深い
村落で、貫通する国道３９８号線を栗駒山方向に向かえば、途中に温湯番所（昔の関所です）があります。お隣は
温湯温泉。そこからうねうねと続くカーブの山道を４０分ほど走れば秋田県に抜け、途中から山の方向に行けば栗駒山の古い温泉場須川温泉に出ます。

新緑や全山紅葉の栗駒山を年に２、３度は見に行く私たちにとって、花山村は必ず通るなじみ深い村落です。

地震が起こった２日前の１２日（いやだ、また１２日じゃないですか。今気が付きました）、私は道の駅で知り合った
Gさんに頼まれて、夏花壇用のマリーゴールドの苗をやっぱり１０００本くらい納め、代金までもらって帰ってきたの
でした。

その２日後の巨大地震。栗駒山の一部は大崩落で無くなり、温泉ごと人は埋まり、国道３９８号線は被害の全体が
掌握できないほどの大崩落で通行止めとなり、私が花を届けたGさんの消息はわからなくなってしまいました。
届けた花は植えるどころじゃなくなったでしょう。お金なんかもらうんじゃなかった、と後悔しました。地震なんだからと
思っても、やっぱり後悔しました。

その地震のために栗駒山山麓にある温泉は全て営業ができなくなり、３９８号線のどん詰まりになった花山村には観光客がめっきり減ってしまいました。その頃、私たちの道の駅から生産者の支援の野菜をワゴン車に積んで花山村の道の駅、自然薯の館まで応援販売に出向いたことがあります。

出張販売にはベテランのよっちゃんが、よっちゃん流の口上で売りまくり、短時間のうちに持っていった野菜を完売してその売上代金を寄付させていただくことができましたが、その時にテントの中でお客様にお蕎麦を作って振る舞うGさんに再会しました。もうほんとにお元気そうで気丈で、安心しました。

Gさんからご注文をいただいたのは嬉しいのですが、同じ１２日というのが・・・ねえ。
でももう大きいのが２回も起きたんだからもう来ないよねえ。
森林を拓き、新しい道を作って修復を終えるまでに３９８号線は２年３か月かかりました。

今年は花山村は（今はそんな村はないわけですが）栗駒山の雪が多くて３９８号線の除雪が間に合わず、ゴールデンウイークの時までに道路が開かなかったのです。そんなこと、私がここに住み始めてから初めてです。
その上に放射能で山菜は売れないし。

もうほんとに災厄続きで大変だと思います。
１２日にはマリーゴールドだけではなく、ナスタチュームもベゴニアもおまけに持って行って盛大に植えていただこうと
思ってます。

地震はもう来ません！！