感謝をこめて

1年がかりで企画した倉本聰作「屋根」大崎公演が終わりました。

新装なった岩出山文化会館(スコーレハウス)における第1回目の公演となった「屋根」。

後ろのドアを開いて客席いっぱいに着席されたお客様を見て、感無量でした。

こんなにたくさんのお客様に来て頂いて、実行委員会としてこれほどの幸せはありません。

 

お客様の中には、演出で舞台下の席は座布団だ、と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、これは全くの

ハプニングで、傾斜のゆるい客席では観えづらいお客様がいらっしゃるだろう、と急遽倉本先生の指示が出て

集会所や地区館、座布団持ちの家から座布団を運んできて座布団席となりました。

それでも見えづらいことを予想され、次には岩出山佐藤梅農場から山芋集荷籠を運び込んで、籠の上に座布団

の席となりました。

入場されたお客様は座布団で暖かな気持ちになられた方も、なんだこの席はと驚かれた方もいらっしゃるに

違いありません。失礼を承知の上で、近いところ、遠いところから足を運んでくださるお客様全てに舞台を観て

いただけるようと倉本先生がお考えになった結果です。どうぞご理解をお願い申し上げます。

 

当日の詳細は後述するとして失敗談を。

先生、そして根来ご夫婦と前日に子供たちのコミュニケーションワークショップをやってくださった久保氏に花束

を吟味に吟味して用意したのですが、なんと、タイミングを外して渡しそびれてしまいました。

大人の指示がなくて、渡すチャンスを見出せなかった高校生は(前日はワークショップ、当日はボランティア)呆然。

大慌てになりましたが、心配して玄関ロビーに出てこられた倉本先生の奥様のご配慮で、先生にも久保氏にも

主役のお二人にもロビーでお客様の拍手に囲まれて花束を渡すことができました。

初めての演技を中心とするワークショップや「屋根」上演のボランティアとしてのお手伝いなどを経験した高校生

たちにとって、きっと鮮烈な印象を残す時間になることでしょう。

 

たくさんの方々にアンケートのご協力をいただきました。

どのアンケートにも「素晴らしかった」「感動しました」の言葉がありました。

中にはこれまでの生き方、考え方を考えてみようと書かれた方もおられました。

この舞台上演を私たちの町、岩出山で岩出山の人に見てほしい、と実行委員会を立ち上げ、最初に決めたテーマは

「屋根」-観れば人生が変わるっ!ーそう決めてチケットの袋にもそう書きました。

なりゆきで私はこの舞台を4回も観る機会に恵まれました。最初に富良野で観たときに、「人生は川の流れのような

もの。誰も恨んではいかんよ」という根来のおじいさんの言葉が胸の中に響きました。

福岡で生まれて何故か見知らぬ東北の町に今は暮らす私の人生。大変なもんだった、とこれまで思ってきましたが

そうか、川の流れと同じだ、と気づかされると同時に胸が晴れるようでした。

この舞台公演誘致に関わらせて頂いた私自身、「観れば」先行き短い私の人生でも楽しめるような気がします。

 

 

観に来てくださったたくさんのお客さま、北海道から種子島まで日本縦断をして駆け抜ける富良野GROUP「屋根」、

そして公演に向けてたくさんのご協力を頂いたみなさま。

ほんとうにありがとうございました。心からの感謝を申し上げます。