追悼ミサとバスレー画集

毎年6月になると東京の友人と誘いあって訪ねていた那須トラピスト修道院の
友人、グリーリ・栄子さんが亡くなって1年が経ち、東京四谷の聖イグナチオ教会
で行われた追悼ミサに参列してきました。

今年の6月には訪ねるつもりだったから、「帰天されました」という突然に訃報に
衝撃を受けました。

私のブログで俗世界では知ることのできないグリーリさんの消息をお知りになりたい
方もいるだろうけれど、栄子さんの死を口に出したくなくて口を噤んだままでした。
が、今日のミサで、ようやく栄子さんが自ら望んで神様に導かれて御許に行ったのだと
納得できました。

良いお家に生まれ育って音楽や文学の才能に秀でていた栄子さん。会う時は何時も
笑顔でエネルギッシュで、尼僧の姿になっても華やかさを失わない方でした。

普通の世界におられる時は数冊の著書を出し、著名な音楽評論家であるご主人とともに
世界の舞台で活躍された栄子さんは、ご主人とご子息を亡くされた後に修道院に
入られることになったのだけれど、その時は70歳。
70歳で修道院に入るのは実は困難なことなのだ、と神父さまが述懐されていました。

70歳まで普通の世界で生きた者が、若い時分から沈黙の世界で生きてきた人々とともに
修道院の中で暮らすという、その心のうちは察することもできないけれど、栄子さんは
いつも「でも私の居場所はここなのです」という言葉で締めくくられました、と、それも
神父さまのお言葉でした。

お昼だからかガランガランとなり続ける聖イグナチオ教会の鐘。

栄子さんとはこれでお別れです。
良い出会いでした。

 

中央線の電車の中で、娘へのクリスマスプレゼントを何にしよう、とぼんやりと考えて
いる時、クレール・バスレーの画集を欲しがっていたことを思い出しました。
検索していて、目に入ったのが吉祥時にあるお花屋さんに画衆がある、と。
なんで本屋じゃなくてお花屋さんなのかはわからないけれど、とにかくそのロビニエという
お店がある吉祥時の駅に50年ぶりくらいに降り立ちました。

わあ、変わっちゃった!
駅の前の横丁はまだ健在。大きなビルが立ち並び、お洒落なお店が軒を連ねていて。
この雰囲気、今は最も若者たちに好まれる町なのではないかと・・。現在田舎者の推察ですが。

駅前からかなり歩いた通りの奥にその目立たないけれどとてもお洒落なロビニアはありました。
ロビニアとはフランス語でロバの木のこと。壁に大きなバスレー作、ロバの木の絵が架け
られています。店の置かれたお花は数は少ないけれど、クオリティの高さは抜群。そのへんの
お店には見られない珍しい色合いの花が置かれています。

訊ねてみたらクレール・バスレーさんの画集は出回ってなくて、フランスからこのお店に
送られてくるとのこと。3巻の画集が発刊されているけれど、第1巻、第2巻はもうない。
手に入れられそうなのは第3巻のみ。その第3巻も問い合わせなきゃわからない、ということで
もう勢いで、7,8センチの超分厚い画集を注文。高そうだけど、来たら来た時のことで。

 

友人とふたり、吉祥時をふらりふらり、楽しい散策でした。

 

 

 

りんごを買いに。

1年に1度、新聞紙を送ってくださる相手方にお礼を贈ることにしています。

古い新聞紙を溜めて贈って頂いているので、お礼はこの土地の生産物がいいかなと・・。
そんなことで、昨年は直売所の優秀な若手農業者ゆーじ君の甘ーい玉蜀黍だったけど、
今年の夏は雨続きで玉蜀黍とタイミングが合わず、りんごを送ることにしました。

わが町岩出山の林檎は少し時期が過ぎたので、一関に本宅がある千代さんの案内で
岩手県藤沢市りんごの園へ。
東北に住んでみると、りんごの産地は有名な青森だけではなく、青森から福島まで
さまざまな土地で栽培されていることがわかります。

岩手県はとてもとても大きくて山や緑が実に美しいところだけれど、昔西のほうから
逃れてきキリシタンが隠れ住んだという藤沢は、山また山また山。
岩出山では保存住居以外にはほとんど見られなくなった茅葺屋根の人家が、軒先に洗濯物
が干されて、そこここに見られます。

目的はりんご園だけれど、ついでに以前から行きたかった藤沢町の大籠キリシタン殉教公園に。
キリシタン殉教公園は江戸時代のキリスト教の布教とキリスト教を信じるキリシタンの殉教の
歴史を伝えるために作られた公園、というくらいが私の知る範囲だったのだけれど、
その地に刻まれた傷ましい歴史を忘れさせるような美しい公園でした。

300人以上の殉教者を悼みながら登る300段の階段の先には真っ青な空。

敬虔なクリスチャンである、花の山の登山家、田中澄江氏、作家の加賀乙彦、遠藤周作氏の
碑が建てられています。

階段を登り上がったところにあるカリヨン。

そして今日の目的、船越保武氏の彫刻が置かれたクルス館に到着しました。
が、休館日だった。残念、船越氏の像は見られません。

それにしても待っててくれたようなこの青空。

キリシタン殉教教会。

こんな山の中にりんごの木があるの?というような山の奥まったところにある大きなりんご園。

10種類ほどのりんごを全部味見してみて、味がわからなくなり基本に戻ってコンテナで購入
したのは来年まで保存がきくという「ふじ」。
りんごは寒いところに置けば来年まで充分保存できるそうです。

藤沢から一関に向かい、一関のコーヒー屋さんで休憩、日暮れて岩出山に戻りました。

これから新聞紙のお礼状を書き、コンテナりんごを段ボールに詰め替えて、7年間
近くも新聞紙を送り続けてくださる青山学院大学、その他に送ります。
喜んでいただければいいな。