山の文化祭

お餅仕事の後、上條さんと鬼首の山の文化祭へ。

岩出山は晴れなのに、鳴子を過ぎる頃から雨。鬼首も当然雨。
積雪の心配をしたけれど、2日前の雪はすっかり溶けて、山はうっすらと雪をまとった冬の
姿に変わっていました。

山の文化祭というから、山に関連するあれこれが展示されたり、説明されたり。
というような文化祭を想像して来てみたのだけれど違った。
鬼首の小学校の子供たちの絵や写真、お年寄りの制作物が展示され、お母さんがたの手作り
漬物や野菜などが販売されている文化祭でした。

それはそれで面白く、新聞バッグを作る私たちと兄弟分のような催しの写真を見つけました。
海の手山の手ならず、海の子山の子交流事業。
山の人と海の人が手を取り合う構図は一緒です。

鬼首は蕎麦の産地。
今年の夏は雨が多くて、収穫はさんざんだった、と聞きましたが、石臼で挽いたそば粉を
うって作った新蕎麦を頂く機会に恵まれました。

格別の蕎麦好きではなく、新蕎麦にも心惹かれない私なのですが、ここの出来立てお蕎麦は
実に美味しかった。
このお蕎麦1杯100円。こんな値段で挽き立て蕎麦を頂くだけでも心苦しいのに、ご飯まで
頂いて恐縮至極。
前に座った元料理人らしきご老人から、里芋やかぼちゃの目からうろこの保存術をお聞きしました。

 

満腹で戻って、午後からは真山の直売所で店番しながら新聞整理。

震災後の忙しかった時期から較べると、送って頂く新聞も新聞バッグの注文もぐっと
減ってしまったけれど、それでもなくなったしまったわけではなく、相変わらず新聞紙
は送って送って頂いていて、新聞バッグもゆっくりと作り続けています。

整理するのは大変だけど、6年間も新聞を溜めては送ってくださるご好意に感謝します。

黄色くなって使えない新聞紙は道の駅の冷凍もの包装紙に、選んだ新聞紙は南三陸に運びます。
フランスのル・モンド紙やドイツのフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙や
イギリスのフィナンシャルタイムズ紙に包まれた冷凍のおまんじゅうやお肉や凍みっぱなし。
お客様がびっくりするかも・・・・。

 

 

 

山形芋煮の会

11月だというのに積もるほどの雪。
なんなんですかねえ、このひどい寒さは。

昼過ぎ、こんにちわー、という声で外に出てみると、運転手のおじいさんが亡くなって
から道の駅に出荷に来なくなっていたとみこさんが、大根と白菜と柿と銀杏が入った
袋をぶら下げて立っていました。

とみこさんは86歳。とても元気で目も耳も達者だけれど、足が不自由で杖をついて
歩きます。白菜を採ったので持ってきてくれたとのこと。
誰に連れてきてもらったのかと思ったら、ホンダの大きなワンボックスカーを
運転して我が家までの急坂を登ってきたのは、82歳の私よりも体の小さな妹さん。
ほんと、びっくり。集落の農家のおばあさん姉妹の底力には驚愕しました。

鳴子温泉のエコタウン化協議会キックオフミーティングに参加してきました。
私たちにとってはあったかいお湯に入って気持ちがいい、だけの温泉。
でも温泉には熱源というものがあって、そのエネルギーを使えばいろんなことができる
と聞いています。熱いお湯で温泉卵もできるし、温熱で乾燥するとか、温熱で野菜や花の
ハウス栽培をするとか、お餅や花を作る私にとっても電気ではない温泉熱での乾燥は
大変興味があります。

大変面白い取り組みなので是非がんばってほしいところですが、それにしても感じた
のは温泉の人と、温泉のお湯に入るだけの人とのかけ離れ方。私が温泉に接するのは
お湯に入るだけ。その背後がどうなっていうのかまったく解らない。
鳴子に行っても鬼首に行ってもいくつもある温泉地帯は地熱があるということだけが
わかるんだけれど、それがどんな経路で温泉かけ流しのお湯になるのか。
そういうこともこれから知る機会ができるかもしれないという期待が膨らむキックオフ
でした。

そして今日は昨日からの雪にも負けず、かねてからの計画どおり柿の木芋煮の会実施。
宮城の芋煮は味噌仕立てで、山形の芋煮は牛肉たくさん、里芋牛蒡たくさんの清まし
仕立てらしいのですが、今日は故郷山形を熱愛するマスターの完全山形風。

作るのはマスターとオサム君。
午前10時から厨房に入ったオサム君とマスターの奮闘でお昼には純山形風芋煮鍋完成。
正式には外の寒風の中で熱々の芋煮を食する計画だったのだけれど、寒さと雪降りで急遽
喫茶パーシモン店内で開催。いつものメンバープラスお客様も一緒の混合芋煮会となりました。

間で来月開催予定のクリスマス音楽会に向けて日々練習中の演奏の披露。

演奏だけ練習しているのかと思ったら、澄んだ少年のような声のオサム君が歌います。
手作りクリスマス音楽会当日には、その他その他でどんな楽器が飛び出すやら。

今日の芋煮会には由美さんが、自分で漬けた漬物数種類と、ご主人のススムさんが
丹精した新米を数種類。よっちゃん、みっちゃん夫妻は、商品作り真っ最中のゆずいちみ
(いちみゆず)を持参。
こういう集いで、新しい味や研究中の商品に出会わせて貰えるのもまた楽しみのひとつです。

芋煮の後は残り汁を利用してカレーうどんに変貌して〆。
第1回目芋煮会、楽しかった、美味しかった!

 

 

 

 

 

柿の木誕生会

11月半ばを過ぎて、急激に寒くなりました。

17日18日の土日はイベントが盛りだくさん。
江合川の川原では毎年秋の恒例岩出山バルーンの日。
スコーレハウスでは秋のほっかぶり市。
ほっかぶり市ではよっちゃん農場テントに少し場所をお借りして、野田君温玉の
初販売。

野田君は元東京のテレビマン。
旅行番組を作って全国の温泉行脚をしたことから今は鳴子在住の温泉ソムリエ
&温泉観光士。温泉にはまって温泉卵作りにはまって温玉製造士に。
研究に研究を重ねた結果の「鳴子の源泉、かけ流し温玉」を本日から発売開始
です。

お手伝いは地域興し協力隊員のオサム君。地域を元気にするためには総力を
上げて協力を惜しまない真面目なオサム君とふたりで温玉初売り。完売を期待します。
横についているのは販売のベテランよっちゃん、みっちゃん夫妻だから、温玉
売りのみならず、たくさんの学びの場になることは間違いなし。

明日日曜日の予報は雪。
急ぎ家に帰ってタイヤ交換のために近所の車屋さんへ。最初に持って行った娘の
車のタイヤ交換はスムースに終ったのだけれど、次に私の車を持って行ったあたり
から急に人が増え、のったり寝ていた猫がどけられるほど椅子も満杯。
ガソリンスタンドでは2時間待ちとか。
夕方までかかって2台分のタイヤ交換とオイル交換終了。

夕方冬の早い日暮れで薄暗くなってからパーシモンの千代さんと温玉販売を終えた
オサム君から「mont-bellへ行こうよ」とけっこう熱心に誘われ、なんでこんな
時間からと訝しみつつ、仙台泉のアウトドアショップ「mont-bell」へ。

これから必要なスキー用ジャケットなどを見て、11月の誕生日ラッシュ(孫18日、
私19日娘20日信君21日)のプレゼントなど買い、なんで来たのかわからぬまま帰宅。

翌19日は私の76歳の誕生日。
この歳で誕生日を祝う気持ちなど全くないのだけれど、FBなどというもので年齢は
外までばればれ。外でも内でもおめでとう、と言ってもらい、ただでも落ち着かない
気分のところに、夜はパーシモンの若いマスター信君と一緒の誕生会をやって頂ける
とのことで、出向きました。

テーブルの上の料理は、全てオサム君の手作り。早い時間に厨房に入って汁ものから
煮物まで作ってくれたそう。今時の若い男子の全く気負わない料理や家事に向かう
姿勢や器用さには実に驚かされます。
クライマックスはケーキカット。クラッカーが弾け、happybirthdayを唄い終ると
出てきました。こんなのが・・・・・!

驚いた。こんな蝋燭があるなんて。
そして昨日のmont-bellの意味がここに来てようやく判明。

柿の木登山メンバーからのプレゼントは、私が「とんでもない、そんなの
履けない」と着用をしり込みしているアウトドア用きゅうきゅうタイツ。
そして冬用アウターシャツ。

山のスキーはやったことあるけど、やったことないゲレンデスキー。
今年の冬はスキーを楽しむ柿の木メンバーに混じって、ゲレンデの下のほうで
行ったり来たり遊んでみるかと考えています。

76歳の誕生日、忘れられない夜になりました。
心から感謝、感謝です。

 

 

 

 

荒尾岳へ

たぶん今年最後の山登りに行って来ました。

行き先はオニコウベ(鬼首)の荒尾岳。
数日前の低温、荒天でどうなることかと心配したけれど、最高の好天。
青空、風なし、気温高し。うれしい~!

しかしながらまずは仕事。お餅を作って道の駅に置いて、パーシモンの土屋夫妻と
合流して、メンバーが待つ鳴子の駐車場へ。今日はよっちゃん、みっちゃん夫妻も
初登山で参加してくれましたが、お天気よくてほんとによかった。

荒尾岳は吹き上げ温泉の先、八つが森登山口からはいります。
1000メーターに満たない山だけれど、ブナの樹林の中に作られたジグザグの登山道は
整備されていて歩き易く、敷き詰められたようにブナの実いっぱい。椎の実ドングリも
いっぱい。でも落ち葉もいっぱいで油断をすると滑りそう。

普通の人の足では登り1時間半、下り1時間だそう。でも私がいるので、2時間で上等
とは思うものの、なにせ歳をとってからの登山再開だから思うようにスピードが出ない。

山行は今回が初めてだというよっちゃん夫妻の脚力には驚くばかり。
普段、筍掘りや竹の間伐で竹林を歩き廻って鍛えられた体力でぐんぐん高度をあげていく
実力に敬服。この夫妻には私はなんでもかでも感心しっぱなしです。

若者2人に前後をガードされながら2時間弱で頂上到達。
登ってくる途中のブナの樹林も素晴らしかったけれど、頂上から一望する栗駒山の美しい
こと。今は葉を落とした木々が真っ赤に染まる10月頃に是非また登ってみたい。

 

待望のお食事タイム。
若い人がいる今時の山のお食事タイムは、昔と較べて目を見張るものがあります。
山の道具はなにもかも高機能でお洒落。コーヒーだって、ミルで豆挽いて本物志向。
ああ、せっかくのコーヒー、ひっくりかえしちゃった!

下りは普通の足で1時間、私が混じって1時間半。
汗ばむほどの温かさで、さほどの疲れもなくちょうどよい具合の山でした。

本当に楽しかった。
一緒に行ってくれるみんなに心から感謝です。

山からおりたら、よっちゃん夫妻はお仕事へ。
残り一同は汗を流しに温泉へ。私とチヨさん夫妻には初体験の農民の家へ。
311の大震災の時、東松島の方たちの避難場所だったこの農民の家だけが自炊で、
私たちの直売所から週に2度野菜を運びました。
「ご恩は一生忘れません」などというお礼状を後に頂いたりした農民の家。
どんな温泉だろう、と思っていたのですが、入ってみると想像とは全く違っていてびっくり。

想像していたよりずーっと大きい。湯治用のお風呂は混浴、男女別いくつもあって、廊下
では生活用品や衣類や靴が売られ、ゲーム機もいっぱい。
温泉に入ってゆっくり寛いでまた温泉に入って1日過ごすという湯治文化の本拠地。
今日は社交ダンス大会も催されていました。

山行と温泉が終ると、私は今日の餅つき仕事へ、野田さんは古川へ仕事へ。
遊んだり仕事をしたりと大忙しの1日でした。

もう11月半ば。もう一度くらい山に行けるかどうかなあ。

 

 

 

鬼首温泉郷半日散歩。

お天気がいいから、お天気が良すぎるので。。

朝のお餅仕事を終えた後、帰らねばと思いつつ、秋の抜けるような青空があまりにも
もったいなくて、上條さんを誘って午後から鬼首へGO。

久しぶりの鬼首。
スキー場あり、山あり、草原あり、牧場あり、いくつもの温泉あり、ダム湖あり、火山噴火後の
カルデラという特異な形状を活かして、渓流沿いに熱湯が吹き出る地獄谷あり、地熱発電所
あり。こう書くとなんとも凄いところではないですか。

上條さんの自宅は鳴子温泉の最奥。
自宅からすぐ上の鳴子ダムに沿ううねうね山道を進むとまもなく鬼首に入ります。
紅葉シーズンは終ってしまって、山の木々は葉を落す前の深い黄葉。ほぼ赤褐色。
赤褐色の森の木々がダム湖の青い水色に映えて、なんとも美しい佇まいです。

ちょっと寄ってみよう。。
好奇心の強い上條さんの提案で、これまで気付かなかった吊り橋?へ。
ここは車では行けません。車を止めて歩いて行くところ。

新しいバイパスの橋

次は、吹き上げ地獄谷を散歩に。



地獄谷は渓流沿いの遊歩道。流れを挟んであちら側、こちら側にボコボコ音を立てて
湧き出るいかにも熱そうな湯溜。立ち上がる湯煙。

川の流れは一見冷たそうだけれど、手を入れてみれば40度くらいだったり60度くらいだったり
あっつっつ・・・・というくらい熱かったり。

この地面の下全体にこの熱があるのかと思うと、地球そのものを感じさせられます。

カルデラ大地をぐるりと廻れば片山地獄や地熱発電所を見ることもできるのですが、それほどの
時間もなく、最後はワイナリーがある吹き上げ高原へ。
正面にどっしりと構えた岩山のかむろ岳を望み、見晴るかす緑の草原、草を食む黒牛。

山の端を彩る残照。

右を見ても左を見ても本当に美しい鬼首温泉郷。

規模は違うけれど故郷九州の阿蘇山麓を思わせるような、富良野の麓郷にも似ている
ような。

最後に観光案内冊子で見たお豆腐屋さんの豆腐を訪ね訪ねて探し当て、豆腐と油揚げ
を土産に買って、本日の鬼首散歩を終わります。

鳴子温泉から30分もかからない鬼首。
この地球の息吹きが感じられる美しい山郷をもっともっとたくさんの人に知ってもらって
訪ねてほしいと思います。

 

 

 

 

晩秋

久しぶりのブログ。
パソコン不調になってからしばし中断しましたが、新装なって再開します。

怒涛のようなお餅つき三昧の紅葉シーズンも先日の3連休でやっと終り、普通の日が戻って
きました。毎日元気に1日に2度道の駅に通って、疲れてないつもりだったけれど、けっこう
全身くたびれてるなあ、と感じる昨日今日。

11月4日5日の高知で開催された新聞バッグコンクールには、海山からの出展は高知大学
チームといつもお世話になっている滋賀県の角川さんの作り手による滋賀チーム。
本家東北海山は今回は出展なし。
ということで、現地には高知大学のサキナちゃんとアヤネちゃんに行ってもらって、コンクール
の報告をもらいました。

なんと高知大学チームからの1点で高知銀行賞受賞。
なにより初めて嗜好を凝らされた大量の新聞バッグが並ぶコンクール会場を見たサキナちゃん
とアヤネちゃんがびっくりしたり感動してくれたりしたのが嬉しいことです。
同じ高知。これをきっかけに四万十と高知大学が繋がればいいな、と思います。

こちらも4日は古川の穂波クリニックで、研修に来た東北福祉大学と静岡大学の学生たち
30人ほどとお餅ワークショップをやることに。

患者さんを訪問して現地研修を終えた学生たちに、搗いたお餅を楽しんでもらいました。

 

それにしてもこの3日ほどのお天気の良いこと。
これまでの悪天候を一掃するような連日の青空と温かさ。
これまでちょっかい出されて迷惑至極だったサヴァが、貰い子に出て行ったので、生き返った
ように日向でくつろぐシロ。

ウイークエンドの道の駅の空に浮かぶバルーン。