仕事と病の関係

今日は終日の雨。

うちは半分お餅屋ですが(あと半分は花作り屋)、そのお餅は夫が主体になって作っています。
もともとは食べることが好きで、なかでもお餅が大好き。
子供の頃からお餅をたくさん食べていたようですが、東京の大学を出てからそのままずーっと東京の会社で働き、
定年退職をした後、来たこともない東北の田舎に住みついて日々お餅を搗く生活をすることになろうなんて
想像もしなかったに違いありません。

たまたま道の駅が近くにできたからそういうことになったのですが。
定年退職後の田舎暮らしの土地選びには、そういうことも考慮に入れれば、また違った退職後の人生が始まる
のかもしれませんね。

お餅つき自体は面白くもないかもしれないけれど、新しい商品を考える時は熱心です。
あんころ餅を作り始めた時、最初に小豆を煮たのは私ですが、そのうち習い覚えた夫の専門仕事となり、毎日
砂糖を1グラム単位で増やしてみたり減らしてみたり、塩加減を変えたり、餡子作りにそれは集中しました。

そこは男の仕事で、ガスの火加減さえ丁度というのがあるらしく、「まあいいんじゃない、適当で」という私的     おばさん的仕事の流儀とは激しく意見が対立します。

餅のバリエーションは青豆餅だとか黒豆餅だとか、ごま餅、蓬餅といろいろありますが、その豆も適当に増やしたり
減らしたりすると中に入れる塩とか水とかにも影響するからダメ、ということで、まあー、めんどうくさいことだと思いつつもそういうもんかと納得。

そのお餅の仕事人の夫が来週がんの手術で入院することになりました。3度目です。
この半年間抗がん剤治療を受けてきましたが、生活の中心がお餅つきの仕事にあるということには変わりがなく
お薬投与後の2、3日は、具合の悪い日もありましたが、お餅つきを休んだことは一度もありません。

お餅つきに合わせての抗がん剤治療というようなもので、ちょっとでも病院で手間取るとお米を洗う心配をしていましたから、自分のがんのことばかり考えるという精神状態ではなかったと思います。

ともあれ夫の入院中はお餅つきは私の仕事です。

砂糖も豆もヨモギも覚えられないからメモに書いてね、アラレ用のお餅はできるだけたくさん搗いておいてね、と
患者さん相手に私はお願いごとばかりしていますが、前回や前々回の時の入院時はほんとにわからないことだらけで焦りました。目に見えることばかり気にしていて、肝心の基本のところの米とか水とかを聞いていなかったりするのですよ。基本がわからなかったら、全部パーだからね。

なんかちょっと緊張してきてます。今回は携帯電話持っていってもらって、メールを教えようかしら。

まだまだ新商品開発に意欲がある夫は、家で仕事が待っている。美味しいお餅をお客様が待っていると思えば
きっと気力でがんばって、手術を乗り越えるだろう、と期待してます。

今日は蓬を煮た後の片手での丁度良い絞り方、というのを教えてもらったけれど、そんなの覚えられないよ。
大体蓬を煮て色の丁度よさを目でわかれ、とかアラレ用の餅の渇き具合を目でわかれとか言ったってねえ。
そんなの勘なんだから。本人に早く戻って自分でやってほしいです!

好きなことがあるって幸せですね。見ていてそう思います。

 

 

仕事と病の関係” への3件のコメント

  1. そうですよ。そちらもセクレタリーがタケノコ屋になっちゃってるものねー。それもKazさんちのタケノコけっこう
    有名じゃないですか。うちのタケノコどうやって始末しようかと苦労してますよ。とても採る暇なんてない。
    最後の最後まで人生多分面白いんだろうなあ、と思ってます。

  2. う・う・・・ん、ほんとにおいしいお餅!
    それに見た目にも食欲をそそる美しさがありますね。
    ちゃんと計算され、考えられたお餅だったのですね。

    ご主人の手術の成功、お祈りしています。
    お餅は簡単にはへこたれません!ながあ~~~くねばります!

    1. ご主人様のお加減いかがですか。
      おもち、誉めていただいてありがとうございます。
      計算されすぎて私はつきあいずらいです。1グラム、豆1個の違いが何か意味あるかー?なんて思いながら
      餅つきの代役を務めています。

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