お金を落としに

「今度バス7台で被災地へいきますからねえ」
東京の知り合いから言われて、その日にちが今日だか明日だかわからなくなり、確認の電話。
でももう出たみたいで電話に出ません。携帯番号は知らないし・・・。

そこで思いついて宿泊先のホテルに電話。流されなかったホテルはひとつだけなので間違いようがありません。
電話に出たホテルの人から「昨日でした」と言われてあらァ。会いに行くと言ったのに、申し訳ないことをしました。

間違いないですか?たくさんの団体でお金を落としに行く、と言ってましたけど。
間違いないですね。宴会でもお金を落としに来た、と仰ってましたから。
今日は?
仮設商店街に行って帰られるようですが・・・・・。
お金を落としに?

なんとなくシーンとしてしまいました。
まあ、お金は遣わないより遣って頂いたほうがいいのだろうけれど、正面きって「お金を落としに来た」と言われると、なんとなく胸がザワめくような、お金を恵みに来てもらったような。憮然たるおもいがします。
普通に旅行に来たとか、観光に来たとか、被災地を見に、でもいいから、言われたい気がする。結果として
同じかもしれないけど、まあこっちの人間の感覚で言えばね。

先日菊苗を受け取りに南三陸の菊の師匠のところへ行った時、師匠が菊栽培の再生のために新しく借りて耕した
高台の菊畑を見て驚きました。緑の木々に囲まれた広々とした農地が広がっていて、おばあさんが一人、夕暮れ時の日差しを浴びてまるで畳に座っているように土の上に座ってました。

新聞バッグを折ってくれている別の仮設のサオちゃんのところもそう。森閑とした鬱蒼とした樹木に囲まれて「海はどこにあるの」という感じです。仮設ではない家の作りは漁師さんの家そのものなのに。海まで5分ですって。

海べりは津波で洗われてしまったけれど、まだ南三陸にも本吉にも美しいところはたくさんあります。
北上川は満々と水をたたえて蛇行して流れる大河です。
鳴子温泉郷の新緑の美しさは格別です。うちの周りもそうですが、ぜーんぶ戻り色ではなくて黄緑色。
そして山々は浅かったり濃かったりの緑色のパッチワークのようです。

次に来た時にはそういうところも見てほしい。
と書いたけど、本音はやっぱりたくさんの人に東北に来てもらって、復興が遅々として進まない沿岸被災地の様子、
仮設住宅のみなさんの暮らし、テレビで見るとは違う現地の「やっぱりこれでは大変だわ」と思わせられる現状
などをツアーでも個人旅行でもいいから来てほしい、ということですね。

ごめんなさい。日を間違えて会いに行けなくて。また東北に来てくださいね。

 

 

お金を落としに” への2件のコメント

  1. 被災地を見にとか観光にとかいう感覚で東北を訪れるのは失礼なことなのでは、という気持ちがメンタルブロックになって被災地へ行くことをためらう人が多かったの。

    そんなこともあって、それでは逆に復興の妨げになるということで「ぜひ東北に観光に来てください。お金を落としていってください。被災地域を見てください。それが復興につながります」っとそちらの観光関係(官民共に)の方がTVでPRしていました。そんなこともあっての「お金を落としに」発言だったのでしょう。

    被災地側からの発信はこれからも続けてください。言葉にして言ってもらわないと分からないですから。「お金を落としに」この言葉が心に引っかからなくなる日が早く訪れますように。

    1. ご意見ありがとうございます。お金を落として頂いて注文つけるのもどうかと思うのですが、「お金を落としにきたのよ」と言われて
      「ありがとう」と素直に言えるのは、やはり少し心に余裕がなければ受け止めづらいかもしれない。ミサンガなどの支援事業も今年
      3月で終わったところも多いし、狭い仮設住宅で先の見通しがなくお仕事もない状況ではなかなか余裕はできにくいと思うので
      たくさんの方々に被災地を見に来ていただいて感覚の違いがお互いにわかって埋まるとよいですね。

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